辻横 浩輝 選手

第65回 関西実業団駅伝大会で、大阪ガスは6位と苦しいレース展開の中、脅威の追い上げを見せた4区辻横浩輝選手。3区野中優志選手からタスキを受けた時点で前を走る大阪府警とは40秒近くあった差を12秒差にまで縮め、5区西研人選手が5位へ浮上するきっかけを作りました。辻横選手の力走が、2年振りのニューイヤー駅伝出場を決める原動力となったのは間違いありません。

――― ご自身のレースを振り返ってください

ニューイヤー駅伝に出場するには、5位以内が必須です。野中選手からタスキを貰った時、前を走る大阪府警と36秒差あり、思った以上に離されていると思いました。36秒差というと約200mの距離があって、前を走る選手の姿は見えません。姿が見えないというのは、追う側からすれば非常に不安で苦しいし、現状のままで5区にタスキを渡せば後半区間が今以上に苦しくなるのは目に見えていたので、とにかく前を追わなくてはとオーバーペースで入りました。中間の5kmあたりで、大阪府警のランナーの背中が大きく見えてきて、かなり差を詰められている手ごたえを感じました。
欲を言えば、5位に上がりたかったですが、前半のオーバーペースがたたり、後半はもうひと伸びできませんでした。あとは西選手が何とかしてくれると、託しました。

――― 昨年は、ゴールテープ目前で6位後退という悔しい結果となりました。それを教訓に今年活かしたことは何ですか

いつも僕は4区を走り終えた後、アンカー区間のラスト1kmあたりで応援に回っていました。昨年のアクシデントは、その後に起きました。アンカーという順位が決定する区間だけに、後ろのランナーに追われるプレッシャーから最後の最後に体が思うように動かなくなるというのもアクシデントの原因の一つだと思いました。
ランナーは前との差はわかっても、後ろへのリードが把握できず、背中越しの歓声の大きさに敏感になるなど、常にプレッシャーを感じながら走っています。そこで、今年は、中間地点にも応援を置いて、「後ろとの差は十分ある」など情報を伝えて、少しでもストレスを軽減できる対策を講じました。また、日頃の全体練習でもプレッシャーに負けない走りができるような練習に取り組んできました。

――― 対策がはまり、見事、ニューイヤー駅伝出場権を得た今年の関西実業団駅伝大会をキャプテンとしてどのように振り返りますか

ここ数年、1,2区で出遅れ、3区の野中選手で順位を上げて後半もそれをキープするという流れでした。今年も2区で6位に下がりましたが、野中選手で挽回できる…と予測して待機していたのですが、いつものような展開にはなりませんでした。でも、そこを全員がカバーする走りを見せました。これまでチーム全体で、力のある野中選手に頼っている部分がありましたが、今まで以上に、一人ひとりが「自分が順位を上げるんだ」、「自分が1秒でも差を広げるんだ」という意識で走れたように感じます。苦しいレースとなり5位という結果に終わりましたが、これからニューイヤー駅伝へ臨むチームにとっては、この展開が功を奏したように思います。

――― 2年振りのニューイヤー駅伝へ向けて、意気込みを教えてください

陸上部が日頃活動できているのは、みなさまのサポートのおかげです。言葉に言い尽くせないほど感謝しています。結果で感謝を示さなければと思っていたところ、2年ぶりに元旦に雄姿をお見せできることとなり、ホッとしています。僕自身も、「またこの場に帰ってこられた」と思いでワクワクしています。
実況中継で大阪ガスの名を何度も呼んでもらえるように、そして、少しでも画面に映し出してもらえる走りをしたいと思います。日本人単独チーム1位を死守すること、全体の順位も一昨年の12位を一つでも上回れるよう頑張ります。大阪ガスへの応援をよろしくお願いします。