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2021社会人野球日本選手権大会

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レポート

2021年07月05日(月)

河野が相手打線を完封!
大会二連覇へ向け好発進


4回に五番 三井選手のタイムリーで先制し、1点リードで迎えた9回、大阪ガスは、日本製鉄東海REX3人目の投手から、3四球を選び1アウト満塁とすると、七番 古川選手のセンター前タイムリーで2点、続く代打 山川選手のレフト前タイムリーでさらに1点を追加し試合を決めた。 先発 河野投手は、力強いストレートを中心に変化球を効果的に使い好投を見せ、完封勝利をあげた。

高卒2年目、ランナーを出しながらも無失点に抑える河野投手の粘りに、先輩選手たちが見事に応えた。4回、チーム初ヒットを放った二番 峰下選手を一塁に置いて、五番 三井選手が右中間に2ベースヒットを放ち先制した。9回、1アウト満塁に、七番 古川選手、代打 山川選手の連続タイムリーで3得点し、リードを広げた。 完封した河野投手は、19歳とは思えないマウンドさばきだった。最速150キロという自慢のストレートで追い込むと変化球で三振をとるといった、自在のピッチングを披露。ヒットされた次の打者を空振り三振にとった場面が多く、要所でギアを上げられる上手さも見せた。 昨年は、新型コロナの影響で日本選手権大会が中止となり、2年目の選手たちにとっても今年が初めての経験。勝ち上がるには若手選手が力を出し切れるかがカギになる。河野、三井選手らが目立った今回の勝利は、2回戦以降も若い力が勢いに乗るきっかけとなりそうだ。 土曜日開催となった初戦、感染拡大防止対策のため入場人数が制限された大阪ガス一塁側スタンドには、Daigasグループ関係者が応援にかけつけた。9回の好機では、打席に立つ選手へ向けて自然とスタンドから手拍子が沸き起こり、連続タイムリーを後押しした。

前田監督の談話


河野が良く投げた。何度も言うが19歳とは思えない落ち着きぶり。凄いねのひと言。
初戦の先発を任せたのは、力あるストレートを買ったから。ストレートでファウルさせストライクを取り、内側にカットボールを投げられる。今日もその通り、大人のピッチングしていた。それができるだけのスタミナもついてきたね。唯一あった6回のピンチも、『河野なら抑えるだろう』と心配せずに見ていた。今日は、投手交代は全く頭をよぎらなかった。
相手も自信のあるピッチャーを出すのだから、序盤のノーヒットは想定内。二打席目にどうするか、だが、最初にヒットを放ったのが峰下なのはさすが。そのあと三井がよく打った。あそこはエンドランではなく、スチールできるなら行け、三井には、峰下の走塁に関係なくチャンスなら打て。峰下がスチールを試みたのと三井の判断とが上手く噛み合ったね。先制したからといって油断ならないが、あの1本はチームを元気づけたのは確か。9回に登板した3人目の相手ピッチャーが制球力が定まらず、うちとしてはラッキーな展開となったが、最後は古川がしっかり決めてくれたのが大きい。若手を引っ張るべき存在が良い働きをしてくれた。 河野がウイニングボールを私へ渡してくれて、もの凄く嬉しかったが返した。アイツが自分で手にしたのだから本人が貰うべき。気持ちだけ貰うことにした。それにしても嬉しかったね(笑)

6回ピンチも落ち着き払って完封勝利の河野投手


9回を投げて被安打5、1四球と好投。何より連打を許さなかった。ピッチャー有利なカウントからヒットされるとすぐに短気を起こし、次打者に投げ急ぎまたヒット……と傷口を広げてしまうところがあったが、「今日は落ち着いて次打者を打ち取れた」と振り返る。
6回、一番から始まった相手打線にチャンスを作られ、2アウト二塁で迎えた相手の四番打者にフォアボールを出したが、「フォアボールでしのいだ」という心境だったという。前の2打席は空振り三振にとっていたが、3打席目でのこの場面、カウント2―2からの5球目に投じたのは三振と同じ球種だったが見逃され、判定はボール、フルカウントとなった。「いつもの僕なら、見逃されたことにイラっとして、次のボールで打ち取ろうとそれが甘く入ってしまいガツンと打たれる」ところだが、今日の河野投手は「さすが四番、同じ攻めは通じないな」と冷静だった。6球目は丁寧に低めへ投げた。結果的にはフォアボールとなったが、次の打者を見事、セカンドゴロに打ち取った。自信のあったストレートに加え、カットボールが加わったことで投球に幅が広がった点も、見逃せない。
前田監督へウイングボールを渡したことについては「普通、こういうのって監督さんへあげるものじゃないんですか」と、自分が貰えたことに驚いていたが、せっかくの前田監督からの好意、入社後、初めて広島から見に来てくれた母へプレゼントしたいと話した。

チームを元気づける先制タイムリーを放った三井選手


2打席目に右中間を抜く先制タイムリーを放った。「六番の清水さんに繋なぐつもりで打席に立ちましたが、(一塁ランナーの)峰下さんがスチールをしかけてセカンドが二塁ベースに寄ったのを見て、一二塁の間を狙ってバットを振ったら、狙い以上の打球になりました」
打てそうな予感は1打席目であったという。ライトフライに倒れたが、体にキレがあってスイングが良いと感じたといい、ただ「狙い球を絞り切れず、打ち損じた感があった」点を修正して臨んだ2打席目に結果を出した。6回のチャンスで回ってきた3打席目は、シフト変更したほぼ正面のレフトフライに倒れた。「あそこで追加点を取れていたら、もっと楽な展開にできた。何が何でもヒットにしきらないと」と反省も忘れない。
初の有観客試合に心躍った。「得点するとスタンドから大拍手が聞こえて。心強いと思いました。自分に期待されているのは、長打だと思います。次の試合もチャンスで打てるよう頑張ります!

勝負に打ち勝ち試合を決めた古川選手


追加点を奪うタイムリーを放った。わき腹を痛め、大会前の2週間はオープン戦を欠場、実戦から遠ざかっていた状態でのスタメン出場となったが、見事、結果を残した。
9回、相手の3人目投手の乱調で1アウト満塁で打順が回ってきた。古川選手のところで投手は4人目にスイッチ。その代わり端となる1球目を思い切り振り抜いた。「内野を抜けてくれ」と思った打球は一二塁間を抜け、センター前へ。2者が生還し、一気に勝利を手繰り寄せるタイムリーとなった。打ったのは外角ストレート。初球はそこへ来ると読んでいた。理由は「ファウルにしやすいから」。相手投手の狙い通りファウルになれば、ピッチャー有利のカウントへ持ち込まれやすくなる。「1球目を仕留めないとあとはない」。そう思いバットを振り抜いた。2週間のアドバンテージなど、古川選手には関係ないようだ。

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