
近畿地区第4代表として、3年振りに都市対抗野球大会出場を決めた大阪ガス。その裏には、初戦敗退から5連勝での逆転劇と、主将・高橋選手を中心に築いた強い結束がありました。本大会へ向け、指揮官が予選をどう振り返り、どんな期待をかけているのか。峯岡監督へ聞きました。
「これでは勝てない、じゃあ、どう立て直すか」からスタートした予選
今年の予選は、初戦で敗れて第4代表トーナメントに回る形になり、一見すると昨年と似た展開でしたが、中身はまったく違いました。昨年は勝ち試合を落としたショックが大きかったのですが、今年は完敗。打線がまったく機能せず、「これでは勝てない、じゃあ、どう立て直すか」と、気持ちの切り替えが早かったですね。
そこからの5試合、一人ひとりが改めて“勝つ”意識を持って戦ってくれました。特に最初の3試合は負けたら終わりの崖っぷちの状況で勝ち続けたのですから、一試合ごとに力をつけた予選だったと思います。
キャプテンの高橋を中心に、副キャプテンの清水、大宮もセクションごとにコミュニケーションを取り、相手情報を共有しながらしっかり準備をしてくれました。
本予選ではホームランを1本も許さず、失点を最小限に抑えることができました。打撃が苦しい中で勝つには守備が要と考え鍛えてきた守備力が、土壇場で生きたとも感じています。
「そのつもりです」と引き受けてくれた高橋キャプテン
高橋は、2年連続でキャプテンを務めてくれています。今季は別の選手に託す選択肢もありましたが、冬場の練習を見ているうちに、「やはり高橋だな」と。チームをまとめようとする意識が高く、何より日本一を目指す覚悟がにじんでいました。本人も「そのつもりです」と引き受けてくれました。首脳陣と選手の間に立って意見をうまくつなぐ存在として、本当によくやってくれています。
投手陣は大宮が軸、攻撃面では清水がカギを握る
本選では、大宮を中心とした投手陣に期待しています。大宮は、自分のやるべきことをわかっていて、それをやり抜く姿勢を持った選手です。昨年も柱として投げてくれましたが、予選で勝ち切れなかった悔しさを胸に、予選ではケガ明けながらもチームを勝たせる投球をしてくれました。試合勘や体力面での不安を乗り越えた姿には、大きな成長を感じます。昨年の日本生命さんでの補強経験での実績も糧に、今大会がさらなる飛躍の場になって欲しいです。
秋山、本間、小松、稲垣にも期待しています。左打者には左の執行が面白い働きをしてくれそうです。江越も直近のオープン戦で好投しました。誰が出ても力があるので、総力戦で臨みます。
攻撃では、やはり清水が鍵を握ると思っています。彼が打つかどうかで得点力が変わってきますからね。あとは、橋本。足も長打もあって勝負強さもある選手なので、どれだけ意外性を発揮してくれるか。予選では9番でしたが、調子が上がって上位でその力を出してくれたら面白くなるでしょう。予選で見せてくれた杉内の粘り強い打撃にも、また期待しています。
一発勝負の「突覇」力をご期待ください
本選は、一発勝負の連続。優勝するまで、ずっと崖っぷちです。予選の戦いぶりを見ていると、うちの選手たちは、むしろそういう状況の方が思い切ってプレーできるんじゃないかと、楽しみにしています。
大阪ガス硬式野球部には「惟一心」という不動のスローガンがありますが、今年は、それに加えて、「突覇」というシーズンスローガンを掲げています。どんな壁でも突破する覚悟と、日本一をつかみにいく意気込みを込めて、選手たち自らが決めました。
本選で選手たちが力を発揮できるよう、残りの時間を大切に準備を進めていきます。私たちの戦いに、ぜひご期待ください。