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大阪ガスは、「いただきます」で育もう。をスローガンに、食育活動に取り組んでいます。

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小夏の思い出

 皆さん、小夏(こなつ)をご存じでしょうか。グレープフルーツのような色合いで、それより二回りほど小さな柑橘(かんきつ)類です。ここ数年は近くの店舗でも見かけるようになったので、私には「名前と味が一致する」ものでした。先ごろ、その産地の高知を訪れました。小夏の旬は4月〜6月いっぱいだそうで、宿の朝食でも供されました。

 柑橘類の食べ方はおおざっぱに言えば、ミカンのように薄皮の中のつぶつぶ(果肉)を食す、ユズのように果汁を調味料に、またはキンカンのように種以外をすべて食す、のいずれかだと思っていました。そのため以前に小夏を購入した際は、ミカンと同様に外皮と白い甘味皮を外し、果肉だけ食べました。果肉の外側の袋が薄く華奢(きゃしゃ)なため甘味皮を取るときに破れてしまうので、「おいしいけれど食べづらいもの」と思っていました。

 宿では、小夏は食べやすく斜めにそぎ切りにされていたので、スタッフの一人に切り方を教えてもらおうと声をかけました。話すうちに、切り方に秘密があるどころか、実は「一番おいしい白い甘味皮を夏ミカンなどと同様に残してしまっていた」ことが分かり、「白いところが一番おいしいのに」「もったいない」と口々に言われました。「甘味皮を一緒に」の注意書きを見落としていたのです。

 「お土産にしたい」と話し込んでいると、宿からそれほど遠くない青果店を薦められ、「宿で自転車を借り、地図をもらってすぐに出かける」というプランがあっという間に決まりました。あの時声をかけていなければ、おいしい食べ方を知らないまま、翌日の朝市ではたくさんある店のどこで買うのがいいのか迷っていたかもしれません。

 旅から戻り、「ぜひ、甘味皮ごと」と友人たちに配り、自分も食べながら旅先で出会ったふれあいの温かみを思い出し、楽しんでいます。小夏は私の訪れた土地の思い出と、出会った人の親切さの思い出になりました。今年の夏休み、皆さんにもそんな出会いがありますように。


出典:大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所 研究員 三島 順子
毎日新聞 大阪本社 夕刊 2014.8.1掲載

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