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2026年2月6日
大阪ガス株式会社
大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原 正隆、以下「大阪ガス」)は、環境DNA※1分析を手掛ける株式会社AdvanSentinel(以下「AS社」)と、経済産業省が公募した「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)※2」に対して「フィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国/水田での脱炭素活動による生物多様性への影響調査事業(以下「本事業」)」を提案し、採択※3されました。本事業を通じて、水田由来のメタン排出削減と生物多様性保全を両立させるビジネスモデルの構築を目指します。
■背景
政府は、二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism、以下「JCM」)※4の活用による、2030年までに累計1億t-CO2、2040年までに累計2億t-CO2の温室効果ガス削減への貢献を目標として掲げており、NDC※5の達成手段としても活用する予定です。
農業分野におけるJCM方法論である間断かんがい技術(Alternate Wetting and Drying、以下「AWD」)は、水稲の栽培期間中に水田の水を一定期間抜いて土壌を乾燥させた後、再び水を張ることを繰り返す手法です。一般に水を張られた水田はメタンが発生しやすいため、水を抜く期間を設けることにより、常時水を張った状態と比較してメタンの排出を約30%削減することができる※6と言われています。特にフィリピンやベトナムなどの東南アジアの国々(以下「ホスト国」)は水田由来のメタン排出量が多い国であり、日本はAWDを通じたJCMクレジットの発行を目指しています。JCMを通じてメタン削減を行うだけでなく、独自の貢献※7をホスト国に行うことが同国への提案力の強化や早期のJCM発行に繋がると考えています。
■本事業の目的
大阪ガスはこれまでに、AS社、カーボンクレジット創出販売事業等を手掛けるGreen Carbon株式会社(以下「Green Carbon社」)等と共同で、環境DNAを分析することで水田の中干し期間延長による生物多様性への影響の可視化に成功しました※8。本事業でも、同様の手法を通じて、AWDに伴い水田の水を抜く前後での生物多様性への影響を調査します。水を抜く期間を長くすると水田に生息する生態系に影響を及ぼすといった懸念に対して、生物多様性の実態を可視化したクレジットの創出とホスト国にノウハウを提供することで、日本の提案の採択優位度を上げることを目指します。
■本事業の内容
本事業では、26年3月から27年3月まで、フィリピン及びベトナムにおけるAWD導入済みの水田にて、環境DNAを活用した生物多様性への影響調査を行い、AWDによるメタン排出削減と生物多様性保全を両立させるビジネスモデルの実現可能性を検証します。
①技術実証
AWDに伴い水田の水を抜く前後での水・土壌のサンプリングを行い、水田に生息する生物の微量な遺伝子情報(環境DNA)を分析し、生物種数を定量的に評価します。
②収益性・市場性のフィージビリティスタディ(実現可能性調査)
Green Carbon社をはじめとするJCMプロジェクト実施者へのヒアリングおよび簡易モデリングにより、収益性を評価します。
③事業スキームと体制の設計
大阪ガス、AS社、Green Carbon社、現地大学、研究機関にて、役割の整理や事業化までのステップを検討します。2027年度末までに両国で20件規模のプロジェクトに、①技術実証で示した工程を実装することを目指します。
Daigasグループは、2025年2月に発表した「エネルギートランジション2050」のもと、脱炭素社会に貢献する技術・サービスの開発に取り組み、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの"さらなる進化"のお役に立つ企業グループを目指してまいります。
| ※1: | 水や土壌、大気などの環境中に放出されたDNAの総称 |
| ※2: | グローバルサウス諸国が抱える課題を解決することを通じて当該地域の市場の成長力を活かし、日本の経済安全保障(サプライチェーン強靱化等)の確保及び日本国内のイノベーション創出等により国内産業活性化を目指すと共に、グローバルサウス諸国との経済連携を強化するため、本邦企業が行うインフラ等の海外展開に向けた事業実施可能性調査事業及び小規模実証事業の実施に必要な費用の一部補助を目的とするもの Webページはこちら |
| ※3: | 経済産業省の採択ページ Webページはこちら |
| ※4: | 日本とパートナー国が協力して温室効果ガスの削減に取り組み、その成果を両国で分け合う制度 |
| ※5: | パリ協定に基づいて各国が5年ごとに提出・更新する温室効果ガス削減目標のこと。日本では、2035年度、2040年度において、温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指すことを2025年2月18日に閣議決定し、同日、国連に提出 |
| ※6: | 農林水産省「間断かんがい技術(AWD)による水田メタン削減について」(2025年6月)参照 |
| ※7: | JCMでは、日本が優れた脱炭素技術や資金をパートナー国に提供して実現した温室効果ガス削減量を、両国の貢献度に応じて分配・活用します。日本側の分配された削減量は、日本の削減目標達成(NDC)に活用できます |
| ※8: | 水田の中干し期間延長による生物多様性への影響を可視化~国内初となる生物多様性に関する価値を付加した水田J-クレジット創出に貢献~(2025年12月15日発表) Webページはこちら |
以上
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