対象とした家族モデルに対応した平面プランを検討しました。赤いラインは、鍵をかけることによって、
住宅内に訪れる第三者(サービス業者や事務所スタッフ)が行き来できない「プライバシーライン」を示しています。
住まいにおける豊かな居住文化を継承・発展し、次世代に伝え、さらに環境への配慮も実現する環境調整空間を検討しました。環境調整空間とは、外壁のダブルスキンの間の空間と、これと接する外部空間を指します。日本の伝統的な住居の縁側空間のように、内と外、人と自然、家とまちをつなぎ、関係づけ、半屋外における豊かな生活・居住文化を継承する空間としました。そして複数の建具等で断熱性を確保し、室内の温熱環境を調整することも目指しました。
第4フェーズでは、住戸と外部空間、住棟と地域との関係性について、新たな提案となる住戸をめざし、中間領域の居住実験を行います。
一つには、私的な空間である住戸と共用部の間に中間領域となる部分を設け、そこでのアクティビティが人と人とのつながりを創出することを期待するものです。また、外部空間の豊かさを住戸内に取り入れ、空調に頼りすぎない生活を実現します。
もう一つは、住棟と地域の間に中間領域を設け、地域にも開いた空間として様々なアクティビティを行う場とします。居住者同士、または居住者と地域住民、あるいは地域住民同士のつながりを創出しようというものです。
人と人とのつながりを創出
- 305住戸
- 自宅で放課後クラブに類する活動をする妻と、夫・子供が暮らす家を想定し、自宅の中にありながら、外部空間と親和性のある空間に子供たちが集まり、居場所を見つけ出す居住実験を実施します。
- 403住戸
- 定年退職した夫と元料理講師の妻が暮らす家を想定し、自宅の中に料理教室を開催できるキッチンと外部空間につながる食事室のある住戸に人々が訪れ、交流するような居住実験を実施します。
外部空間の豊かさを享受
住棟と地域をつなぐ試みとして交流室を設け、コミュニケーションを促進する実験を実施します。住民だけでなく、これまでも活動を続けていたU-CoRo(上町台地コミュニケーションルーム)もこの交流室を活用し、地域とのつながりを創出します。