2022年07月19日(火)
エース・河野、ホームラン攻勢に屈し途中降板。後続の投手陣、繋がる打線の前に成すすべなく8回コールド負け
大阪ガス打線は、4回の三番・峰下智弘選手からの攻撃で、四番・清水聖也選手のレフト前ヒットなどでノーアウト満塁と見せ場を作ったが、決定打に欠き1点止まり。5回も連打でノーアウト一、二塁とチャンスを作るも無得点と精彩を欠いた。
「きれいに持っていかれた」。打たれた相手に脱帽
エース・河野投手が打たれた! 1イニング3ホーマーという衝撃的な場面を誰が想像していただろうか。「低めは捨てることを徹底していたようだった」ことと、「内側の攻めに対して打ち損じていたように感じた」(鳥飼力斗選手)ものの結果的にファウルで粘られた格好で、立ち上がりから球数を多く投げさせられていた河野投手。加えて武器となるストレートの球速が出ずリズムに乗り切れない中、その場面は訪れた。
1点をリードして迎えた4回、先頭打者にフォアボールを与えると、五番・佐藤選手にライトへの2ラン、続けて六番・渡辺選手にも今度はレフトへ大きなホームランを打たれた。2アウト後に、今度は九番・北野選手にもスタンドへ入れられてしまった。これには河野投手自身も「甘かったといえば甘いところだったが、全員、ホームランを意識していたようなスイングをされ、きれい持って行かれた」と脱帽。試合を壊したと反省しきりだったが、宿舎に帰って鳥飼選手と配球面など修正面をしっかり話し合い、今後の対策をしっかり立てていた。この試合の屈辱を糧に、日本選手権への巻き返しを誓う。
試合結果を真摯に受け止めたい 前田監督
4対1から5対2へとうい展開で、我慢しなければならないところは我慢する、打たなければならないところで打つことができないまま、次の1点を相手に入れられたことが勝負の分かれ目。
河野は悪くはなかった。ただ、結果から感じることは、変化球に限っては置きに行っていたように感じた。腕を振り切れていなかった分ボールが弱く、相手にジャストミートされたという印象。しかし、投手が研究されるのはお互い様、それをかいくぐって抑えなければ。交代のタイミングについては、5回頭から2人目という選択肢もあったが、変化球はともかく、まっすぐ自体はまだ悪いとは思えず続投させた。
決定打に欠いた打線、3ホーマーという失点の形、8回にいたっては3投手をつぎ込みながら相手を止められなかったという事実を真摯に受け止めなければならない。 今回の敗戦でやるべきことが明確になった。投手陣でいえば、力強いボール、コースをつくだけでなく、ストライクゾーンに投げてファウルをとれる力、ランナーを背負ってでも自分のボールを投げ続けられる実力だ。打線でいえば、2点、3点ビハインドくらいなら、相手投手がどんなタイプでもいつでも追いつくくらいの精度を高めていかなければ。
東京ではなかなか勝てないですね。都市対抗でも結果を残さないと。日本選手権は三連覇をかけた戦いになるが、このままではとても無理。一から立て直します」
今季からキャプテンに就任した、公家響キャプテンの談話
「今回は多くの方に球場にお越しいただき、感激しました、ありがとうございます。今は、正直、ノックアウトされて全員が気落ちしていますが、決して下を向くことなく、しっかり練習を積み重ねて、日本選手権三連覇を狙えるように準備していきます。キャプテンとして、今まで以上に大きな声出しなど、ムード作りからやっていきたいと思います。応援ありがとうございました」
10年表彰され、年長者としてチームを牽引する青柳匠選手
10年連続出場という自分にとって思い入れのある大会がこんな結果になるとは思ってもみませんでした。が、こうして頑張ってこられたのも、入社以来11年間でお世話になった4人の監督、何十人というスタッフ、チームメイト、周囲の方々に恵まれたからこそだと思っています。また、日ごろから所属部署以外の方々にも声をかけていただき、本当に感謝しています。まだまだ上手くなりたいですし、表彰されたことに満足せず、喜んで頂けるようなプレー、元気な姿を見せていきたいと思います」
