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大阪ガスは、「いただきます」で育もう。をスローガンに、食育活動に取り組んでいます。

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外圧で伝統的日本文化が復権?

都が奈良から京都に移って100年が過ぎる9世紀頃から、それまで大陸からの輸入文化が大宗を占めていた日本に、初めてオリジナルの国産文化(=国風文化)が広まり始めました。この時期に漢字→ひらがな、漢語→やまとことば、漢詩→やまとうたなど、その後の日本文化の基盤をなすものが揃います。また「クールジャパン」輸出戦略の先兵となっているアニメの源流ともいうべき絵巻物が作られ始めたのも、ほぼこの頃のようです。
遣唐使の廃止によって大陸文化の流入が減ったことが原因の一つと言われますが、7世紀末からおよそ400年続くことになる平安時代のいわば1周目から2週目に入るこの時期、日本の社会が初めてある種の落ち着きを持ち始めたことも手伝っていたのでしょう。

爾来1100年にわたり、間に200年以上続く鎖国の時代はあったものの、アジアや欧米の文化を取り入れ、交じり合いながら今日の日本文化が形成されてきました。ただ、明治以降の140年余は、圧倒的な洋風化・欧米化の勢いの前に伝統的な日本文化は片隅に追いやられ、専門家や一部の愛好者だけのものになってしまいつつあります。
しかし変化の兆しも感じられます。そしてそれをもたらしているのはどうやら「よそ者」「わか者」のようなのです。

祇園祭

この夏、何度か京都を訪れました。祇園祭では49年ぶりの後祭りの復活や150年ぶりの大船鉾の復元が話題を呼びましたが、そんなイベント以外でも、浴衣姿で路地を散策する若者が増えているのに目を見張りました。そしてそれ以上に増えているのが、洋の東西を問わず、世界中から古都の光を観ようと集まった外国人です。
京都では、早くから都市景観保護の政策が進められてきましたが、その成果である美しい街並みが、若い女性たちの華やかな浴衣や外国人観光客のさまざまな肌や髪の色をくっきり浮かび上がらせ、ますます街の魅力が増しているように感じます。
街角の飲食店では箸を器用に操ってUDONやRAMENを食べるフランス人の家族連れに出会い、京町家を改装したゲストハウスの格子戸から、頭をぶつけないように屈みながら出てくるイタリア人の若いカップルも見かけました。

米国の旅行雑誌の読者投票で観光都市ベスト1に選ばれたことで、京都への外国人観光客はさらに増えるでしょうが、リピーターの中には第二の京都見つけようと周辺へ足を延ばす者も出てきます。一方、日本は熊野古道や四国八十八ヵ所霊場、富士山など、人と自然、聖なるものとの交流を今に伝える歴史・文化的遺産にも事欠きません。和食や温泉湯治などの伝統的な生活文化も、海外からの観光客にはアニメやゲーム、ロボットと同じように「クール」と映り、日本文化の多様性として評価されるのではないでしょうか。それに刺激されて(外圧に弱い)日本人自身が自らの伝統文化を見直し、再評価する気運が高まるのは大いにあり得ることだと思います。

折しも少子高齢・縮小社会の到来、地方の消滅など、50年後、100年後を見すえた国、社会、コミュニティのあり方について議論が始まっています。「よそ者」に触発され、「クールジャパン」が伝統文化を包含して「新・国風文化」に進化すれば、観光立国、文化立国を目指す成長戦略としてだけでなく、私たちのライフスタイルを見つめ直す契機を与えてくれるかもしれないと思うのです。


出典:大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所(CEL) 「連載コラム」より
筆者 木全 吉彦

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