以前、大阪ガス通信で、田植えと稲刈りの模様をレポートした、大阪ガスの本社ビル屋上に現われた水田を覚えていらっしゃいますか?
これは「ビル屋上での稲の水耕栽培で、都会のヒートアイランド現象をいかに緩和できるか」という、京都大学の実験で、今年で3回目の実施となりました。
この実験の報告会があると聞きつけ、大阪ガス通信スタッフが参加してきました☆
今回は、収穫された稲でつくった日本酒の試飲会もあるということで、ワクワクしながらの参加でした(^^)
報告会は、実験に携わった熊本大学准教授(元京都大学農学研究科助教)の濱武英先生と、京都大学大学院生の方のおふたりで進められました。
■ヒートアイランド現象への効果について
水田の水面付近の気温と、水田がない場所の気温を比較した実験では、屋上の1日の平均気温が28℃を超える場合、水面付近の気温が約2℃低いという結果になりました。そして、水田の水温と、屋上の床温度を比較した実験では、水温のほうが約3.7℃低いことも明らかに!
緑があることで、確実に温度が下がるということが証明されました♪
収穫したお米に関しては、肥料の量など、過去の実験から問題点を改善したり新たな工夫を加えたりした結果、厳しい暑さを乗り越えて小粒ながら良質なお米を収穫できたそうです!
この結果に、おふたりも嬉しそうなご様子(*^▽^*)
■「屋上水田米 純米吟醸酒」を試飲!
今回、収穫したお米をお酒に加工してくださったのは黄桜(株)研究所の首藤大比古さま。比較用に、通常の田んぼで育った同じ品種のお米からもお酒をつくり、さまざまな数値を比べて発表してくださいました!
水耕栽培である屋上米は、肥料をたくさん吸収した関係で、通常の田んぼのお酒に比べて辛口になったそう。お米の育て方の違いでこんな差が出るんですね。お酒づくりって難しい!
報告終了後は、参加者全員でお酒の試飲会☆
飲まれた方からは、「通常の田んぼのお酒と同じくらいおいしい!」「辛口好きなので、屋上米のお酒の方が口に合いました」といった感想が。屋上の水耕栽培で実ったお米でも、立派なお酒になるんですね(*・v・*)
濱先生に、次回以降の課題やテーマをお伺いしました。
「今回3回目の実験を終えて、今後さらなる工夫につながるヒントがたくさん得られました。今後はもっと広い面積をつかい、より詳細なデータを取りたいです。ビルの周囲へ与える温度の影響や、水の循環利用についても考えてみたいです」とのこと。
次回以降の実験も、今からとても楽しみです♪
大阪ガス通信ではこれからも、大阪ガスのさまざまな取り組みをご紹介していきます!