第65回 関西実業団駅伝大会で辻村公佑選手は、入社以来4年連続となる6区を走りました。5区の西研人選手が、6位からニューイヤー駅伝出場圏内の5位へ順位を上げタスキを受け取りました。その時点での6位大阪府警とは50秒差でしたが、辻村選手から7区髙畑凌太選手へタスキを繋いだときは、1分30秒差とさらにリードを広げ、2年ぶりのニューイヤー駅伝出場を確実なものにしました。本大会でのレース運びや、ニューイヤー駅伝にかける思いを聞きました。
――― 関西実業団駅伝大会でのご自身の走りを振り返ってください
僕の時は、前後のチームとはかなりのタイム差があったので、完全に一人旅となりました。それにしても、当日は陸上人生で経験したことがないほどの大雨で、視界が悪かったうえに雨で濡れた身体がどんどん冷えていったので、正直、かなり辛かったです。
はじめは区間自己ベストだった昨年と同等以上のタイムを出すつもりでラップを刻んでいましたが、5km付近で寒さから身体が思うように動いていないと感じてからは、「6位とのリードを保ちつつ、しっかりタスキをつなぐこと」に気持ちを切り替えました。

――― 待機中にもレース情報が入っていたと思いますが、展開をどのようにご覧になっていましたか

2区で6位に落ちてからも、5区の途中まで6位のままとは予想以上の苦戦で、自分にタスキが渡るときにはどのような状況になっているか予測がつきませんでした。このままだと自分が走る区間が勝負どころとなるかもしれないなと思いました。その後、5区の西選手が5位に上がりリードを作ってタスキを渡してくれたので、実際は落ち着いてレースに入れました。
ただ、昨年のこともあるので、ゴールテープをきるまでは安心は禁物という教訓から、西選手が作ったリードに甘んじず、1秒でもリードを広げて7区へタスキを渡そうと思いました。特に、今年は新人の髙畑選手でしたから、少しでも余裕を持たせたい、という気持ちでしたね。
――― 今季は、1,500、5,000、10,000mでそれぞれ自己ベストを更新、8月下旬には北海道マラソンにもチャレンジと、充実したシーズンを送っていますね
トラック競技で結果を残してスピードを付けて関西実業団駅伝大会に臨みたいという思いで、今季を過ごしてきました。ここまでは順調でしたが、北海道マラソン後は、思った以上に体内の疲労が抜けず、調整が遅れたことで、少し焦りを感じました。駅伝大会には何とか帳尻を合わせられたものの、自分の走りには納得はしていません。ただ、そういった不測事態や悪天候の中でのレースだったことを思うと、5位をキープしリードを広げた走りは、最低限の仕事ができたのかなと感じています。
――― 現在の調子はいかがですか
12月4日に行われた第47回熊本甲佐10マイル公認ロードレース大会に出場し、自分なりに良いタイムが出せました。マラソン出場以降、ようやく自分らしい走りができたことと、10マイル=16.09キロは、僕が前回ニューイヤー駅伝で走った5区の15.9キロとほぼ同じ距離で、その意味で今回の結果は、元旦へ向けて良い自信になっています。
――― ニューイヤー駅伝での意気込みを聞かせてください
2年分の思いを込めて、チーム一丸で最高順位を更新できるよう頑張ります。当日走るメンバーや担当区間は現段階では未定ですが、僕自身の前回の経験を踏まえていえば、前回出場では5区を任され、区間6位という好成績を残せました。予想以上のタイムでしたが、一度出したからにはその上を目指し、区間5位を狙っていきたいと思います。