大阪ガス株式会社(社長:本荘 武宏 ;以下、大阪ガス)は、アイシン精機株式会社(社長:伊原 保守;以下、アイシン精機)、京セラ株式会社(社長:山口 悟郎;以下、京セラ)、株式会社ノーリツ(社長:國井 総一郎;以下、ノーリツ)と共同で家庭用固体酸化物形燃料電池(SOFC;以下、エネファームtype S)の新製品を開発しました※1。 |
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「エネファームtype S」は、大阪ガス、アイシン精機、京セラの3社とトヨタ自動車株式会社(社長:豊田 章男)が開発した技術をベースに商品化したものです。新製品は、電気を発生させるセルスタック※2を京セラが、セルスタックを組み込んだ燃料電池発電ユニット(以下、発電ユニット)をアイシン精機が、発電ユニットとセットする熱源機・リモコンをノーリツがそれぞれ製造し、大阪ガスが2016年4月から販売を開始します。
主な特徴は以下の通りです。 |
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(1) |
幅広いニーズに対応した革新的な仕様 |
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◇世界最高※3の発電効率※4と世界最小※5の機器本体サイズを実現 |
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新製品では、大阪ガスと京セラが共同で開発したセルスタック耐久性向上技術※6を採用することにより、高い発電効率と耐久性を両立することに成功し、世界最高の発電効率52%を達成しました。また、発電ユニットに貯湯タンクを内蔵し、通常のガス給湯器※7に接続する仕組みとしたことで、世界最小の機器本体サイズを実現しました。 |
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◇設置が可能な対象住戸の拡大 |
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技術・仕様の革新により、戸建住宅に比べて設置スペースに制約のあるマンションへの設置が容易になりました。また、現在お使いのガス給湯器をそのまま利用し、発電ユニットだけを後付で設置することが可能となりました。これらにより、従来以上に幅広いお客さまに新製品をお使いいただくことができるようになりました。
なお、新築マンションへの導入については、本日2月24日時点で、積水ハウス株式会社、大和ハウス工業株式会社、野村不動産株式会社、株式会社NIPPO、三菱地所レジデンス株式会社及び大阪ガス都市開発株式会社の自社が供給する物件(計6物件、770戸)に対し、新製品を採用する意向をいただいています。 |
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◇コストダウンを実現 |
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機器仕様の大幅な見直し等により、発電ユニットと熱源機のセット希望小売価格(税抜)は現行品よりも約25万円の低価格となる1,785,000円※8、発電ユニット単体の希望小売価格(税抜)は1,425,000円※9を実現しました。 |
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(2) |
お客さまの利便性向上 |
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IoT※10技術を活用し、新製品をより安心、快適にご利用できる以下の3つのサービス※11をご提供します。 |
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・ |
発電状態を常時見守り、万が一の際は駆けつける「発電見守りサービス」 |
・ |
発電量や1か月の電気代予測などを確認できる「省エネナビゲーション」 |
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外出先からお風呂のお湯はりや床暖房の操作ができる「ガス機器遠隔操作」 |
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(3) |
余剰電力の買取開始によるお客さまの経済性・環境性の向上 |
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大阪ガスは、2016年4月から実施される電力の小売全面自由化に合わせ、新製品で発電し、お客さま宅で使われなかった電力(余剰電力)の買い取りを日本で初めて実施します。※12
新製品は、常に高効率な発電性能を発揮する運転(定格出力運転)により、環境負荷の小さい電力を最大限作り出し、その際に生じた余剰電力を大阪ガスが買い取ります。機器の性能向上と余剰電力の買い取りにより、給湯暖房システム※13をご使用の場合と比べると、年間の光熱費を約9.9万円※14、CO2排出量を約2.6トン削減※14できます。
また、この買い取った電力は「大阪ガスの電気」として、他のお客さまにご使用いただきます。これにより、社会全体のCO2削減や国が推進する電源の多様化・分散化、電力需給ピークの緩和に寄与して参ります。 |
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大阪ガスでは、2009年6月から「エネファーム」(PEFC:固体高分子形燃料電池)の販売を開始し、昨年7月には累計販売台数4万台を達成しました。今後も「エネファーム」および「エネファームtype S」の更なる技術開発とコストダウンに努めるとともに、一層の普及促進に取り組み、総合エネルギー事業者として、お客さまの快適な暮らしの実現と環境負荷の低減、エネルギーセキュリティの向上等に貢献して参ります。 |
