今年1月のニューイヤー駅伝は、3年ぶりの出場、過去最高位の15位という成績を残した大阪ガス陸上競技部。そこへ今春2名の大型新人選手が加わり熾烈なメンバー争いが繰り広げられています。今季ますます期待がかかる陸上競技部の現在のチーム状況を渡邊コーチに聞きました。
――― 現在のチーム状況はいかがでしょうか
今年は故障者が少なく、それぞれの選手がほぼ予定通りに調整ができていると思います。辻横新キャプテンが上手くチームをまとめてくれていることもあって、予選突破に向け盛り上がりつつあります。
昨年の駅伝出場メンバー全員が今年も残っていて、そのままでも十分戦えると感じていますが、箱根駅伝総合優勝大学のメンバーとして活躍した中村友哉選手、中島怜利選手が入ってきたことで、さらに選手層が厚くなりました。

――― 新加入選手の影響はありますか
新メンバーというのは、いつでも既存の選手に刺激を与えてくれる存在ですが、今年の新入社員は箱根駅伝で優勝、しかもメンバーとして活躍したという貴重な経験の持ち主ですからその影響は格別だろうと思います。例えば普段の生活態度や食生活といったことから準備の仕方、陸上へ賭ける思いなど、何か感じるものがあるだろうと思います。
――― 注目選手に挙げた三選手の持ち味を教えてください
辻横選手は、先ほど申し上げた通り今年からキャプテンを任せています。それまでのムードメーカー的存在だったところに、昨季5000、10000メートルで自己タイムを更新し実績が十分備わってきたことで、先輩選手や若い選手からの信頼度の高さを買って任命しました。よく目配りをしてくれ、チームを上手くまとめてくれています。
野中選手は、常にハイパフォーマンスが発揮できる選手です。昨年のニューイヤー駅伝では辻横が1区で勢いをつけ、インターナショナル区間の2区では今﨑が粘りの走りでタスキを繋いだ後、3区で野中が7人抜きの快走で流れを作ってくれました。今季も昨年からの好調をキープし、さらにブレークしてくれています。自分のスタイルで走りを極めたいと、敢えて関東方面の大学へ行かずに関西学院大学へ進学したという芯の強さが今の結果に繋がっているのではないでしょうか。
中村友哉選手は、大阪桐蔭高校時代は5000メートルを13分台のタイムで同学年日本人トップ5に名を連ねる実績を持ち、今年1月の箱根駅伝では青山学院大学の7区を任され力走した選手です。スピード勝負タイプだったために大学時代は故障に苦しみましたが、駅伝の距離にも慣れてきたでしょうし、元々の持ち味を考えてスピード区間に配置すると面白い走りを見せてくれると思っています。
――― 2年連続ニューイヤー駅伝出場へ期待できそうですね
今年は予選トップ通過、ニューイヤー駅伝8位入賞を目標に掲げています。11月15日の予選当日に選手たちが全力を出し切れば十分可能性はありますので、私も全力でコンディション作りをサポートしていきます。
新型コロナの影響で大会開催が危ぶまれる中、主催者のご尽力により、ようやく開催に漕ぎ付けることができたと聞いています。また、このような状況下でも陸上競技を続けさせてくださる会社へも大変感謝しています。そういった皆さまへ、何とか結果でお返ししたいと思っています。