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プレスリリース

都市ガスの脱炭素化に貢献「革新的メタネーション」実現のキーとなる新型SOECの試作に成功~水素・液体燃料などの高効率製造にも活用可能な技術の開発~

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2021年1月25日
大阪ガス株式会社

 大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原正隆、以下「大阪ガス」)は、都市ガスの脱炭素化の有望技術と期待される高効率な革新的メタネーション技術の基礎研究に取り組んでいます。この度、この技術の実現のキーとなる新型のSOEC※1の実用サイズセルの試作に国内で初めて成功しました。当技術は都市ガスの脱炭素化だけでなく、水素や液体燃料などの高効率製造にも活用が可能と考えており、今後、産官学のご支援・ご協力、様々な事業者とのアライアンスなどにより研究開発を加速し、2030年頃に技術確立することを目指します。

 「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、CO2と水素から都市ガスの主成分であるメタンを合成する「メタネーション」と呼ばれる技術が注目されています。メタネーションにより、既存の都市ガス供給網やガスを使用する機器・設備を引き続き使用しながら脱炭素化を実現できます。当社のエネルギー技術研究所(大阪市此花区酉島)は、CO2と再生可能エネルギーから高いエネルギー変換効率でメタンを合成できる可能性がある革新的なメタネーション(SOECメタネーション※2)技術の基礎研究に取り組んでいます※3

 この度、SOECの低コストとスケールアップに適した新型のSOECの実用サイズセルの試作に国内で初めて成功しました※4。これまでのSOECは、高価な特殊セラミックス(特殊な焼き物)で構成されていますが、今回開発した新型のSOECは、琺瑯(ホーロー)食器のように、丈夫な金属を基板とし、表面を薄いセラミックス層で覆った金属支持型で、高コストな特殊セラミックス材料の使用量を従来比1割程度に削減できるなど、低コスト化が期待されます。新型SOECは従来型に比べ、耐衝撃性が高く強靭であり、スケールアップの実現も容易と考えられます。
 また、この新型SOEC技術は、メタン製造用途だけでなく、水素・液体燃料・アンモニア・化学品などの高効率製造にも活用可能と考えられます。現在は、未だ基礎研究段階にありますが、今後、当技術のさらなる研究開発の推進に向け、研究機関や他企業などとの積極的な連携を図り、2030年頃に技術確立することを目指していきます。

 今後も当社は、国のカーボンリサイクルロードマップもふまえ、脱炭素・低炭素に資するエネルギー技術やサービスの開発を行い、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループを目指してまいります。

  ※1: Solid Oxide Electrolysis Cell の略、固体酸化物を用いた電気分解素子。水蒸気やCO2を高温で電気分解するもの。
  ※2: SOECを用いて、水をCO2と共に再生可能エネルギー電力で電気分解することによって水素とCOを生成し、更に触媒反応によってメタンを合成するもの。メタン合成時の排熱を有効活用できるためエネルギー損失が小さく、従来のメタネーション(約55~60%)や水電解による水素製造(約70~80%)に比べ、約85~90%と高いエネルギー変換効率が期待される。
  ※3: 当社ホームページ参照
Webページはこちら
  ※4: 従来と同水準の電気分解性能(面積当たりの電解電流の大きさ)を示すポテンシャルを確認するとともに、実用サイズの金属支持型SOEC(セル)の試作にも国内で初めて成功した。なお、本研究の一部は、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究により実施した。

以上

新型SOECについて (1397KB)

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Daigasグループの「2050年脱炭素社会実現」に向けた挑戦
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