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2021社会人野球日本選手権大会

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レポート

2021年07月13日(火)

長打でつなぎ序盤に大きくリード
快勝でベスト4入り!


初回に四番・末包選手のタイムリーで1点を先制すると、3回には九番・鳥飼選手の2ベースヒットを皮切りに、三番・峰下選手、四番・末包選手の連続タイムリーで4点を追加し、5対0と序盤で大きくリードした。8回には代打・松谷選手のタイムリーなどでさらに2点、9回にも1点を加えるなど、終始主導権を握った。
初先発の宮本投手は4回を無失点に抑えると、今大会初登板の2番手、田中投手も、3イニングをランナーは許しながらもホームを踏まさない力投を見せた。終盤には中谷、緒方投手とベテラン勢が投げ切り、完封勝ち。継投策も見事にはまった。


四番・末包選手が大当たり。初回に、一番・大谷選手を二塁に置いてセンターへ先制タイムリーを放つと、3回には、ライト方向へ強い当たりの打球を飛ばし3点目を入れた。最終回にもライト方向へ逆らわずライナー性のヒットを打ち8点目をあげた。5打数3安打。猛打賞のみならず、放ったヒット全てに打点をつける大活躍だ。打ったのは、いずれも高めに浮いたボール。甘く入ってきたボールを見逃さなかった。「ピッチャーが投げるボールの線と僕の打球の線を思い描きながら、手を出して良いか悪いかを瞬時に判断して」バットを出す。まさに職人技。頼れる四番として、準決勝以降の打撃にも期待がかかる。 1回戦、2回戦の五番・三井選手の活躍に焦りはなかったのかとの質問には、「逆に、任せられると安心していた」とどこ吹く風。良いことも悪いことも、前の試合のことは引きずらない。そんな気持ちの切り替えの上手さも、今日の結果につながった。

準決勝の相手はホンダ。昨季の都市対抗野球大会初戦に、大量差を付けられ敗れた相手だ。そして、都市対抗の覇者でもある。しかし、こちらも前回の日本選手権大会覇者だ。前田監督は、「頂点を目指すチーム同士、しまったゲームにしたい」と話し、リベンジを誓った。

前田監督の談話


「今日は末包でしょう。先制、中押し、ダメ押しと理想的な四番の働きをしてくれた。初回にとらえたことが大きかった。打線に勢いをつけるきっかになった。打線に関しては末包に尽きる。 先発に宮本を起用したのは、大会前に調子を上げてきていたから。連戦になることを考えると、宮本あたりが出てきてくれないと、と思っていた。とはいえ、実戦経験が少ないから3,4イニングを2点くらいでしのいでくれたら十分だと考えていただけに、無失点は出来過ぎ。良く投げてくれた。はじめから継投でいくことは決めていた。田中、中谷、緒方も無失点で投げ切ったし、準決勝、決勝を見据えると、彼らの出来栄えもかなり有効だと思う。
ホンダには、昨年、あのような負け方はしているだけに、やり返したい。総合力が高いのも十分承知している。だが、互いに新チームでの戦いだから、前の負けを引きずる必要はない。気持ちをフラットにして、頂点を競い合うチーム同士、しまったゲームをしたい」

初先発ながら見事無失点の好投 宮本投手


2回戦での途中1イニング登板が、4年目にして全国大会初登板。「そんな自分が、まさか先発するなんて」。大会前の調子の良さから、チーム内では「あるかもよ」と言われてはいたが、「さすがに、それはない」と思っていた。「監督から電話がかかってきて。いくぞと言われたときは、ただただビックリですよ」と、にわかに信じられなかったが、「行くしかない」と、即座に気持ちが切り替わった。
2年目、3年目は肩と肘のケガで苦しみ、ベンチに入ることができなかった。「少し良くなったと思って投げると、すぐまた痛めて。それが怖くて」思い切り投げられなくなっていたが、稲田コーチのアドバイスでオーバースローからスリークォーターに変えると、嘘のように痛みが消えた。今ではケガは完治し、球速が4キロもアップした。「こわごわ投げて打ち込まれ、自信を無くしていた」 自分が、「思い切り投げたら結果がついてきて」、大会前には自信のついた自分に変わっていた。ブルペンではもの凄く緊張していたが、マウンドに上がって投球練習を始めると緊張が解け「試合中は楽しかった」と話す。内容的にも「ナイスピッチングができました」と振り返る。河野投手に負けないくらい躍動感あふれる姿だったのはそのせいか。頼もしいピッチャーが、また一人加わった。

ヒットにすべて打点をつける大活躍、四番・末包選手


回の先制、3回の中押し、最終回でのダメ押しを叩き出した。これぞ、四番。そんな活躍を見せつけた。「調子はずっと良かった」と話す通り、1回戦、2回戦合わせて3本のヒットを放ち、当たっていた。特に良かったのは、「追い込まれてからでも打てた」こと。それだけ余裕を持って打席に入れているという。 打撃のこだわりは、甘く来たボールをいかに仕留めるか、だ。ストライクゾーンにとらわれず、「これはヒットできる」と思うボールが来たら、ボールコースにきても手を出す。今日の3本のヒットに偶然はない。いずれも自分がヒットできると読んだ球を打ち返した結果だ。 しかし、すでに今日の活躍に浮かれてはいない。「良いピッチャーだと、4打席あっても、甘い球が1球あるかないか。厳しいコースの球をどう攻略するか。ホンダ戦は特にそう」と、次の試合を見据える。準決勝では、四番の真価を証明してみせるつもりだ。 110キロの巨体ながら、走塁にも手を抜かない。最終回にライト前ヒットを打った場面で、相手守備の返球の行方を見てすかさず二塁を陥れた。「一回戦で、内野フライを打ち上げたことにガックリきてつい気を抜いて走ってしまった」反省からだ。四番だから。長打の人だから。そんなことは走らない理由にならない。四番でも、長打の人でも、一つでも前の塁を攻める。その姿勢が大阪ガスの強さへつながっている。

見事、代打起用に応えた松谷選手


8回に代打で登場し、相手チーム2番手ピッチャーから、フェンス直撃タイムリー3ベースヒットを放ち、終盤で欲しい追加点をあげた。「芯に当たるには当たったけれど、ドライブをかけきれなかったから、『抜けてくれ!』と心の中で叫びながら」ダイヤモンドを必死に駆けた。
試合中は、ブルペンでピッチャーの球を受けている。ブルペンにあるモニターからは試合映像が流れており、「2人目の左投手は調子が良さそうだな。変わってから0点に押さえられている。映像で見ている限り、スライダーが良さそうだから、狙うならまっすぐだな」、そんな風に試合を見ていた。打ったのは高めのストレート。打球はグングン伸びて、左中間を抜ける快心の当たりとなった。画面越しの予習が見事に生きた。
準決勝の相手は、強打者揃いのホンダ。「今のうちの投手陣が持っている力をしっかり出せたら、ロースコアで良い勝負ができると思う」。そう展開できるように今日もピッチャー陣を裏で支える。「もちろん、いつでも打席に立てる準備はしておきます」。

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