大阪ガス実験集合住宅 NEXT21

住まい・住まい方実験 第4フェーズの新たな試み 305住戸 余白に棲む家

アクティビティを受け容れる住まいの余白

少子高齢化や世帯構成の変化、情報端末機器の細分化と拡充により、多様でインタラクティブなネットワークが急速に進行し、都市生活者のアクティビティは、物理的な空間を飛び越え、社会との繋がりを模索している。都市の生活において「住まい」に対する意識が希薄になっているように見えるが、一方では家族という枠組みを超え、都市という場所性を活かしたコミュニティ形成やシェアリングを誘発する有効な拠点として「住まい」という場所が再認識されつつある。305住戸では既製の社会、都市、建築といった枠組みとの間に生じたズレやスキマを、住まいの「余白」として残すことで、他者や様々な生き物との本質的な共棲住居をつくりだした。「余白」とはまっさらな空間ではなく、必要な機能に切り取られて生まれた適切なスケールがあり、そこにもたらされる自然環境が深く関わり、不均質な場の力を再現した空間のしつらえがある。NEXT21が今日まで実践してきた緑の回廊・立体街路の構成は共用部に止まらず、「外土間」や「内土間」となって住戸内へと積極的に引き込まれ、光・風・緑と共に自然との共棲関係に適切な間合いをもたらすよう、「余白」は住まいに重ね着をするように構成されている。そこには自然の機微に対し敏感に適応しながら、住まい手が本当の豊かさと心地良さを手にし、『素のままで美しく暮らす』姿が見えてくるであろう。

竹原義二/無有建築工房

内土間1より間室・外土間を見る

ウチとソト/ズレと間合い

様々なカタチをもつ「室」が入れ子状にズレながら点在し、「余白」として残された多様な「土間」空間としておおらかな一室空間を形成する。「余白」は空間を重ね着するように「ウチとソト」を曖昧にし、「間合い」をもたらす。

曖昧な境界・意識的な結界/素材

「ウチとソト」「室と土間」には様々な床レベルと素材があてがわれ、曖昧に連続しながら意識的な結界が結ばれる。入れ子状の壁、垂壁や天井の構成により空間のスケールが視覚化され、柱や窓に透かされた懐の深い空間が生まれる。

不均質に揺らぐ余白/廻遊式住居

「室」と「土間」はネガとポジの関係をもち、光と影に移ろう素材・色彩・テクスチュアが不均質で揺らぎのある空間を満たす。その合間を抜けながら、四季折々の心地よい居場所を見つけ出し、豊かな「廻遊性」がもたらされる。

ページトップへ

このページのトップへ戻る