
第93回 都市対抗野球大会が、海の日の祝日である7月18日(月)に東京ドームで開幕します。大阪ガスは、開幕日の第3試合(18時〜予定)に登場します。初戦の相手は、JR東日本です。2018年以来2度目の優勝を目指す大阪ガス野球部前田孝介監督に、今年のチーム状況や日本一への手応えなどを聞きました。
末包、阪本が抜けた穴を総合力で補う
1,2月は新型コロナの影響で、キャンプが中止になるなど思うような練習が積めず、シーズン当初は正直出遅れた感がありましたが、GW明けのJABA東北大会で優勝したあたりから調子が上がってきました。都市対抗予選は第5代表までもつれ込み苦しんだものの、チーム打率は.345、防御率も1点代と、良い数字を出していましたし、その後のJABA北海道大会では若手を使い新戦力が出てくるなど収穫があり、本戦へ向けて楽しみな材料が増えています。
昨年4番だった末包とエースの阪本が抜けた穴は大きいですが、総合力で補っています。不動の四番が抜けたわけですから、走塁、作戦面で得点力をカバーしています。昨年代打起用が多かった山川がスタメン起用できる力が付いてきましたし、一年目の橋本典が一番に定着するなど、新戦力が出てきています。もちろん、今季4番の三井の出来で得点力が左右される点は否めませんが、やってくれると期待しています。
先発投手陣は、阪本、秋山、河野の3本柱から、秋山、河野の2本柱へ。河野は、今季負けた試合はありますが結果的に負けただけで、彼が投げるボールの質、ピッチャーとしてのレベルは昨年よりも格段に上がっています。まだ20歳ということで、体を鍛えていきながら確実に成長してくれています。秋山は、自分の持つ力でいろいろ試しながら精度を高めてくれています。彼らに続く3人目が出てくるのを待ちたいところです。都市対抗本戦で勝ち上がるためには、田中(聖)をはじめ、新人で投げ振りの良い大宮や、制球力のある小松など、ショートイニングで良い働きをしている彼らあたりがグッと上がって来ることは必須条件だと思います。
中継ぎ、代打陣に厚みを加えた補強
今大会には日本生命から山本隆広投手と外野手の皆川仁選手、パナソニックから内野手の横田拓也選手を選ばせていただきました。山本投手は、ストレート、変化球、どちらも力強いボールを投げるのが魅力。大事な場面での中継ぎとしてハマるのではないかと期待しています。左打者の皆川選手は、日生では五番・DHと打力が魅力。うちは、左打者を先発で使い切る場合が多いので、代打の切り札として頼もしい存在だし、調子が良い場合にスタメンもあり得ます。横田選手は今回の出場で青栁と同じく10年表彰となるいぶし銀。守備力がありポイントとなるところでの起用ができる、いてくれるだけで安心という選手です。いずれも十分機能してくれる良い選手が補強できたと思っています。
今大会は、1、2番コンビが鍵となる
3番・峰下、4番・三井が精度の高いバッティングを見せているだけに、1番・橋本典、2番・児玉らの出塁率が鍵となりそうです。中軸以降は、全員経験があるから相手ピッチャーに上手くコンタクトして繋いでくれるだけに、1、2番コンビが機動力でかき回して相手のリズムを崩せたら、面白くなると思います。
児玉は、一時期ケガで公式戦出場を控えていましたが、順調に回復し予選途中からフル出場と、今は全く問題なし。児玉が戻ってきたことで、守備の要であるセンターラインの安定感も増しました。
一戦必勝で2018年以来の日本一を狙う
初戦の相手JR東日本は、今季はすでにオープン戦で一度、またJABA東北大会でも対戦済みと、手の内を知っている者同士なので、ベストパフォーマンスするのみです。大方のチームは日本一を狙っています。そういうチームとどの順番で当たるかの違いだけだと思います。相手がどこでも試合に臨む気持ちは同じです。都市対抗野球では2018年の優勝以来、1回戦、2回戦敗退と低迷しているので、一戦必勝で、今年も日本一を狙っていきます。
3年振りの通常応援や上限なしの有観客の通常開催と聞いて、とても喜んでおります。スタンドが社員や取引先の方々、家族のみなさんで埋め尽くされると選手のモチベーションはグッと上がります。どうぞ、応援をよろしくお願いします。