2025年3月28日
大阪ガス株式会社
大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原 正隆)は、本日より世界で初めて*1、生成AIを活用してカーボンクレジットの品質を評価するWebサービス「GreenChecker(グリーン・チェッカー)」の提供を開始します。
本日より開始する、本Webサービスの先行提供を通じて、フィードバックを踏まえながらさらなる磨き込みを行い、2025年夏頃を目途に一般提供を開始する予定です。
■「GreenChecker」の利用画面の一部
1.背景
近年、企業などにおいては、カーボンニュートラルに関する計画を達成するための手段として、温室効果ガスの削減努力に加えて、カーボンクレジットを活用する動きが増えています。一方で、カーボンクレジットの中には、基準に満たない低品質なものが含まれる可能性もあることから、カーボンクレジットの品質を適切に評価することは、非常に重要です。
このような中、当社は2024年に、世界に先駆けて*3生成AIを活用してカーボンクレジットの品質を評価するシステム(以下「本AIシステム」)を構築*4しており、適用分野の拡大や精度向上に取り組んできました。(特許取得済み)
2.「GreenChecker」の概要
カーボンクレジットの品質を評価するWebサービス「GreenChecker」は、当社が構築した本AIシステムを内蔵しており、生成AIにより、カーボンクレジット創出プロジェクトの計画書と予め設定した複数の基準との整合性を評価することで、クレジットの品質を短時間でチェックします。
サービス利用者は、「GreenChecker」に計画書を読み込ませるだけで、当該プロジェクトの点数(絶対評価)や、同分野の他プロジェクトの中での順位(相対評価)、基準に到達していない項目などの情報を取得することが可能となります。
本Webサービスの提供は、バイオ炭*5、水田メタン*6分野のカーボンクレジットを対象として開始し、2025年4月頃に森林伐採抑制やcookstove*7等の分野に適用範囲を広げ、今後も拡大を続けていく予定です。
3.今後の展開
今後、パートナー企業との連携も通じて、本Webサービスの適用分野を拡大するとともに、アジア地域から段階的に販売先の拡大を進める計画です。また、根幹となる本AIシステムの評価精度の向上や新機能の実装といった更なるシステムの開発も継続します。
将来的には、本Webサービスの利用により各社がカーボンクレジットの品質評価を行い、グリーンウォッシュのない世界の実現や、クレジット取引プラットフォームを形成することなどを通じて、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献したいと考えています。
Daigasグループは、2025年2月に発表した「エネルギートランジション2050」のもと、脱炭素社会に貢献する技術・サービスの開発に取り組み、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの"さらなる進化"のお役に立つ企業グループを目指してまいります。
*1: | 当社調べによる |
*2: | 削減または吸収された温室効果ガスが長期間にわたって大気中に戻らないことを保証する概念 |
*3: | 当社調べによる |
*4: | 生成AIを活用してカーボンクレジットの品質を評価するシステムの構築について(2024年10月発表) Webページはこちら ![]() |
*5: | 木材や農業残渣などを分解されにくいバイオ炭に炭化して、農地の土壌などに投入することで、CO2を長期間にわたり地中に貯留する方法 |
*6: | 水田の水を抜くとメタン生成菌の活動が低下してメタンの生成量が減少することを利用して、稲作時に水を抜く期間を延長することや、複数回設けることにより、メタンの発生量を抑制する方法 |
*7: | 効率の悪いコンロを効率の良いコンロに置き換えることで、CO2の排出量を低減する方法 |
以上