目片 将大 選手

実力十分、将来性豊かな新戦力に注目!

青山学院大学出身の目片選手といえば、2023年度の大学駅伝3大大会全てに1区で出場、快走する姿を記憶しているファンは多いのでは。第66回関西実業団駅伝大会では、急な変更により16キロと最長区間の5区にまわりながらも、一時は5位に押し上げる力走を見せました。実力十分の新戦力、目片選手に、ニューイヤー駅伝への意気込みを聞きました。

――― 青山学院大学の最強世代と呼ばれた学年の中で、4年生で箱根駅伝1区を走りました。 

 高校時代の監督さんに、「より強豪校から箱根出場を狙え」と言ってもらい青山学院大学に進学したのですが、同期14人のうち、大学入学当時の僕の5000m持ちタイムは10番目位。そのうえ、上級生との力の差はもっとあって、箱根駅伝を走ることを4年間の目標にして頑張って来ました。

 僕は、筋肉がつきにくく体重を維持するのに苦労する体質で、大学1、2年生の頃はケガをしやすかったです。膝とかかかとが、20キロ位に耐えられないんですね。ちょうど厚底シューズが出始めた頃で、確かに反発が大きくて速く走れるのですが、その分、股関節や膝に負担がかかりやすく、やはり筋肉量の関係でよく痛めてしまい苦労しました。3年生になると、トレーニングの成果が出始め筋肉量が増えた分、ケガをしなくなり、練習を休まず計画立ててできるようになり、徐々に結果が出るようになりました。
 僕の持ち味は後半の粘りですが、そんな走りができるようになったのも、こういった学生時代の練習量に育まれたと感じています。

――― 4年間で一番印象に残っていることはなんでしょうか 

 3年生の箱根駅伝メンバーから漏れたときでしょうか。3年生になって、いわばとんとん拍子で10月にあった出雲駅伝に初めて駅伝メンバーに選ばれ5区を走ったんです。当然、箱根も狙っていたのにその後、調子を崩して箱根の16人の中に選ばれませんでした。あの時ですね。「来年こそは、自他ともに認める実力をつけて、絶対に選ばれるんだ!」と闘志に火が付きました。

――― 4年生は見事、3大会に出場しました。振り返るといかがですか 

 箱根は、他の大会と緊張度合いが違いましたね。12月に入った途端、寮全体が緊張状態に一変するんです。ちょっとした違和感に「不調なのでは」と過敏になっている自分もいて。練習量は積めていて調子も良かったので、正直、自分の走りに物足りなさも感じなくはないですが、3大会を総じて、悔いのない走りはできたと思っています。

――― 箱根を経験して、世界観が変わりましたか 

 あの日、スタートラインに立った時の緊張感を今でも覚えています。何と表現して良いかわからないくらい、相当なプレッシャーです。あれを経験すると、もう何も怖くなくなりすね(笑) あれ以上の緊張を強いられることはそうはないと思います。

――― 社会人選手になって一番の違いは何ですか 

 ひとつは、仕事と選手の両立の難しさです。秋頃からは随分と、社業と練習のペースがうまく掴めるようになってきました。もう一つは、会社の看板を背負う責任感です。みっともない走りを見せたくないです。

 学生時代、大会を見ていた方々から「感動しました」などの声が届いて嬉しかったことを覚えています。試合での走りは、練習の集大成そのものです。大会への思いが、走りに粘りを生むし、1秒でも速いタイムを生むのだと思います。結果、周囲の人たちを感動させられるのだとしたら…。そのような走りが、大阪ガス陸上部の一員としてもできればと思っています。いずれ大阪ガス陸上部のエースになることを目標に、頑張っています。

――― ニューイヤーへの意気込みを教えてください 

 今は、元旦が楽しみで仕方ありません。コース変更にともない特に前半の勢いが大事だと思っています。チームに勢いをもたらせるような走りをしますので、ぜひ、応援してください!