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【新製品の外観】 |
<発電ユニット・セット用熱源機> |
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<インターホンリモコン> |
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台所リモコン |
浴室リモコン |
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※1 |
「エネファームtype S」はクリーンな天然ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内で利用するとともに、その際に出る熱もお湯として有効に利用できる環境に優しいエネルギーシステムです。開発にあたっては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託業務の結果得た成果を一部活用しています。 |
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※2 |
SOFCセルを積層したもの。セル同士はセル間接続部材により接続されています。水素と空気中の酸素を使って直流電流を発生させます。 |
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※3 |
定格出力1kW以下の家庭用燃料電池で世界最高の発電効率(2016年2月24日時点の大阪ガス調べ)。 |
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※4 |
低位発熱量基準(Lower Heating Value)にて算出。LHVとは燃料ガスを完全燃焼させたときに生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めない熱量。LPガスの場合の発電効率は51% |
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※5 |
家庭用固体酸化物形燃料電池(排熱利用システムを含む)で世界最小のサイズ(2016年2月24日時点の大阪ガス調べ)。 |
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※6 |
集電材コーティング技術。セル間を電気的に接続するステンレス部材である集電材にコーティングを施すことにより、高効率化と耐久性確保を両立しました。 |
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※7 |
ガス給湯暖房機、ガスふろ給湯器、ガス給湯器などのガス給湯熱源機の総称です。現在お使いのガス給湯熱源機に発電ユニット単体を後付設置する場合は、別売りの後付構成用発電連係リモコンが必要です。組合せできるガス給湯熱源機には制限があります。詳しくはお問い合わせください。 |
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※8 |
燃料電池発電ユニット(自立運転機能なし)192-AS06型、熱源機(24号自動・コンパクト)136-N200型、インターホンリモコン(インターホン機能・無線LAN機能付き)138-N411型の希望小売価格。設置工事費別。 |
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※9 |
燃料電池発電ユニット(自立運転機能なし)192-AS06型、後付構成用発電連係リモコン(無線LAN機能付き)138-N412型の希望小売価格。設置工事費別。 |
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※10 |
IoT:Internet of Things(モノのインターネット) |
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※11 |
お客さまの無線LAN・インターネット環境との接続が必要です。「省エネナビゲーション」と「ガス機器遠隔操作」は、お客さまのスマートフォンとの接続および専用アプリ「エネファームアプリ2」をダウンロードする必要があります。「ガス機器遠隔操作」は、後付構成用発電連係リモコン138-N412型をご使用の場合、ご利用いただけません。 |
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※12 |
電力系統を介して家庭用燃料電池の発電電力を買い取る事業では日本初(2016年2月24日時点の大阪ガス調べ)。余剰電力買取の対象は、新製品(192-AS05型、192-AS06型)をご使用され、当社とガス使用契約を締結しているお客さまとなります。なお、関連法令の規定により、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を適用する太陽光発電システム(出力が10kW以上かつ全量買取を適用する場合は除く)との併設時には、余剰電力買取はできません。
余剰電力の買取単価は、当社ガス料金の原料費調整制度に基づく当該月の調整額を踏まえ、現時点では、次の算定式により決定し、買取単価は毎月変動します。
買取単価(円/kWh)=13.00±当該月の調整額×0.133 (小数点第3位以下は切り上げ、消費税込) |
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※13 |
