建築システム
NEXT21では少し先の未来にあるくらし方を想像しながら住まいの可能性を試し続けています。そのためには、様々な住まいを試すことができ、住み心地の良い空間を受け止める余裕のある躯体や柔軟に対応できる建築システムが必要です。
そこで、スケルトン・インフィル方式などの建築システムを採用しました。
スケルトン・インフィル(SI)方式
建物を永く使い続け、
継承していくための建築システム
今の集合住宅では当たり前になっているSI方式を、まだ一般的ではなかった1993年にNEXT21では採用し、SI集合住宅の先駆けとして知られています。
100年以上使い続ける事を目指して作られた高耐久スケルトン(構造躯体)と、住まい手に合わせて更新・可変できるインフィル(内装)に分けて考えられた住まいです。
住まい方や住まい手のライフステージなどに合わせて、間取りだけではなく、住宅規模にも柔軟に対応した住戸改修をこれまで行ってきています。
POINT01
スケルトンの制約が少なく、
自由度の高い改修が可能です。
従来の集合住宅は、ひとつの住戸の中で間取りの変更が可能。
スケルトン・インフィル方式の場合、元の間取りにとらわれない改修が可能。
POINT02
間取りや内装、住戸規模まで
様々な住戸改修が可能です。
POINT03
高品質なスケルトンを採用!
工場でつくられたプレキャストコンクリート(プレカラム/ハーフPC)を採用することで品質を確保、高い精度で施工されています。
一般的な集合住宅の階高は2.7〜3.0m程ですが、NEXT21の居住階(3階以上)の階高では3.6mを確保しています。高い階高とすることで、天井裏の設備スペースを十分に設けられ、ゆとりのある空間作りを実現できます。
住戸範囲の梁の一部を凹ませたコの字のハンチ梁で構成し、外壁や梁にスリーブを設けずに給排気できるようにすることで、高い自由度をもったダクトルートを計画できます。
スラブを240mm確保しており、遮音性の高い建物です。
システムズビルディング
外壁の移動・取り替えが可能
通常の建物では外壁は動かせませんが、NEXT21では外壁まわりを部品化することにより、移設や取り替えが可能となるシステムズ ビルディングというシステムを採用し、外壁の移設・交換・改造ができるようにつくられています。
取り外した部品は再利用できるため、繰り返し使う事で資源が無駄にならず、環境負荷の少ない住戸改修が可能です。
右図について
A種外壁
部品化により移設や取り替えが可能な外壁システム。ベランダのない場所を前提としているので、室内側から施工が可能。
B種外壁
A種と同じ外壁システム。ただし、ベランダのある場所を前提としているので屋外側から施工する。
C種外壁
住宅設計者が選定した従来工法による外壁。
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NEXT21の配管システム
自由な水廻り設計と位置変更が可能
NEXT21では、住戸内に竪管排水が通るパイプスペース(PS)を設けていないため、キッチンや浴室、トイレなどの水回り配置を自由に計画でき、フレキシブル配管を採用しています。NEXT21のPSは、住戸ごとではなく、1フロアに2つのPSを共用部に設けることで、住戸内PSをなくし、自由度の高い住戸プランに対応しています。住戸からPSまでの配管は、2重床となっている立体街路(共用廊下)下のスペースが利用され、共用配管の更新性も考えられています。
設計ルールブックと
住まいの手引き
NEXT21では、今後も永きに渡って住まい手に快適な生活を送り続けてもらうため、建築システムなどの必要事項をまとめた設計ルールブックを整備しています。NEXT21の設計に込めた想いを、次世代の設計者や関係者に引き継ぎます。
また、改修した住戸ごとに、快適に過ごせるような窓の開け方や、各住戸設計者の思いが書かれた手引きがあります。今後も適切な改修や居住実験が行われるように努めていきます。