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IRニュース

グリーンイノベーション基金事業におけるSOECメタネーションのベンチスケール試験施設の完成について

2025年6月3日
大阪ガス株式会社

   大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原 正隆、以下「大阪ガス」)は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(理事長:石村 和彦、以下「産総研」)とともに採択された、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の「グリーンイノベーション基金事業*1/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」の「SOECメタネーション技術革新事業」のもとSOEC*2メタネーションの開発を進めています。このたびベンチスケール試験施設が完成し、本日、竣工式を行いました。

   大阪ガスが社会実装を目指すSOECメタネーションは、SOEC電解装置において再生可能エネルギー(以下「再エネ」)等を用いて水やCO2を電気分解し、生成した水素や一酸化炭素からメタン合成反応装置において触媒反応を用いてe-methane (以下「e-メタン」)を合成する技術です。
   この技術の特徴として、原料として外部水素の調達が不要で水とCO2から一気通貫でe-メタンを製造することができます。また、高温(約700~800℃)で電気分解することにより、必要な再エネ電力等を削減できます。さらにメタン合成時の排熱を有効活用できるため、従来のサバティエ反応メタネーション(約55~60%)を大幅に上回る、約85~90%というエネルギー変換効率*3を実現できる可能性があります。これにより、再エネ電力が大きな割合を占めるe-メタン製造コストの大幅な低減が期待できます。

   大阪ガスは、2024年度からラボスケール(一般家庭2戸相当)での試験を行ってきました。本施設で実施するベンチスケール(同約200戸相当)試験では、まず、SOEC水蒸気電解装置*4と大阪ガス開発の触媒を充填したメタン合成装置を組み合わせて、装置の性能確認を行うとともに、プロセス全体の運転データの取得を行い、高いエネルギー変換効率を達成するための検証を進めます。その後、更なる高効率化に向けて、開発を進めるSOEC共電解装置*5を新たに設置し、試験を行います。

   2028年度~2030年度にはパイロットスケール試験を進め、2030年度に世界最高レベルのエネルギー変換効率(約85~90%)を実現するe-メタン製造技術の確立を目指します。
   将来的には、2031年度以降の実証フェーズを経て、2030年代後半から2040年頃の実用化を目指します。

   Daigasグループは、本年2月に発表した「エネルギートランジション2050」のもと、カーボンニュートラル社会に貢献する技術・サービスの開発に取り組み、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループを目指してまいります。

*1: 2050年カーボンニュートラルを実現するべく、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションの大幅な加速を目指して造成された約2兆8,000億円規模の基金事業。政府の「グリーン成長戦略」で実行計画を策定している重点分野において、政策効果が大きく、社会実装までを見据えて長期間の継続支援が必要な領域に重点化して支援されるもの
*2: Solid Oxide Electrolysis Cell の略、固体酸化物を用いた電気分解素子。水蒸気やCO2を高温で電気分解するもの
*3: 投入した電力エネルギー量に対し得られる燃料のエネルギー量の割合
*4: 水蒸気を電気分解し、水素を生成する高温電解装置。再委託先である東芝エネルギーシステムズ株式会社にて製造
*5: 水蒸気と共にCO2を電気分解し、水素とCOを生成する高温電解装置
   
   

1.SOECメタネーションベンチスケール試験装置
SOECメタネーションベンチスケール試験装置

 
<SOECメタネーション技術の概要>
(1)従来技術(サバティエ反応メタネーション)とSOECメタネーションの概要

SOECメタネーション技術の概要

(2)メタネーション触媒の特徴
大阪ガスは過去の代替天然ガス製造や燃料電池等で培った触媒技術を活用した高性能なメタネーション触媒技術を保有しています。今回のベンチスケール試験装置には、当社開発のメタネーション触媒を搭載します。本触媒は、活性金属を高分散な状態で安定化させており、高い活性を持ちながら高温でも劣化しにくいという特徴を有します。これらの特徴は反応器の小型化やプロセスの高効率化につながるため、本触媒を採用することで、e-メタンの更なる低コスト化が期待されます。
*:触媒反応において実際に触媒作用を示す金属

触媒性能試験結果

2.グリーンイノベーション基金の採択事業の概要
グリーンイノベーション基金の採択事業の概要

<グリーンイノベーション基金事業の内容・スケジュール、2031年度以降の実証・社会実装のイメージ>
触媒性能試験結果

以上

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