| 大阪ガス株式会社（本社：大阪市中央区、社長：尾崎裕）と積水ハウス株式会社（本社：大阪市北区、社長：阿部俊則）が共同で2011年2月より実施している「スマートエネルギーハウス」の居住実験において、燃料電池・太陽電池・蓄電池（電気自動車を使用）を最適に制御することで、CO2排出量を通年でゼロ*1にできることを実証しました。さらに、HEMS*2を利用した家電・ガス機器や住宅設備の自動制御等について評価を行うことで、ＨＥＭＳの効果的な機能を実証し、省エネ性と快適性が両立することを確認しました。3電池住宅*3に実際に長期間居住し、電気自動車を含めて年間CO2排出量ゼロを達成したのは、国内で初めてです。 |
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| 「スマートエネルギーハウス」とは、燃料電池と太陽電池を組み合わせた「ダブル発電」に、さらに蓄電池（定置型あるいは電気自動車）等を組み合わせ、情報技術を駆使して、電気と熱を賢く(スマートに)「創る・貯める・使う」ことにより、快適で環境にやさしい暮らしとエネルギーセキュリティ*4を両立させる住宅のことです。 |
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| 今回、3年間の居住実験で検証を行った結果、以下の3点の成果を得ました。 |
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| ＜成果＞ |
| （1） |
燃料電池を最大限に活用する独自の制御方法を用いた３電池住宅（蓄電池として電気自動車を使用）の通年評価として、実居住条件下で▲103%のCO2削減と▲82％の節電、31万円のメリット（光熱費＋車両燃料費)を達成 |
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| （2） |
居住者の快適性と省エネ性を長期間にわたり両立させる効果的なＨＥＭＳの機能を実証 |
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| （3） |
電動シャッターや電動カーテン等の住宅設備の自動制御が、居住者の利便性・快適性を向上させることを確認 |
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| 今回の研究成果の公表*5を通じ、住宅設備・機器等の開発関係者の方々に「スマートエネルギーハウス」の有用性についての理解を深めていただくとともに、「スマートエネルギーハウス」のコンセプトを取り入れることによって、省エネ性と快適性を無理なく実現できる住宅設備・機器が早期に市場導入されることを期待しております。 |
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| なお、今後も両社は本分野における検討を継続することに合意しており、省エネ性や快適性を一層向上させた「スマートエネルギーハウス」を提案することで、快適で環境にやさしい暮らしの実現に貢献してまいります。 |
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| 以上 |
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| *1 |
太陽電池の販売分は、火力平均の発電所のCO2を削減するものとして計算。実証期間は2013年6月1日～2014年5月31日。 |
| *2 |
Home Energy Management Systemの略。スマートエネルギーハウスにおいては、エネルギーの見える化、居住者へのアドバイス、各種機器の自動制御といった役割を果たす。 |
| *3 |
燃料電池・太陽電池・蓄電池を備えた住宅のこと。スマートエネルギーハウスでは蓄電池として、2011年2月～2013年3月は定置型蓄電池、2013年6月～2014年5月は電気自動車を使用。 |
| *4 |
非常時にもエネルギーを継続的に使用できる仕組み。 |
| *5 |
詳細な実験成果については、8月上旬頃に大阪ガスホームページ上にて公表予定。 |
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| 【今回の実証成果】 |
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| （1） |
燃料電池を最大限に活用する独自の制御方法を用いた3電池住宅（蓄電池として電気自動車を使用）の通年評価として、実居住条件下で▲103%のCO2削減と▲82％の節電、31万円のメリット（光熱費＋車両燃料費)を達成 |
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本実証では、蓄電池に燃料電池を最大限に活用する独自の充放電制御技術を適用し、居住者の快適性を損ねずに利便性を高めつつ、省エネ効果を最大化するための検証を重ねてきました。その結果、定置型蓄電池利用、電気自動車利用のいずれの場合においても、1年間を通じてCO2排出量ゼロを達成しました。
具体的にはCO2排出量において3電池を搭載しない場合と比較して、定置型蓄電池の場合は▲106％の削減、電気自動車を利用した場合は自動車の走行により発生する分を合わせて▲103%の削減ができることが実証できました。 |
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| 表1: 蓄電池を利用した３電池住宅での削減効果 |
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太陽電池の販売分は、火力平均の発電所のCO2・1次エネルギーを削減するものとして計算。 |
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※1 |
期間（2012年2月～2013年1月） |
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※2 |
期間（2013年6月～2014年5月）、3電池なし住宅ではガソリン自動車の走行分を含む |
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| ＜算出条件＞ |
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(エネルギー原単位) |
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CO2排出量原単位：0.69kg-CO2/kWh（電気）、2.29kg-CO2/m3（都市ガス）、2.32kg-CO2/L（ガソリン） |
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一次エネルギー原単位：9.76MJ/kWh（電気）、45.0MJ/m3（都市ガス）、34.6MJ/L（ガソリン） |
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(料金計算条件) |
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[3電池なし] |
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・電気料金： |
従量電灯A（関西電力）、ガス料金：床暖料金（オプション割引9％）（大阪ガス） |
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・使用機器： |
ガス給湯暖房機、ガス温水床暖房（LDK）、ミストサウナ機能付きガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、電気エアコン（各居室） |
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[3電池あり] |
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・電気料金： |
従量電灯A（関西電力）、ガス料金：マイホーム発電料金（オプション割引9％）（大阪ガス） |
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・使用機器： |
固体酸化物形燃料電池SOFC（0.7kW）、太陽電池（5.08kW）、リチウムイオン蓄電池（3.5kWh）、ガス温水床暖房（LDK）、ミストサウナ機能付きガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、電気エアコン（各居室） |
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[太陽電池売電メリット単価 ：ダブル発電プレミアムポイント適用] |
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・期間（2012年2月～2013年1月）： 48円/kWh（2011年の単価相当） |
