世界陸上2023

大会を終えて坂井隆一郎選手のコメント

いつも応援いただきありがとうございます。
今回の世界陸上は100mでは10秒22で予選敗退でしたが、4×100mリレーでは5位入賞する事が出来ました。
個人的には残念な結果となりましたが、リレーでは入賞する事ができ大変うれしく思います。来年のパリオリンピックに向けてこれからまた頑張っていきます。
引き続きご声援よろしくお願いいたします。

坂井隆一郎選手が2年連続100m、4×100mリレー日本代表決定!

またもやってくれました! 大阪ガス陸上競技部、坂井隆一郎選手が、2年連続で世界陸上100mと4×100mの日本代表に選ばれました。昨年のオレゴン世界陸上出場から1年、今年は日本選手権で初優勝を遂げ、さらに磨きがかかります。世界陸上2023 ブタペストも期待できそうです。坂井隆一郎選手に大会に臨む意気込みと、今年からコーチに就任した江里口匡史コーチに坂井選手への期待を聞きました。

「9秒台、メダル獲得、そしてパリ五輪へつながる走りを」
世界陸上2023ブタペスト 出場へ向け意気込み 坂井隆一郎選手

念願の日本選手権で見事優勝、7月のダイヤモンドリーグ ロンドン大会では4×100mリレー優勝に貢献、今季世界記録タイを出すなど、現在、ノリに乗っています。2度目の出場となる世界陸上2023ブタペストでの走りがとても楽しみです。

――― まずは日本選手権での100m優勝、おめでとうございます。優勝インタビューでの涙が印象的でした

 ありがとうございます。優勝できた安堵から涙が溢れました。確かに調子が良く当日まできていたので優勝を狙っていたのですが、実は大会の2日前に、何の前ぶれもなく突然アキレス腱が痛くなり万全ではなかったのです。大会期間中の4日間はずっと不安と戦っていました。棄権も頭をよぎるほどの状態のなかで、走り切れたことと優勝できたことに心からホッとして、思わず涙が溢れました。

坂井隆一郎選手

――― 昨季に比べて、走りの面で成長したところはどこでしょうか

 レースの中盤以降も強くなったところです。僕の場合、スタートから中盤まではリードしていても、海外選手にだと60m辺りから追いつかれ終盤に抜かれることが多かったのですが、それは微妙な失速が原因でした。微妙な幅ですが、中盤以降に序盤よりも歩幅が狭くなる、足が下がるなど、動きが落ちることで失速します。同じ動きでどれだけ長い距離を走れるかが大事で、冬場にしっかりトレーニングしてきました。その甲斐あって、昨季は60mほどだったのが今季は70mくらいに伸びていると思います。

――― 昨夏から日本を代表する選手となって一年、心境の変化やプレッシャーはありますか

 どれほど好成績を残しても受けて立つつもりはありません。その時点で成長が止まってしまうからです。どの試合にもこれまで通り、常にチャレンジャーであるつもりで臨むようにしています。中高大時代は伸び悩み、成績を残してこられなかった自分にとっては、注目や期待されることは喜びです。プレッシャーよりむしろ力になります。

――― 昨年の世界陸上ではじめて世界の選手と戦った印象はいかがでしたか

 自分の力が海外で思った以上に通用する、もっと練習を積めば互角に戦えるという手応えを感じた一方で、海外選手の凄さも感じました。準決勝に勝ち進んだ時、トップ選手たちが予選の時とはまるで違う雰囲気だったんです。なんというか、ものすごく冷静で、一段階ギアを上げた感じがしました。準決勝ですでに一杯いっぱいの自分にはそんな余裕がありません。『これは全力を出し切っても決勝には上がれないだろう』と思いました。トップ選手の強さを見ました。実力ある選手は、予選、準決勝、決勝とそれぞれの走り方ができる分、余裕があります。出場したからこそ実感できたことで、表舞台を知らないときにはわからなかったことですが、それを知ったからこそ、もっともっと力を付けたいと思いました。

