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第48回日本選手権野球大会

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2023年11月10日(金)

接戦を制し、初戦突破!3度目の頂へ向け好発進!


ライトスタンドまで埋め尽くした大観衆を前に、大阪ガスがシーソーゲームを制した。1-1の4回に一番・橋本典之選手の2点タイムリーで勝ち越した。2点を追う7回には二番・峰下智弘選手、六番・山川晃汰選手のタイムリーと押し出しフォアボールで3得点を挙げ、逆転に成功すると、8回に三番・清水聖也選手が7点目のタイムリーを放ち、勝負を決めた。
観衆のボルテージが最高潮に達したのは7回。東芝にはじめてリードを許した直後、一番・橋本選手の二塁打から峰下選手のタイムリーですかさず1点差に詰め寄ると、次々に登板する救援投手から3連続フォアボールを奪い同点に。なおも満塁で、山川選手の二塁頭を越すタイムリーで逆転に成功。さらに8回の清水選手のタイムリーで追加点を奪い、試合を決定づけた。
シーソーゲームは決勝点を挙げた場面に目を奪われがちだが、前田孝介監督は、ポイントは初回にあったと話す。2アウトから三番・清水選手、四番・三井健右選手の連打で一三塁とすると、五番・花本選手が三遊間を抜くヒットを放ち先制した。「花本の先制打が初戦の硬さを払しょくしてくれた。ベンチの空気が落ち着くと同時に勢いづいた」と振り返った。その勢いが終盤の逆転劇を生んだ。
稲垣豪人、大宮隆寛投手の継投もはまった。2人とも大舞台での初登板とは思えない堂々としたマウンドさばきで東芝打線を押さえた。
追いつ追われつの展開に、スタンドからは「大阪ガス」コールが地鳴りのように響く必死の応援。2年振りの初戦突破への後押しとなった。

前田孝介監督
「接戦は想定していたが、予想を上回る展開だった。初回に先制できたことで落ち着いて自分たちの野球ができた。7回の連続フォアボールはもらったのではなく、つけ入る隙を逃さず奪ったのだと捉えている。相手が小刻みに継投してきたのに流れを変えられなかったのは、選手たちの攻めの姿勢があったからこそだから。選手たちの粘り勝ちですね。
稲垣はよく投げた。相手打線を考えれば3、4失点は覚悟のうえ。上出来です。継投については、やや球が浮いてきていたので、ピンチを招けばすぐに大宮に変えるつもりで準備させていた。その場面で大宮もタイムリーを許したがそれ以上の点をやらず、粘ってくれた。次戦も地に足付けた姿勢で臨み、全員で勝ちにいきます」

「俺が打つ!」有言実行でチームに勢いをつけた花本太紀選手


大会前、スタンドを埋め尽くす大応援団の前で勝負強い打撃を披露したいと話していた花本選手。初回、2死一三塁の場面。東芝、先発の善投手の伸びのあるストレートに「振り負けないように」と強振した打球は三遊間を抜け、先制タイムリーに。宣言を実行してみせた。 「2アウトから後輩2人が繋いでくれただけに、ここは何としても打ちたい、打たないといけない」という思いで打席に立った。打った瞬間、抜けると確信したといい、「僕の1本でチームに勢いをつけたかったし、塁上でスタンドを見上げると、大勢の社員のみなさまが歓喜に揺れる姿を見て嬉しくなった」と振り返った。 7回に同点に追いつく押し出しのフォアボールを選んだ場面では、「ボールがストライクゾーンに来ていたら捉える自信があった」というほどボールがよく見えていた。ヒットではなかったが、勝負強さがもたらした価値ある内容だ。次戦も「つなぐ意識で、勝負強さを発揮したい」と意気込んだ。

期待に応えエースに名乗り、稲垣豪人投手


 エースの座を狙い、今夏、投げ込んできた稲垣投手。大事な初戦を任され、期待に応えた。3回までは無安打ピッチングと試合をつくった。自身も「序盤に良い形で入れたことは凄く良かった」と振り返る。 ただ、1点リードした4回と2点リードした5回に同点を許してしまった。「あれがなければ、もっと楽な試合運びができたはず」と反省を口にした。4回は、ちょうど相手打線が二巡目に入ったところ。「少しでも甘くなると、見逃してはくれませんね」と、全国大会ともなると各打者が二巡目以降に対応してくるレベルの高さを実感。 7回でのランナーを置いての交代には「コントロールがブレ始めていたので仕方ないかと思いながらも、ここで粘り切れないと判断されたということ。力不足を感じました」と悔しさをにじませた。「この経験を活かして、次はどう押さえるかを考えながら投げたい」と雪辱を誓った。

安打製造機、清水聖也選手


打撃好調が際立っている清水選手。予選でも好調だったが、10月から大会直前まで行ったオープン戦でさらに磨きをかけ、本戦に乗り込んできた。初回の先制点につながるヒットと、8回にはダメ押しのタイムリーと2安打で勝利に貢献。 好調の要因を「打撃に丁寧に臨む」ことをモットーにしているからだと分析する。「バッティングは、相手投手からの一球や何気ない自分の一振りで崩れてしまう。だから一つの動作を意識することを心がけて打席に立つ」のだと話す。 しかし、今回の東芝戦では、思い切りの良さも大事にした。というのも、10月のオープン戦で東芝に負けているからだ。そこを割り切ったうえで挑戦者として「ストライクゾーンに来た球は全て振ろう」と、甘く入ってきた球は見逃さなかった。後ろに三井選手、花本選手と同じく打撃好調の打者が控えていることも大きい。 晴れて、初戦を突破できた。が、全国大会で1勝することの難しさは、昨今の2大大会の戦績を振り返れば身に沁みている。「この1勝に浮足立たずに、目の前の一戦を勝つことに集中します」と、気を引き締めていた。

完全復活で攻撃に厚みをもたらす橋本典之選手


夏に手首が骨折するケガを負い、日本選手権予選には出場できなかった。その鬱憤を晴らすかのような活躍だった。 同点に追いつかれた直後の4回に、2点勝ち越しタイムリーを放った。浮足立っていた前の2打席に比べると落ち着いていたという第3打席目。甘く入ったストレートをセンター前にはじき返した。 7回には逆転劇の口火を切るフェンス直撃の2ベースヒットを放つと、続く峰下選手のセンター前ヒットで一気にホームへ。50m6秒の俊足が、相手守備のバックホームへの悪送球を誘った。 久しぶりの公式戦に少し緊張していたと話すが、大観衆からの大声援に腹の底から力が湧いたと話す。「あれだけ応援してもらっていたら、打てる気しかしませんよね」。 ケガは完治し今は全く心配ないという。打力のみならず、足もある橋本選手の完全復活は、すなわち攻撃に厚みをもたらすことを意味する。次戦も「打って走って、相手をかき乱したい」と話す、橋本選手。心強い限りだ。