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・期間（2013年6月～2014年5月）： 38円/kWh（2013年の単価相当） |
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[ガソリン車] |
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燃費 10.1km/L （（社）自動車工業会 環境レポート2013）、料金単価 159.9円/L（石油情報センター 奈良県平均値（2013/6-2014/5）） |
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・ |
車両走行距離実績：5,429km年 |
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| （2） |
居住者の快適性と省エネ性を長期間にわたり両立させる効果的なHEMSの機能を実証 |
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| HEMSにより、3電池（電気自動車含む）と、床暖房やエアコン、電動機器等を組み合わせ、快適性・利便性と省エネ性を両立する機能の効果検証を重ねてきました。「見える化」「アドバイス」「自動制御」のそれぞれの機能について検証したところ以下のことが明らかになりました。 |
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1)「見える化」 |
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単純にエネルギー量を表示するだけでは、居住者が画面を見なくなり省エネ効果が発揮できなかった一方で、住宅へ供給している電力の内訳表示や電気自動車の走行可能距離表示など、エネルギーを直感的に理解できる情報に加工することで居住者を効果的に省エネ行動に誘導できることが分かりました。 |
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2)「アドバイス」 |
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エネルギー使用状況等から自動で判断して居住者に省エネ行動を促す「省エネアドバイス」は、内容がすぐに予測できるようになるため居住者が画面を見なくなり、効果が持続しないことが分かりました。一方で天気や交通などの生活関連情報をタイミング良く提供する「生活アドバイス」は重宝され、画面を見る行為が持続しました。 |
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3)「自動制御」 |
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居住者は画一的な自動制御には拒否感を示したものの、好みに応じてカスタマイズできる制御は受け入れられました。たとえば快適性に個人差のある空調温度を、居住者の好みを反映するように制御して無駄を省くなど、居住者に手間をかけない自動制御は評価が高く、省エネルギー効果を発揮しました。さらに、目覚まし時刻と空調機器等を連動させる自動制御は、利便性が向上しかつ無駄をなくせることから高い評価が得られ、継続的に利用されました。 |
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このように快適性や利便性の向上と同時に手間なく省エネを実現できる機能の搭載によって、HEMSが日々の生活により身近な存在となり、利用価値が大幅に向上することを確認できました。 |
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| リビングに設置したHEMS端末 |
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HEMS画面の例 |
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| （3） |
電動シャッターや電動カーテン等の住宅設備の自動制御が居住者の利便性・快適性を向上させることを確認 |
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| HEMSを用いて住宅設備を自動制御することによって、利便性に加え快適性の向上に繋がることを確認しました。例えば、電動シャッターの開閉を自動制御し、操作レスとすることで利便性が向上し、起床時には朝日を室内に取り入れ、心地よい目覚めをサポートできることや、冬季にはカーテンを日射が取り入れられるように制御して、床面の温度を上昇させることで居住環境を改善できることなどが確認できました。さらに、長期の実居住環境による評価を実施したことで、よりユーザーのニーズを適切に引き出すこともできました。 |
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| シャッター制御で快適起床をサポート |
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カーテン制御により、床面温度を上げる |
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| 【「スマートエネルギーハウス」居住実験住宅の概要】 |
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場所 |
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奈良県北葛城郡王寺町 |
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建物概要 |
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積水ハウス 環境配慮型住宅「グリーンファースト」 |
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軽量鉄骨造2階建 |
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4ＬＤＫ（延床面積 138.8m2） |
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設備概要 |
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燃料電池 |
固体酸化物形燃料電池（SOFC）（発電能力700W） |
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太陽電池 |
多結晶型（発電能力 5.08kW） |
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蓄電池 |
リチウムイオン蓄電池（蓄電容量 3.5ｋＷｈ） |
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その他設備 |
実証用HEMS、床暖房、デシカント換気システム、LED照明、電動シャッター／カーテン、通風ファン、自動扉、キーレスエントリー、自動水栓など |
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LCCM住宅認定 ☆☆☆☆取得 |
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CASBEE戸建‐新築2010年度版 |
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すまいの環境効率 ☆☆☆☆☆（Ｓランク）取得 |
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設計者 積水ハウス株式会社 |
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施工者 積水ハウス株式会社 |
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竣工日 2010年12月竣工 |
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居住家族人数 4人（父、母、子2人） |
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実験期間 |
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2011年2月～2014年5月 |
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外観 |
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