TotalEnergies SE（CEO：Patrick Pouyanne、以下「TotalEnergies」）の子会社であるTotalEnergies Hydrogen Holdings USA, LLC、Tree Energy Solutions Belgium B.V.（CEO：Marco Alvera、以下「TES」）の子会社であるTES US Development, LLC、大阪ガス株式会社（社長：藤原正隆、以下「大阪ガス」）、東邦ガス株式会社（社長：山碕聡志、以下「東邦ガス」）の子会社であるToho Gas USA Carbon Neutral Development, LLC、伊藤忠商事株式会社（社長：石井敬太、以下「伊藤忠商事」）は、米国において合成メタン（以下「e-メタン」）^＊1を製造する事業（Live Oakプロジェクト、以下「本事業」）の基本設計（FEED）^＊2実施に向けた共同開発契約を締結いたしました。

本事業では、2027年度内の最終投資意思決定（FID）^＊3の実施、2030年度中のe-メタンの製造（製造容量：年間約7.5万トン）開始および日本への輸出を目指します。なお、大阪ガスと東邦ガスは本事業からe-メタンを輸入することにより、両社が掲げるe-メタン等の導入目標（2030年度1%^＊4）の達成に寄与することを想定しています。

本事業では、米国ネブラスカ州において、再生可能エネルギーにより生成するグリーン水素^＊5とバイオエタノール工場から回収するバイオマス由来の二酸化炭素（以下「CO₂」）を原料にe-メタンを製造します。TotalEnergiesとTESは、2023年から本事業に向けた共同調査を進めてきましたが、今般、大阪ガス、東邦ガスおよび伊藤忠商事が新たに本事業に参画いたします。なお、本事業に参画する日本企業3社の参画比率合計は33.3%であり、伊藤忠商事は日本企業の取り纏めを担います。また、TotalEnergiesおよびTESは各々33.35%の参画比率を有します。

水素の利用形態の一つであるe-メタンは、一般的な都市ガスの主成分であるメタンと同じ成分であり、既存のLNGの液化・輸送設備および都市ガスインフラやお客さま先の燃焼機器をこれまでと同様に利用できるため、スムーズなカーボンニュートラルへの移行と社会コストの抑制が可能です。

5社は、世界に先駆けたe-メタンの商用スケールでの製造ならびに国際的なサプライチェーンの構築を目指すとともに、e-メタンの社会実装とカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

＜各社の概要＞
TotalEnergiesは、石油・バイオ燃料・天然ガス・バイオガス・低炭素水素・再生可能エネルギー・電力といったエネルギーを生産・販売するグローバルな統合型エネルギー企業です。私たちの10万人を超える従業員は、より信頼性が高く、より手頃で、より持続可能なエネルギーを、可能な限り多くの人々に提供することを使命としています。約120ヶ国で活動する当社は、持続可能性を戦略・プロジェクト・事業運営の中核に据えています。

TESは、エネルギートランジションを加速させる大規模プロジェクトを開発する国際的なグリーンエネルギー企業です。欧州では、TESのプロジェクトがエネルギー安全保障とエネルギー輸入の多様化を強化するとともに、EUの脱炭素化に関する取り組みを支援しています。ドイツでは持続可能燃料の主要ハブとなるグリーンエネルギー基地の開発を進めており、既に稼働中の浮体式LNG貯蔵再ガス化設備（FSRU）に続き、大規模な陸上LNG基地とCO₂輸出基地の整備を予定しています。また、再生可能エネルギーと気候中立なCO₂（バイオマス由来等）を活用したe-メタン製造プロジェクトを米国（Live Oak）、カナダ（Project Mauricie）、欧州、中東において進めています。これらの取り組みは、産業全体の真のゼロ・エミッションへの移行に貢献します。

大阪ガス（Daigasグループ）は、「カーボンニュートラルビジョン」や「エネルギートランジション2050」のもと、2030年度のe-メタン1%導入と、その後の社会普及に向けて、技術開発や実証、国内外におけるサプライチェーンの構築に取り組み、「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指しています。本件を通じて、脱炭素社会への貢献や、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループを目指してまいります。

東邦ガスは、2050年にお客さま先を含めたサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現を目標に掲げており、足元からお客さま先の低炭素化、さらには脱炭素化に資する取り組みを加速しております。e-メタンやバイオガスをはじめとする多様で最適な脱炭素エネルギーの確保・提供により、脱炭素社会の実現と中部地区のさらなる発展に貢献してまいります。なお、東邦ガスは2025年9月にToho Gas USA Corporation、Toho Gas USA Carbon Neutral Development, LLCを設立しました。これにより、カーボンニュートラル実現に資する取り組みを米国でも推進してまいります。

伊藤忠商事はグループ企業理念である「三方よし」の精神を掲げ、市場・社会・生活者等のあらゆるステークホルダーの声に耳を傾けながら、「SDGsへの貢献・取組強化」を推進しています。今後もe-メタンを含めた脱炭素取組みを推進し、早期の社会実装の実現及び世界の脱炭素化に貢献してまいります。

＊1：	グリーン水素などの非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタンに対して用いる呼称（欧米ではe-NG（electric natural gasの略称）とも呼称される）
＊2：	Front-End Engineering Designの略
＊3：	Final Investment Decisionの略
＊4：	2030年度における各社のガス供給量の1%のこと。
＊5：	再生可能エネルギーを用いた水の電気分解により得られる水素（製造過程においてCO₂を排出しない）