
経験と実績が豊富なことは今さら言うまでもありません。代表決定戦では3ランHRを放ち、自らの手で東京ドーム10年表彰を手繰り寄せる活躍を見せました。日本一には欠かせない青栁匠選手です。
――― 青栁選手は10年連続都市対抗本戦出場となります
入社2年目から10年連続です。うち一度は補強選手でしたが、あとは全て自チームでの出場と考えれば、チーム力があったからこその達成です。歴代の監督はじめ、スタッフの方、一緒にプレーしてきた先輩方やチームメイトのおかげです。家族も含めて、周りの方々へ感謝の気持ちでいっぱいです。
――― 連続出場を振り返るとどんな10年間でしたか
印象に残っているのは2015年の決勝で日本生命に敗れて準優勝した年です。僕が入社した年は3年連続で都市対抗出場を逃し、2年目に本戦出場を果たしものの第5代表で、出場するだけで精一杯という感は否めませんでした。そんな時を経ての10数年ぶりの準優勝だったので、みなさんから「よくやった」とねぎいの言葉をたくさんいただきましたが悔しさは収まりませんでした。未だに覚えているくらいです。決勝で勝たないと意味がないと実感しました。
正直、プロ入りを目指した時期もありましたが、やがて「社会人で日本一をとる」に変わり、それだけを見て野球に打ち込んできました。2018年の初優勝は、心の底から嬉しかったですね。三菱重工神戸・高砂と決勝を戦う時、「何が何でも勝つ!」と思って臨みました。もの凄いプレッシャーの中で優勝を決めた瞬間、スタンドからの割れんばかりの喜びの声が聞こえてきて、あの興奮はもの凄かったです。日本一へ辿り着けたのは準優勝の悔しさを知っていたから。無駄ではありませんでした。
――― 優勝の味はどういうものですか。キャプテンとしての感じ方もあったと思いますが
キャプテン就任2年目の2017年は、都市対抗出場を逃していてキャプテンとして責任を感じたし「キャプテンに向いていないのでは…」と悩んだりしたこともありました。それだけに決勝で勝った瞬間はホッとしたのと長年の目標を遂に達成した!という感情とが入り混じって、恥ずかしながら泣いていました(笑)
黒獅子旗を突き上げるように掲げた時は、あれは一つのお約束のポーズでしょうけれど、それは、何とも言えない格別な感情でしたね。大阪ガス野球部の歴史を塗り替えられたわけですし、OBの方々の思いを考えると重たかったですね。
社に戻ってから口々にお祝いの言葉を頂く中で「感動した」はこれ以上にない嬉しさを感じましたね。これが大阪ガスでの野球で目指すところだと確信しました。
――― 今大会も、もちろん目指すは日本一ですね
一度優勝を経験すると、そこしか目指せなくなります。また、今年の日本選手権で三連覇がかかっているので、それを成し遂げるためにも都市対抗優勝という形で勢いに乗りたいですね。
――― チーム最年長として、どのような姿を見せていきたいですか
若い頃と違って全試合フル出場とはいかなくなっている分、限られた出場機会の中での一打席に集中して、求められている結果を出せるように心掛けています。ここで自分が出る意味を常に考えているというか。若い選手たちには、伸び伸びとプレーして欲しい。試合に負けたら、監督やベテラン選手が悪いんだ、というくらいの楽な気持ちで思い切りの良いプレーすれば良いと思います。
――― その言葉通り、代表決定戦での3ランホームランという見事な働きを見せました
ホームランは出来過ぎですけれど、犠牲フライでもいいからまず1点取りたいと思っていたので、打てて本当に良かったです。調子が悪い中で試合に出ていたので、余計にそう思います。今後も、スタメン、代打に関係なく、いつでもいい働きができるように常に準備していきたいと思います。
――― 都市対抗への意気込みとメッセージをお願いします
いつも大阪ガス野球部を応援してくださり、ありがとうございます。3年振りに通常の応援が戻って来ることが楽しみでしょうがありません。みなさんが応援してくださる前で、緊張感をもってプレーができることが喜びです。勝ち進む手応えは十分にあります。また感動していただけるような試合をして日本一を狙います。応援、よろしくお願いします。