坂東 剛 選手

ニューイヤー駅伝好走への期待が高まる

 11月10日に行われた「第67回関西実業団対抗駅伝競走大会(以下、龍神)」で、ニューイヤー駅伝出場を決めた大阪ガス陸上部。その立役者の一人、坂東剛選手にお話を伺いました。今大会を振り返りや、ケガからの復活を支えた工夫、さらにニューイヤー駅伝への意気込みを語ってくれました。

――― 今回の走りをご自身で振り返ると、どのような印象ですか 

 思い通りのペースで最後まで走り切ることができました。駅伝では、1秒でも速くタスキを渡したいという衝動に駆られ、オーバーペースで入りがちです。昨年がまさにその通りで、同じ3区を走った際に後半に失速してしまったことを反省し、今年は、入りで飛ばしたい気持ちを抑え、最後まで想定タイムを刻む走りができました。

――― タスキを受けた直後に好調なNTT西日本の松崎咲人選手に追いつかれましたが、大きく引き離されず、7秒差で4区の井上大輝選手へタスキを繋げました 

 追いつかれることはあらかじめ想定していました。追いつかれた場合、追いついてきた選手について行く作戦と、自分のペースを守って余力を残しながらタイミングを見て追いつき追い越す作戦があるのですが、今回は、相手の選手の動きが軽やかで調子が良さそうに感じたので無理してついていくよりも・・と後者を選択しました。結果、大差をつけられずにタスキをつなぐことができましたが、今思えば、もう少し踏ん張りを見せたかったかな、少し慎重に行き過ぎたかな、とも思います。

――― 入社3年目、4年目はケガで満足に練習が積めなかったところ、5年目の昨年は、ようやく本格的な練習に取り組めるようになってきたとおっしゃっていました。6年目の今年の調子はいかがですか 

 昨年途中からケガの不安要素がなくなり、ベースができた状態で練習を積めて量も増やせたことで7月には5000mで自己ベストを更新でき、とても良い状態です。シーズン前から5000mと10000mで自己新を狙っていただけに、順調にきていると思います。この調子で10000mでも自己新を狙いたいと考えています。

――― ケガから完全復帰できた要因は、何でしょうか 

 練習前やレース前の入念な準備、そしてフォームを変えたことだと思います。以前は、ふくらはぎを使い跳ねる感覚で走っていたのを、現在は足全体を使うよう意識しています。うまく蹴り出せるようになってストライドも伸びましたし、アキレス腱への負担が減ったように感じており、うまくハマったのだと思います。

――― ニューイヤー駅伝での坂東選手の走りに期待が高まります。意気込みを教えてください 

 前回は21.9キロと最長区間である2区を任されました。前を走る選手とはすでに約20秒差がついた状態でしたが、焦ってペースを乱すことなく落ち着いて前を追えた結果、区間19位という走りができました。そのような走りができて自信がついているので、そこは、今年も徹底したいと思います。
 僕はハーフマラソンが一番得意なので、今回も2区を任されれば、自信を持って先頭を追って最後まで勝負したいと思っています。全体を通じて序盤でのリードが大事になってくるので、1区でからの流れに乗って、さらにリードを作る走りをしたいと思います。

――― 応援してくださっているみなさまへ、メッセージをお願いします。 

 今年は関西地区4枠という厳しい条件の中、3位でニューイヤー駅伝出場を勝ち取ることができてホッとしています。チーム全体が「何としても出場を」という強い緊張感から解放され、さらに良いムードです。ニューイヤー駅伝のコースは得意なので、上位を狙って応援してくださる皆さまにワクワクしていただける走りをお見せしたいと思います。