このページの本文へ移動します。

生活情報

知って得する入浴法-冬編-

印刷する

2010年12月
大阪ガス株式会社

NO.10−05
 
 寒い日の入浴は、体が温まり、心地よいものです。しかし近年の高齢化に伴い、入浴中の急死者数が増加しています。東京消防庁・東京都監察医務院の事故調査では「入浴中の急死者は約1万4千人」と推計※1されており、以降も高齢化が進展していることから、更に増加すると考えられます。
 急死の原因は、浴槽内で熱中症を発症する可能性や、浴室・脱衣室の室温と浴槽内の湯温の温度差による血圧の急変動により、脳虚血等の意識障害を引き起こすと推定されています※2
 
 そこで当社は、血圧変動を抑制する入浴法について、湯音や入浴時間、浴室の温度や入浴時の動作等に着目し、研究に取り組んできました。今回は、その研究成果に基づいた「入浴時の安全性を高める3つのポイント」をご紹介します。
 
ポイント1.「ぬるめのお湯に、ゆっくり浸かろう」
 
実験結果(ポイント1.「ぬるめのお湯に、ゆっくり浸かろう」)
【実験方法】
・被験者 青年男子8名(大学生)
・計測項目 直腸温、皮膚温、血圧・心拍
・環境条件 脱衣室28℃・50%RH
浴室25℃・50%RH
・着衣条件 海水パンツ
・入浴条件 湯温38℃20分間
湯温42℃10分間の全身浴
・手順 安静(1時間)→入浴→安静(1時間)
 
 上図は、湯温38℃の場合と湯温42℃の場合の血圧の変動を示しています。湯温38℃では、時間が経過しても血圧の低下はわずかです。一方、湯温42℃では、血圧が急激に低下します。このまま長湯すると心臓に負担がかかり、血圧の低下に伴う意識障害等を引き起こす可能性が生じます。
 熱いお湯に長湯することは禁物です。ぬるめのお湯に、ゆっくり浸かりましょう。湯温38℃で20分間が目安です。
▲ページトップ
ポイント2.「入浴前に浴室を暖めよう。浴室暖房がない場合は、シャワーでお湯はりを」
 
実験結果(ポイント2.「入浴前に浴室を暖めよう。浴室暖房がない場合は、シャワーでお湯はりを」)
【実験方法】
・被験者 健康男子6名(20〜50才)
・計測項目 最高(収縮期)血圧
最低(拡張期)血圧
心拍数
・環境条件 脱衣室 20℃
浴室
 浴室暖房なし条件 10℃
 浴室暖房あり条件 30℃
・着衣条件 短パン(海水パンツ)のみ
・手順 安静(脱衣室、10分)→浴室(30分)
 
 脱衣室から浴室に入った時の血圧変動を示します。「浴室暖房なし(浴室温10℃)」では入室直後に血圧が上昇、「浴室暖房あり条件(浴室温30℃)」では血圧の上昇を抑制することができました。
 浴室暖房は血圧の上昇を抑制するだけでなく、首や顔面などからの放熱を防ぐので、ぬるめのお湯でも体を温める効果があります。浴室暖房がない場合は、少し熱めの湯温(たとえば42℃)をシャワーでお湯はりしてください。シャワーの熱気で、室内が暖かくなります。浴室暖房の目安は25℃です。
 
ポイント3.「浴槽の中から、ゆっくりと立ち上がろう」
 
 浴槽から出て、フラッとしたことはありませんか?お湯に浸かる時と出る時に、「速い動作(「1」と数える間に動作を実施)」と「ゆっくり動作(「1」「2」「3」と数える間に動作を実施)」で、血圧変動の違いを調べました。その結果、お湯に浸かる時は動作の速度で血圧変動に差はありませんでしたが、出る時は、「ゆっくり動作」をすることで血圧変動を約20%減少できることが分かりました。
 「浴槽の中ではゆっくりと立ち上がる」。ちょっとしたことですが、効果があります。
実験結果(ポイント3.「浴槽の中から、ゆっくりと立ち上がろう」)
【実験方法】
・被験者 健常青年男子10名(19-25歳)
・計測項目 直腸温、皮膚温、血圧、心拍
・環境条件 脱衣室 28℃・50%相対湿度、
浴室 25℃・50%相対湿度
湯温 40℃
・着衣条件 脱衣室 短パン(海水パンツ)のみ
・入浴条件 湯温40℃ 10分間の全身浴
・手順 安静(1時間)→入浴動作→入浴→出浴動作
 
※1 財団法人東京救急協会の平成12年度調査研究報告書
「入浴事故防止対策調査研究委員会」(平成13年3月)
※2 鈴木晃、「高齢者の「入浴中の急死」に関する地方性」、国際長寿センター、GIジャーナル、2006年5月
www.ilcjapan.org/chojuGIJ/pdf/06_05.pdf別窓で開きます
 
参考文献
ポイント1: 社内技術レポート「お湯の温度と血圧変動」(2002年3月)
ポイント2: 道広和美ら、「浴室温度変化と血圧変動」、生理心理学と精神生理学、 Vol.14、 No.2、p69-76
ポイント3: 道広和美ら、「入浴時の動作に伴う血圧・脈拍数の変化」、Japanese journal of physiological psychology and psychophysiology Vol.18、No.3 、p205-217
 
以上

ページトップ

本文はここで終了です。本文先頭に戻ります。

お問い合わせ

プレスリリースの内容に関するお問い合わせや取材等のお申し込みは、リリースに記載のお問い合わせ先、またはお問い合わせフォームからお願いいたします。

RSSについて
  • ※推奨環境:Internet Explorer 7以上、Firefox2.0以上

購読する

このページのトップへ戻る