先発するも5回途中降板してしまった、河野圭投手の談話
「試合をこわしてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。粘れれば良かったのですが情けないです。左打者が多い打線に対してインコースを攻めることができていて相手が窮屈そうにしていたのですが、自分の軸となるストレートの球速が出ず、苦しかったです。今日の試合で見えた課題をひとつずつ見直し修正して、日本選手権に貢献できるよう頑張っていきます」
投手陣だけでなく副キャプテンとしてチーム全体を支える、鳥飼力斗選手の談話
「相手は河野対策をしっかりしていたように感じました。低めのコースを捨てることを徹底して、少しでも浮いた球を確実に捉えにきていました。そこへきて僕が緩急のない配球をしてしまったのが敗因だと思います。
河野の調子は良いです。球質含めて昨季と全く変わっていません。ただ、左右打ちそれぞれのインコースを攻めていた昨季と違って、今季は左打者に対しては同じくインコースですが、右打者にはアウトコース攻めになっていたのが違いであり反省点。チームの勝利だけでなく、河野が一皮?けるためにも、インコース攻めを徹底しようと明確に伝えてやるべきだったと反省しています。 今日は、思った以上に球場にお越しいただいて、本当に嬉しかったです。応援団の皆さまが休日返上で練習をしてくださっていたことも知っていただけに、このような結果で申し訳ありません。これから日本選手権で勝てるように、副キャプテンとして、チーム全体をもっと強く鼓舞してチームを立て直していこうと感じています。引き続き、応援よろしくお願いします」
スタメンを外れ、終盤代打で登場した三井健右選手
「スタメンを外れたのは単純に僕の実力です。『後半いくから』と言われていたので、ずっと準備していました。(7回で代打出場した)打席に立った時は何とか流れを変えたいと思ったのですが…。一、二塁間を抜けそうな打球を相手の好守に阻まれたのも、流れが向こうにあったということ。完敗です、悔しいです。今日のJR東日本のように、常に得点圏にランナーを置いた攻撃に、甘い球を一振りで仕留める打力をつけないと、このままでは駄目です。」
補強選手も奮闘
「大阪ガスさんに補強に選んでいただいたおかげで、都市対抗出場10年表彰を受けられました。感謝します。最後に一打席いただきヒットを打ちましたが、誰かの打席を奪っての打席なので、せめて打たないと、という気持ちで打席に立ちました。このような試合結果になりましたが、選手のみなさんが心から野球を楽しんでいる姿に、自チームにない強さの秘密を感じました。見習って良いチームをつくっていきたいです。大阪ガスのみなさん、ありがとうございました」
先制ソロホームランを放った、皆川仁選手(日本生命)
「狙っていたストレートが少し甘く来たので迷わず振りました。きれるかと思いましたが入って良かったです。スタンドが沸いているのを見て『補強の役割が果たせた!』と思いながらダイヤモンドを回っていました。先制できたことは良かったですが、あの1本で勝てるほど甘くはないので悔しいです。8回の最終打席は、セカンド横を抜けたと思いましたが(セカンドに)捕られました。完全に向こうへ運が行っていました。
大阪ガスの選手は、全員が常にプレーの中身や役割を考え、選手同士で意見交換しています。そういう姿勢がすごく勉強になりました。ありがとうございました」
河野投手救援の5回途中で好投、山本隆広投手(日本生命)
「ピンチでマウンドに上がることは都市対抗2次予選でもよくありました。こういう時は相手打者へ向かっていくのみ。結構得意なので、ピンチでも全く気になりませんでした。初っ端から全力でいけるところが、僕自身の長所でもありますし。ただ、イニングまたぎの6回に先頭打者を出してしまったことは反省しないと。
自チームは3年連続出場を逃しているので東京ドームのマウンドははじめてです。楽しかったです。良い経験をさせていただきました。ありがとうございました」