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    日本初!大阪ガスとダイハツディーゼル共同開発の船舶向けLPGメタン化改質装置を採用
    LPG焚きLPG運搬船が日本海事協会からの設計基本承認を取得

    2020年03月13日
    大阪ガス株式会社

     ダイハツディーゼル株式会社(社長:木下 茂樹、以下「ダイハツディーゼル」)は、3月13日に一般財団法人日本海事協会(通称:ClassNK、以下「日本海事協会」)よりLPG焚きLPG運搬船のAiP(Approval in Principle : 設計基本承認)※1を取得しました。このLPG焚きLPG運搬船には、当社がダイハツディーゼルと共同開発したLPGメタン化改質装置を搭載しています。このLPGメタン化改質装置は、当社が2019年9月に日本海事協会から国内初となるAiPを取得しています。
    https://www.classnk.or.jp/hp/ja/hp_news.aspx?id=4162&type=press_release&layout=1別ウインドウで開く
     
     2016年から一部海域で適用されている窒素酸化物(NOx)排出規制※2に加え、2020年から一般海域を航行する船舶への硫黄酸化物(SOx)に対する規制強化※3が決定したことを契機に、船舶用燃料の環境性能向上が求められています。
     両社は、環境優位性、省スペース性に優れたLPGを船舶の燃料として使用することを目的に、2015年から共同研究を進めてきました。
     LPGは、重油に比べてSOxやNOxなどの環境有害物質の排出を大幅に抑制することが可能で、船内スペースを大きく消費する排ガス処理装置の設置が不要となります。また、極低温設備が必要となるLNGに対し常温で保存が可能なため省スペースです。
     
     一方で、LPGは、主成分であるプロパンやブタンガスにより、ノッキング(異常燃焼)を起こしやすい性状を有するため、ガス船舶機関の主流であるリーンバーン方式※4のガスエンジンや2元燃料エンジン※5の燃料として直接使用することが困難という課題がありました。このような課題を、当社が持つプロパンガス等を都市ガスに変換する技術を用いたLPGメタン化改質装置をエンジン前段に設置することで、ノッキングの抑制を実現してエンジン軸効率を42%まで向上させました。このLPGメタン化改質装置は、2019年9月に日本海事協会よりAiPを取得しています。
     
     LPGメタン化改質装置で改質したガスを主燃料とし、ダイハツディーゼルの2元燃料エンジンにより推進するLPG焚きLPG運搬船について、ダイハツディーゼルが、大阪ガス、泉興業株式会社、株式会社三浦造船所の協力のもと本設計並びにエンジニアリングを行い、3月13日にAiP取得に至りました。
     
     LPGメタン化改質装置及びLPG焚きLPG運搬船のAiP証書取得により、LPGメタン化改質装置を船舶に搭載する際の諸要件を明確化することができ、実用化に近づいたと考えています。LPG燃料船の社会実装に向けた開発活動を今後さらに加速し、船舶から排出される船舶から排出される有害物質、地球温暖化ガスの削減に貢献していきます。
     
     
    ※1: AiP取得とは、日本海事協会が定める規則で規定されていない分野について、リスク評価と規則適合性を検証し、日本海事協会から承認を得る事です。
    ※2: 国際海事機関(IMO)が船舶による海洋汚染防止のための国際条約として定めるMARPOL条約で、NOxは大気汚染原因として2000年から一部海域で規制対象となっており、2016年には1次規制値の80%削減となる3次規制が適用されています。
    ※3: SOxは硫黄含有燃料油を燃焼することにより発生し、NOx同様に大気汚染及び酸性雨の原因としてMARPOL条約で2005年から規制対象となっており、2020年から全船舶を対象に燃料硫黄分の規制を3.5%から0.5%未満に強化されました。
    ※4: 内燃機関において、理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気で運転している希薄燃焼状態を意味します。
    ※5: 液体燃料とガス燃料双方を切り替えて運転可能なエンジンを意味します。
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