――― 2回目の出場となる今大会での目標を教えてください

 今の自分がどれだけトップレベルに近づけたのか、チャレンジャーの気持ちを忘れずに戦ってきたいです。そのうえで、昨年の準決勝進出を上回る決勝進出を目指し、9秒台の記録を狙っていきたい。なによりパリ五輪出場へつながる大会にしたいと思っています。

――― 応援しているみなさんへ、世界陸上への意気込みをお願いします

 今年はスタートだけでなく中盤から終盤へも良い走りができているので、全体のレース運びを観て下さると面白いと感じてもらえると思います。頑張ります。ゴールする瞬間まで応援していただけると嬉しいです。

江里口匡史コーチへインタビュー

江里口匡史コーチは、今年1月に大阪ガス陸上競技部短距離コーチに就任。大阪ガス陸上競技部に所属していた選手時代には、日本選手権男子100mで4連覇を果たし、ロンドン五輪4×100mリレーで4位入賞など、数々の実績をつくりました。18年に引退してから4年半ぶりに陸上の現場へ復帰、選手をサポートしています。

――― 4年半ぶりに陸上界へ復帰ですね

江里口匡史コーチ

 引退後は、たまに陸上イベントに参加することはありましたが、基本的には社業に専念し、一歩引いたところから陸上を見させてもらっていました。今回のコーチ就任については、手をあげたからといって誰もがさせていただけるものではありませんので、非常に光栄なことだと思っています。

――― 久しぶりに戻った大阪ガス陸上競技部の雰囲気はいかがですか

 私がいた頃と変わりません。先輩である、朝原宣治さんや小坂田淳さんたちの姿を私たちも追いかけていたわけですが、今も、日本の代表として世界で戦うというマインドを持った選手たちが頑張ってくれています。加えて、一社会人として社会に発信する能力もきちんと身につけているので、素晴らしい後輩たちがいるな、と感じました。

――― どのようなコーチ像で現場に臨んでいますか

 最終目標は、世界レベルを目指すことですが、選手たちときちんと対話して、目標の共有、選手個々の良さをもっと引き出し、選手が目指しているものを後押しできるようにと考えています。コーチングというかマネジメントするという感覚で、選手が競技に専念できるように、彼らの横もしくは後ろに立ってサポートしていきたい、そんな思いです。

――― 江里口コーチから見た坂井選手はどのような選手ですか

 安心して見ていられます。彼の何が凄いというと、狙った大会でタイムや成績を出すところですね。凄く良い状態で陸上ができている証です。また、国内外の選手関係なく実力を発揮できるのも強みです。特に、世界陸上のような国際大会に日本代表として出場する場合、日の丸を背負うプレッシャーたるや相当なものです。テレビ画面には、何事もなく集中した表情で競技場へパッと入ってきてサッと走ってスッと帰っていく様子だけが映るので、誰もが簡単にできることのように見えますが、選手はそこに至るまではかなり精神をすり減らしています。その中で、海外の強い選手と肩を並べて、最高のパフォーマンスをしなければならないわけで、当たり前にできることではありません。が、彼にはそれができているのですから素晴らしいと思います。

――― 世界陸上2023 ブタペストでの坂井選手は、どのようなレースが期待できそうですか

 スタートから中盤までのスピードが世界レベルであることはご存じの通りですが、今年は中盤から終盤にかけてもスピードが落ちない走りに注目して下さい。4×100mリレーでは、1走としての走りそうなのですが、チーム内で潤滑油として動ける人間性で中心的存在であることをぜひ知って欲しいですね。7月に行われたダイヤモンドリーグロンドン大会に同行していましたが、坂井選手の他の選手への声掛けや気遣いで日本チームが一つになれたように見えました。日本が今季の世界記録タイの37秒80が出せたのは、そこも大事な要素だったと思います。世界陸上でも、日本チームを表と裏から上位へ牽引する姿にも期待しています。

タイムテーブル

タイムテーブル
日付 日本時間 種目 結果
8月19日(土) 26:43 男子100m 予選 10秒22(4組5着)
予選敗退
8月25日(金) 26:30 男子4x100mリレー 予選 37秒71(1組3着)
決勝進出
8月26日(土) 28:40 男子4x100mリレー 決勝 37秒83 5位

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