令和5年度は、新型コロナ以前と同様の助成を実施しつつ、計画に掲げていた新たな取り組みとして、国際親善を深める新たな取り組みへの着手、助成先の見直し検討、を、助成先との連携を取りつつ進めている。また、米ドル金利が高止まりしたことを活かし、ここ一年で4件の債券を入れ替え、収支を大幅に改善している。
令和6年度も、新型コロナ以前と同様の助成を、関連法令を遵守しつつ実施すると共に、企画中の新たな取り組みの実行、並びに新たな取り組みの開発、既存の助成の見直しを推進する。
一方、国会で可決成立した公益法人制度改革について情報収集すると共に、これへの対応について検討する。
以下の(1)〜(4)の助成を計画している(予算総額 約23,990千円)。
(前提為替レート;145円/ドル、9.0円/千ルピア)
①ボンタン地域の小学校、中学校、高校への教育機材助成: 171,500千ルピア
ボンタン地域への教育機材助成は、現地の教育委員会が推薦した内容を確認して行う。
パソコン等IT設備、音響・映像設備、等。
②バンダアチェ地域への図書助成: 77,400千ルピア
ジャンボミンダ財団が運営する図書館・移動図書館に図書および図書館設備を助成する。
以下の大学に対して各12,000ドルの試験研究助成を継続する。
助成テーマについては、学内委員会によって選考されたテーマの研究計画書を財団で評価して決定する。
①インドネシア大学への試験研究助成: 12,000ドル
②バンドン工科大学への試験研究助成: 12,000ドル
③ボゴール農業大学への試験研究助成: 12,000ドル
④サラワク大学への試験研究助成 : 12,000ドル
以下の学生(総合計327人)に対して奨学金を支給する。
①ボンタン地域の高校・大学の学生: 148,500千ルピア
高校2校・技術専門校1校:125名(75,000ルピア/月・人)
大学2校:20名(150,000ルピア/月・人)
②バンダアチェ地域の小学校・中学校・高校の学生: 105,600千ルピア
65名(平均135,385ルピア/月・人)
③ムラワルマン大学の学生: 108,000千ルピア
45名(200,000ルピア/月・人)
④シャクアラ大学の学生: 108,000千ルピア
30名(300,000ルピア/月・人)
⑤サラワク大学工学部の学生: 26,400ドル
12名(2,200ドル/年・人)
⑥東ティモール大学工学部の学生: 15,000ドル
30名(500ドル/年・人)
①インドネシア大学大学院生の日本語短期研修への助成: 1,600千円
インドネシア大学日本研究学科から大学院生2名を招聘し、独立行政法人 国際交流基金 関西国際センターで日本語短期研修を実施する。
②サラワク州遠隔地校の教員及び生徒の英語研修への助成: 17,000ドル
マレーシア教育省を通じて、サラワク州クチン周辺の小学校での教員ならびに生徒の研修に対し、助成する(一部、機材支給を伴う)。
①サラワク州中学校生徒と大阪府中学校生徒の間のウェブ会議
マレーシア教育省ならびに大阪府教育庁と調整し、サラワク州の中学校の生徒と、大阪府下の中学校2校の生徒との間で、ウェブを活用した会議を2024年5月に実施。
②シャクアラ大学学生と関西の間のウェブ会議
シャクアラ大学と関西学院大学との学生間のウェブ会議を実施。シャクアラ大学と関西外国語大学との学生間ウェブ会議を実施する方向で、学生間で調整中。
③生徒/学生間ウェブ会議の展開
国外側ではサラワク州/シャクアラ大学以外への展開、および国内側では大阪以外への展開を検討すると共に、生徒/学生間ウェブ会議以外にも、相互理解を深める方法が無いかを検討する。
・財団の活動の価値を、助成を受けた学生/研究者にとっても高めるべく、奨学生/研究者のネットワークを、まずはバンドン工科大学のサポートを得て構築した、WhatsAppというSNSベースの基盤をベースに学生/研究者の参加を働きかける。
・財団設立以降31 年の間に、『助成先国の経済成長』、『エネルギー供給における化石燃料の位置付け変化』など、事業環境に少なからぬ変化があったことを踏まえ、既存助成先への助成継続の是非、並びに、新たな助成先国の追加を検討する。
・現地での贈呈式や研究発表会に参加し、助成先/助成対象の生徒/学生/研究者との情報交換会を実施する。また、助成先との普段のウェブ会議/電話/メールに加え、日本語研修における留学生との交流なども活用し、助成先と密なコミュニケーションを図ることにより相互理解を深める。
・DaigasグループのSNS/イントラネット、財団のホームページでの発信等により、財団活動を広く一般に周知する。
財務面では、円高に転じて収支が悪化し、助成事業の円滑な運営に支障が予想される場合には、必要に応じ助成事業運営資産(特定資産)を取崩した資金や有価証券の買い替えによる売却益を事業費及び管理費に充当する。
為替が円高に転じた場合に収支が悪化する原因は、当財団の債券投資における為替連動仕組債の比率が高いことにあるため、仕組債への依存度逓減についても検討する。
なお、資産の運用・管理に当たっては、資産運用規程を順守し、資産運用委員会の答申や助言を踏まえながら実施する。
以上
(参 考)
令和6年度 支払助成金予算額内訳
助成事業項目 |
助成事業内容 |
現地通貨 |
日本円換算 |
(1)教育機材助成 |
①ボンタン地域の小学校、中学校、高校への教育機材助成 |
171,500千ルピア |
1,544千円 |
②バンダアチェ地域への図書助成 |
77,400千ルピア |
697千円 |
|
小計 | 2,240千円 | ||
(2)試験研究助成 |
①インドネシア大学 |
12,000ドル |
1,740千円 |
②バンドン工科大学 |
|||
③ボゴール農業大学 |
|||
④サラワク大学 |
|||
小計 | 6,960千円 | ||
(3)奨学金支給 |
①ボンタン地域: |
148,500千ルピア |
1,337千円 |
②バンダアチェ地域 |
105,600千ルピア |
950千円 |
|
③ムラワルマン大学 |
108,000千ルピア |
972千円 |
|
④シャクアラ大学 |
108,000千ルピア |
972千円 |
|
⑤サラワク大学 |
26,400ドル |
3,828千円 |
|
⑥東ティモール大学 |
15,000ドル |
2,175千円 |
|
小計 | 10,234千円 | ||
(4)研修助成 |
①インドネシア大学大学院生の日本語短期研修への助成 |
(円貨) |
1,600千円 |
②サラワク州遠隔地校の教員及び生徒研修への助成 |
17,000ドル |
2,465千円 |
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小計 | 4,065千円 | ||
(5)生徒/学生間 ウェブ会議 |
①シャクアラ大学と関西の大学の学生間ウェブ会議 |
(円貨) |
200千円 |
②サラワク州と大阪の中学生間ウェブ会議 |
300千円 |
||
小計 | 500千円 | ||
助成金合計 | 23,990千円 |
(予算の前提為替レート:145円/ドル、9.0円/千ルピア)