給湯暖房システム:ガス給湯暖房機、ガス温水床暖房(リビング・ダイニング)、ミストサウナ機能付きガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、電気エアコンを使用。 |
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※14 |
給湯暖房システムの「ガス給湯暖房機」を「エネファームtype S」新製品に変えた場合の当社試算値(戸建4人家族想定)。
【適用料金】 |
「給湯暖房システム」 |
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ガス:床暖料金スタンダードプラン(オプション割引9%)、電気:従量電灯A |
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「エネファームtype S」 |
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ガス:マイホーム発電料金(オプション割引9%)、電気:従量電灯A |
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※ |
ガス料金、電気料金はそれぞれ大阪ガス、関西電力の2015年5月の料金(税込)。電気料金の「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は2015年度時点。余剰電力の買取単価は2015年5月時点の調整額を適用した13.59円/kWh(税込)。 |
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【CO2排出係数】 |
ガス:2.29kg-CO2/m3(当社データ)、電気:0.69kg-CO2/kWh |
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(「中央環境審議会地球環境部会目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ」2001年7月より) |
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【新製品の特長】 |
1 |
世界最高の発電効率 |
◇ |
エネファームtype Sは、セルスタックにセラミックスを使用するため、作動温度が700~750℃へ高温化。この熱を都市ガスから水素への改質を促進するエネルギーに有効利用できるため、高い発電効率を実現。 |
◇ |
新製品は、現行品に比べ、発電時に発生する熱の損失を減らすことで、現行品の発電効率46.5%から5.5%向上し、世界最高の52%を実現。その際、本来相反する関係にある発電効率と耐久性を大阪ガスと京セラが共同開発したコーティング技術で両立することに成功。 |
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2 |
世界最小の機器本体サイズ |
◇ |
新製品は、発電効率を高めた結果、排熱量が少なくなるため、その排熱を貯める貯湯タンクを現行品の90Lから28Lに小型化し、発電ユニットへ内蔵。 |
◇ |
併せて、排熱利用給湯暖房ユニットを廃止し、通常のガス給湯器に接続して使用することにより、世界最小の機器本体サイズを実現。 |
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3 |
設置が可能な対象住戸の拡大 |
◇ |
世界最小の機器本体サイズを実現したことにより、戸建住宅に比べ、設置スペースの小さいマンションでも、バルコニーや共用廊下などで、フレキシブルに設置することが可能。 |
◇ |
現在、計画されているマンションに新製品の採用意向をいただいている会社・物件は以下のとおり。
〔五十音順。カッコ内は物件計画名〕 |
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・ |
積水ハウス株式会社
(仮称:グランドメゾン内久宝寺タワー)
(仮称:グランドメゾン大淀南タワー) |
・ |
大和ハウス工業株式会社 (プレミスト京都 烏丸鞍馬口) |
・ |
野村不動産株式会社 (仮称:芦屋市東山町集合住宅 新築工事) |
・ |
三菱地所レジデンス株式会社・株式会社NIPPO
(仮称:堺市北区東三国ヶ丘町1丁計画) |
・ |
大阪ガス都市開発株式会社
(ジ・アーバネックス芦屋Owners) |
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◇ |
既設のガス給湯器も熱源機として利用することが可能になったため、現在お使いのガス給湯器に発電ユニット単体の後付設置が可能。 |
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4 |
コストダウンを実現 |
◇ |
新製品の発電ユニットと熱源機のセット希望小売価格(税抜)は、現行品よりも約25万円の低価格となる1,785,000円を実現。 |
◇ |
発電ユニット単体の希望小売価格(税抜)は、1,425,000円。 |
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5 |
IoT対応による安心・快適な付加価値サービス |
◇ |
発電見守りサービス |
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お客さまが通信機能を搭載したリモコンをインターネット回線に接続することで、大阪ガスが遠隔で発電状態を常時見守り。万が一の故障や誤操作で発電が停止した際には、お客さまにお電話でお知らせし、必要に応じて修理担当者が駆けつける安心のサービス。 |
