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2021都市対抗野球大会

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2021年12月03日(金)

四番・末包が決勝本塁打
エース河野が今大会初の完封


本大会2度目の優勝、そして日本選手権大会との連覇を目指す大阪ガスは、6度目の出場で初勝利を目指す伏木海陸運送と対戦。エース河野が相手打線を封じ込めると、打線は、4回に末包選手、8回に古川昂樹選手のホームラン、9回にも2点を追加し試合を決め、4対0で伏木海陸運送を退けた。

大阪ガス入社2年目の若きエース河野投手に対し、伏木海陸運送は昨季まで三菱重工名古屋に所属し、18年には日本選手権優勝を経験している30歳のベテラン、西納投手が先発。最速150キロをマークし三振を量産する河野投手に対し、西納投手は130キロ中盤で、打たせてとる技巧派と、全てに相反する対決は、互いに譲らず、終盤まで1点を争う緊迫したゲーム展開となった。
そんな中、欲しかった先取点を生んだのは、四番・末包選手の一振りだ。第2打席の4回、初球の甘く入ってきたスライダーを逃さず振り抜き、センターバックスクリーンに届くソロホームランを放った。その後は追加点が取れず苦しんだが、8回に八番・古川昂樹選手のライトスタンドへ飛び込むホームランで2点目を入れると、9回には、1アウト一塁から、五番・三井選手、途中出場の七番・吉澤選手のタイムリーで2点を追加し試合を決定づけ、次戦へ弾みをつけた。
投げては河野投手が、相手に2塁を踏ませず、今大会初の完封勝利をおさめる好投を見せた。味方打線が追加点をとれず、1点を死守する展開となったが、表情を一切変えずに淡々と投げる姿は、20歳とはいえエースの風格。最後まで狙い球を絞らせず、相手打線につけ入る隙を与えなかった。 終わってみれば4対0と、投打のバランスが取れた結果となった。次戦は、2年前の本大会で敗戦を喫したJFE東日本との戦いとなる。この勢いで、リベンジを期待したい。

前田監督の談話


「初戦だっただけに、序盤は硬さを感じた。加えて、相手の西納投手は実績もあるし、安定感があると聞いていたので、そう簡単に打てるとは思っていなかった。ただ、いい当たりはしていたので、どこかでとらえられるだろうとうとは感じていた。

こちらも抑えているけれど、向こうにも抑えられている展開で、主導権は並行していたが、4回の末包に1本が出たことで、こちらに引き寄せられたと感じた。中々追加点がとれなかったが、相手に2塁を踏ませず、ピンチらしいピンチを作らなかったのも大きかった。フォアボールも出さなかったし、エラーもなく、相手はもの凄く嫌だったと思う。鳥飼が2本の盗塁を刺したのも大きかった。
8回に、先頭打者の古川が出塁したら、次は送りバントなど、何かしら仕掛けたいと思っていたところでホームランを打ってくれたらから、あれで、随分と楽になった。ベンチも安心したというか、ようやく硬さが抜けた。それが9回の連打につながった。
初戦を河野に託したのは、今季の実績を考えると彼以外にいないからだが、完封は期待以上の出来。 100球に差し掛かる7回あたりから、多少、ボールが上ずってきた感はあったが、彼には、この試合に勝つだけでなく、もっと上のレベルを目指す選手だから、これくらいは投げ切って欲しいという期待を込めて、続投させた。堂々と完封するくらいでちょうどいい。
応援は、ベンチにいてもよく聞こえてきた。ピンチのとき、チャンスのとき、得点したときごとに流れる音楽が、それぞれなつかしかった。レプリカユニフォーム、白もあったんやね、スタンドでもの凄く映えていた。やはり、応援があるのはいい。本来はこんなもんじゃないけれど、それでも十分、力になるし、本当にありがたかった。若い選手たちも、応援の後押しをやっと感じることができただろうと思う。
選手たちには、今年度最後の大会だから、明るく、積極的に楽しくプレーして、そして勝とう! と話している。今日の勝利で、次戦はほぐれて試合に入れるでしょう。次の相手は、またしてもJFE東日本、どこが相手でも勝ち上がってきたチームですから、意識せずに、いつも通りうちの野球をして、そして勝ちます!」

