2020年11月25日(水)
1イニング11失点が響き、反撃及ばず・・
3年連続日本一の夢破れる
3年連続日本一の夢破れる
西脇選手
立ち上がりに見事なピッチングを見せていた阪本投手だったが3回に1アウト一、二塁から連続フォアボールの押し出し先制点を献上してから、次打者に3点タイムリー、さらにその次の打者に初球をレフト中段まで届く2ランホームランを浴び、ノックアウト。急遽、川瀬投手(新日鐵広畑)、田中投手へと繋いだが、さらに5失点し1イニングに一挙11点を失うという予想もしない展開となってしまった。
しかしながら、最後まで勝負を諦めなかった。3回裏に八番・西脇(大和高田クラブ)のホームラン、三番・清水選手の犠牲フライで2点を返すと、4回裏にも六番・花本選手、八番・西脇選手のタイムリーで3点を返したことで、大量リードで余裕が生まれるかに見えたHondaが気を緩められない展開に持ち込んだ。日頃から選手たちが口にする「自分たちのできることを全力でやる」を最後まで貫いたからこその緊張感のあるゲームとなった。そんな中、さらに反撃したい大阪ガスだったが、5、7、8回とチャンスを作りながら得点するまでには至らず敗れた。
そんな中、来季へ繋がる好材料もあった。投手陣が得点を許したのは、3回と5回のみ。4人目の高卒一年目の河野投手、5人目の温水投手は2イニングずつ投げ、共に小気味いい投球リズムで無失点に抑える好投を見せた。河野投手は、148キロのストレートで相手打者を翻弄、なかなか外野まで打球を飛ばさせなかった。大舞台でのマウンドにも「全く緊張しなかった」と大器の片鱗を見せる。最後を任された温水投手は、余裕さえ感じる落ち着いたピッチングを見せ、来季こそは本格的な復活を約束してくれる内容だった。
橋口監督のコメント
花本選手
打線は最後まで諦めず粘ってくれた。特に、失点直後の西脇(大和高田クラブ)のホームラン、あの1本には助けられたし勇気づけられた。そこからの反撃は、我が選手ながら『やるなあ!』のひと言です。下位打線でも得点するなど、随所に良い点が見られた。それだけに、3回の11失点は大きかった。
しかし、結果から見るともっと違った投手起用法があったのかもしれない。私の采配がマズかったということ。今季は、投手陣の調子が安定しない分、阪本にいろいろな物を一身に背負わせてしまったように思う。昨年よりも力を付けてきてくれていたのに、こちらが彼を成長させきれなかった。常勝チームとなるためにも一度、ゼロからチームを作り直します。」
投手のコメント
河野投手
今季もエースとして本戦出場を果たすなど、チームを引っ張ってきた阪本投手。言葉少なく話した。
「すべては僕の責任です。何をどう言い訳できるものではないです。それ以外に答えようがありません」
(河野投手)
高卒新人の河野投手は、6、7回を無得点に抑える堂々とした投げっぷりが印象的
「今日投げた内容は、一球投げたフォークボールを除いて全てストレートです。細かなコントロールにこだわるより、ストライクゾーンに思い切って投げることを意識しました。追い込んでから勝負球を決めきれなかった点や、無駄なボールがあったところは反省点です。 例年通りの開催ではないにしろ、都市対抗の独特の雰囲気を感じられたのは僕自身、良い経験になりました。加えて、今日もいつも通り投げられたことは収穫でした。これからは、先発し勝てる投手を目指して頑張っていきたいです」
(温水投手)
8、9回をきっちり抑え、東京ドームでの復活の姿を見せてくれた、温水投手
「正直、今日もまだ納得のいくフォームで投げられたわけではないのですが、しっかり抑えられことは自信につながります。納得のフォームで投げられるようになれば、球威はもっと上がるはずです。そうして今日のような投球を積み重ねていけば信頼を得られると思います。また先発として使っていただき、再び『最後はやっぱり温水でないと』と言っていただけるピッチャーになれるよう邁進していきたいと思います。」
野手のコメント
峰下主将
初回に盗塁を決めるなど、果敢に攻めの姿勢を貫きチームを引っ張った峰下主将
「若い選手の多い相手チームを勢いに乗せてしまいました。ただ、序盤に大量失点という思わぬ展開になってもムードが悪くなることはなく、すぐに反撃できたことは良かったです。集中打を浴びたように、自分たちこそがああいう打線を作らないと。
本大会では、リモートで応援してくださった応援団のみなさん、画面越しに観戦くださった皆さま、応援メッセージを書いてくださった社員のみなさん、どれだけ力になったかしれません。応援ありがとうございました。今年は新型コロナの影響で例年のような練習がままならないながらも、何とか一年間やってこられました。本当にありがとうございました。」
(古川副主将)
今季も打線の軸として活躍した古川副主将
「日本一を逃してしまったことが本当に悔しい。今日は、僕たちがやろうとしていた野球を相手にやられてしまいました。大差がついても僕たちは最後まで諦めることはありませんでした。ただ、僕自身は、中盤以降にチャンスで回ってきた場面でランナーを返せず、勢いを切ってしまい申し訳なかったです。どれだけ厳しい攻めにあっても粘って甘い球が来たところを逃さず打つという、相手の上をいくバッティングができるよう、もっともっと練習していきます。
3年連続日本一を!と応援してくださっていた皆さま、期待に応えられず申し訳ありませんでした。野球をさせていただけることに改めて感謝し、常勝チームとなれるよう頑張っていきます。」
(鳥飼選手)
阪本投手から絶大なる信頼を得ている女房役の鳥飼選手。悲願の開幕スタメンマスクを被れた。
「もっと上手くリードできたはずだと反省しています。Hondaの各打者は、バットがしっかり振れていて、浮いた球を見逃さずに積極的に打ってきました。うちの各投手はベストボールを投げられていただけに、もっと相手の打つ気を反らすリードをすべきでした。特に3回は6失点してから一旦流れが止まりかけたのにさらに追加点を許ししまい、結局流れを止めきれませんでした。やりようはもっとあったはずだと悔やまれます。キャッチャーの最年長選手として、もっと気を引き締めて全バッテリーを引っ張っていけるよう頑張っていきます。」
(清水選手) 3回での2点目を入れた犠牲フライや7回の1アウトランナー一塁の場面で二塁打を放つなど、新人でいきなり三番という大任を、勝負強いバッティングで魅せた清水選手 「大会直前まで調子が今一つでしたが、この大舞台で三番という打順をまかせていただいた限りは結果を出さないと、と思いスイッチが入りました。3回には得点しましたが、4回のチャンスに打てなかったのが悔しいです。今日は、1つ勝つことの難しさを改めて感じました。これからも一打席、一打席を大切に、チームへ貢献できるバッティングができる頼れるバッターになります。」