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◇ |
省エネナビゲーションサービス |
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新製品の発電量とお客さま宅の電気の使用状況をふまえて、お得な電気の使い方をナビゲート。現在の発電量・電気使用量の表示、1か月の電気代予測のお知らせ、お勧めする節電時間帯の表示、1時間毎の発電量・電気使用量のグラフ表示など様々なコンテンツの利用が可能。 |
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※アプリ画面や機能・サービスの内容は変更する可能性があります。 |
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◇ |
ガス機器遠隔操作サービス |
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外出先からの遠隔でお風呂のお湯はり・床暖房※15操作が可能。床暖房は最大6系統のON/OFF操作、運転予約が可能。さらに、外出時や就寝時に便利な一括停止も可能。 |
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6 |
日本初の余剰電力買取 |
◇ |
新製品で発電した余剰電力の買取 |
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新製品で発電した電力のうち、お客さま宅で使われなかった余剰電力を大阪ガスが買い取り、「大阪ガスの電気」として他のお客さまに供給し、社会全体で活用。 |
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◇ |
新製品の運転イメージ |
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余剰電力買取の場合、新製品が24時間、700Wの定格出力運転をすることで最大限高効率に発電し、その環境負荷の小さい電力をお客さまの自家使用と売電により、ムダなく有効に活用。 |
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7 |
高い環境性、経済性を実現 |
◇ |
新製品では、余剰電力買取を行った場合、給湯暖房システムをご使用の場合と比べ、年間の光熱費を約9.9万円、年間のCO2排出量を約2.6トン削減。 |
◇ |
新製品で余剰電力の買い取りをしない場合と比べると、年間の光熱費は約6千円、年間のCO2排出量は約0.7トン削減。 |
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※15 |
2001年9月以降に発売された床暖房に対応しています。 |
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【仕様】 |
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新製品 |
(参考)現行品 |
発売日 |
2016年4月1日 |
2014年4月1日 |
性能 |
発電出力 |
通常運転時:50W~700W
自立運転時:700W |
通常運転時:50W~700W
自立運転時:350W |
定格発電効率※16 |
52.0%(LHV)
46.9%(HHV) |
46.5%(LHV)
42.0%(HHV) |
定格総合効率※16 |
87.0%(LHV)
78.5%(HHV) |
90.0%(LHV)
81.2%(HHV) |
貯湯タンク容量 |
28リットル |
90リットル |
貯湯温度 |
約70℃ |
同左 |
寸法 |
燃料電池発電ユニット |
W780×H1195×D330(mm) |
W600×H935×D335(mm) |
発電ユニットセット用熱源機※17 |
W480×H750×D240(mm) |
W740×H1,760×D310(mm) |
重量 |
燃料電池発電ユニット |
100kg |
96kg |
発電ユニットセット用熱源機※17 |
38kg |
91kg |
戸建設置スペース |
約1.4m2
(マンションの場合約0.9m2) |
約1.9m2 |
ガス種 |
都市ガス13A、LPガス |
同左 |
メンテナンスサポート期間 |
10年間 |
同左 |
発電ユニット・熱源機・インターホンリモコン(無線LAN機能付き)
セット希望小売価格※8 |
税込 |
1,927,800円 |
2,192,400円 |
税抜 |
1,785,000円 |
2,030,000円 |
発電ユニット・後付構成用発電連係リモコン(無線LAN機能付き)
セット希望小売価格※9 |
税込 |
1,539,000円 |
- |
税抜 |
1,425,000円 |
- |
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※16 |
低位発熱量基準と高位発熱量基準(Higher Heating Value)にて算出。HHVとは燃料ガスを完全燃焼させたときに生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めた熱量。LPガスの場合は定格発電効率51%、定格総合効率85%(低位発熱量基準)。 |
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※17 |
標準タイプ。現行品は排熱利用給湯暖房ユニット。 |
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以上 |