進化を遂げ大舞台で飛躍する、鳥飼選手


伏木海陸運送にヒット4本を許したものの、一度も二塁ベースを踏ませなかった。うち2本は、鳥飼選手が二盗を阻止したから。余裕を持ってアウトにした送球は、まるで教本に載っているお手本のよう。序盤で見せた肩の強さは、強打が自慢の相手打線の出鼻をくじいたのは間違いない。
 自身、送球が課題だったと振り返るが、昨季オフに徹底的に磨きをかけた。「キャンプ中、打撃練習そっちのけで」倉重コーチにつきっきりで特訓してもらったという。体のより近くで捕球し下半身が上手く使えるようになると、バラついていたコントロールが見違えるように安定した。この試合で投じた2球は、いずれもベース付近に届き、野手は余裕でランナーにタッチができた。
努力の甲斐あって、今は盗塁を許さない自信がある。課題が減った分「余裕ができ、リードに集中できている」という。今日は、本調子ではなかったという河野投手だが、頭に入れた相手打線のデータと照らしあわせながら上手くリードし、各打者を翻弄した。
大阪ガスでは最年長捕手となったが、年齢的に先輩の補強選手の古川昌平選手からは「ブルペンでのピッチャーとのやりとりとか、ベンチワークとか、たくさん勉強させてもらっています」と話す。まだまだ進化しそうだ。

ひと振りで試合を決めた大砲、末包選手


4回に、先制打、そして決勝点となるソロホームランを放った。「打ったのはストレートかカットか…。甘く入ってきたので、すかさずバットを振った」という打球は、吸い込まれるようにセンターのバックスクリーンへ。序盤は、打線全体が相手の西納投手をとらえながらも上手くヒットにならないという重いムードだっただけに、それを一掃してくれる1本となった。
一打席目はショートフライに倒れたものの、「いい当たりをしたのでいけると思った」といい、自信を持って入った第二打席で放った鮮やかなホームラン。打った瞬間に入ったとわかるほど、手応えも十分だった。2年振りに帰ってきた応援団や観客が沸くスタンドを見ながらダイヤモンドを一周した。「2年前はベンチでしたから、グランド上で応援を感じられたことは本当に嬉しかったです。でも、一緒になって喜ぶのは、ホームベースをちゃんと踏んでからにしようと思いました」
大阪ガスでのプレーは、本大会が最後。「周りからもよく言われるんですけれど、正直、“最後だから”という意識はないというか。常に目の前の試合、この大会に全てを掛けているという感覚なので」と話す。『チームの優勝』。大砲は、そこしか見ていない。

ベストピッチングで本大会初の完封勝利をおさめた、河野投手


奪三振9、無四死球、許したヒットはわずかに4本と完璧な内容で、本大会初の完封試合を遂げた河野投手。ストレートが抜けるなど決して本調子ではなかったというが、「その分丁寧に投げた」ことで相手につけ入る隙を与えなかった。中でも、1本を警戒していた伏木の四番・乙野選手や五番・中村選手への失投がなかったのが良かったと振り返る。
初戦先発を告げられたのは一週間前。試合当日まで特に緊張することはなく、むしろ「ワクワクしていた」という。東京ドームのマウンドは昨季の大会で経験しているが、応援団がいるのは初めて。マウンドに立ったとき、白いレプリカユニフォームを着ている人たちがスタンドを埋め尽くしているのが目に入った。「たくさんの社員の方々が来てくれている」と感じたという。「とても特別な空間です。もっともっと、こういう舞台で投げたい」と気持ちが高ぶり、より一層ワクワクしたという。
完投は意識していなかったが、8回を投げ終わった時点で「稲田コーチから『次も行くか?』と聞かれて、ここまできたらせっかくなので『行きます』と答えました」。7回あたりからコントロールが甘くなり始め、マズいなと感じていたが、「鳥飼さんが、球種を上手く織り交ぜてリードしてくださったおかげ」で、最後まで投げ切ることができたと話す。完封したことについては、「初戦は大事だと思うんです。そこへきての完封は、本当に良かったと思います」と答えた。しかし、まだ一回戦を突破したところ。「勝者同士の戦いとなるこれからの方が大変」といい、今回のピッチングで浮足立つことはない。1イニングでも多くワクワクする舞台でマウンドへ上がるために、次の登板でも気を引き締めチームを勝利に導くつもりだ。