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ENTERPRISE FUTURE
リチウムイオン電池開発の最先端で「ET革命」実現の一端を担う

エネルギーと環境問題の解決に向けて。

エネルギーと環境問題の解決に向けて。

──吉野先生とKRIのそもそものつながりは?

木下 KRIにエネルギー変換研究部ができたのは1998年。2012年に亡くなった矢田静邦氏が創部しました。この矢田氏と吉野先生が「新しい蓄電池」の開発について意気投合し、共同研究に取り組み始めたのが2000年頃で私もこの研究の輪の中におりました。2012年からは、リチウムイオン電池の技術トレンドを紹介するワークショップをKRIが主催するにあたり、吉野先生にはそのコーディネーターとしてご協力いただいています。

KRIには、受託研究をしている関係で、各クライアントが抱えるさまざまな課題が集まってきます。リチウムイオン電池開発のトレンドをつかむために欠かせないそれらの情報に、吉野先生の知見と人脈を合わせると、大きな発信力となります。その発信力を用いて、約250社400名が参加するワークショップを実施しているというわけです。電池関連会社のマネージャークラスがこれだけ集まるワークショップは国内随一といっていいのではないでしょうか。

そういったかたちでつながりを深め、吉野先生には2015年からKRIの特別顧問に就任いただいております。


──吉野先生の提唱する「ET革命」とは?

木下 電気は、数あるエネルギーの中で最も使いやすいものとされながら、「貯められない」という欠点を持っていました。リチウムイオン電池は電気を蓄える最適かつ最高性能のデバイスであり、そうした特性によって実現されるのが「ET革命」なのです。

最もわかりやすい例が、クルマの世界です。大型のリチウムイオン電池を搭載したEV(電気自動車)は、それ自体が蓄電機能を備えているため、災害などの緊急時に電源として活用することが可能です。さらに、AI(人工知能)を備え、完全自動運転ができる、吉野先生が提唱する「AIEV」が登場すれば、EV自身が電気を蓄え、求められる時に自動的に充放電するという巨大蓄電システムとして機能する未来も描けます。そうなると、現在再生可能エネルギーの弱点とされる不安定な発電量も問題ではなくなります。

「電気を貯める」ことができるリチウムイオン電池は、やがて私たちの日常にそうしたドラスティックな変化をもたらし、同時に、いま私たちが抱えている地球環境問題に対する一つの有効な答えにもなりうる、そんな可能性を秘めています。それこそが、吉野先生の思い描く「ET革命」です。

関連リンク

吉野先生監修のもとKRIが作成した、「ET革命」を分かりやすく解説している動画です。是非ごらんください。

トレンドをつかみ、発信し、生かす力。

トレンドをつかみ、発信し、生かす力。

──そうした未来予想図に向けて、KRIが果たすべき役割とは?

木下 リチウムイオン電池の市場はここ5年間で約2倍に伸びました。これにEVの普及が加われば、市場はさらに3、4倍にもなるでしょう。ところがこうした市場の伸びに対し、蓄電分野では技術者が不足しています。KRIでは、その「ヒト(技術者)」に加え、「技術」、「モノ(設備)」といった研究リソースを「受託研究」というかたちで補填することによって、クライアントが蓄電池開発において高いハードルを超える際の、支えとなる役割を担っていると自負しています。





西島 受託研究では何より信用が大切です。信用とは、正しい方向性の良い研究成果を継続してアウトプットすることによって築かれます。特に重要なのが、この「正しい方向性」であること。せっかく研究開発しても、その方向性が電池開発のトレンドからはずれていては意味がありません。そのため、定期的に吉野先生とディスカッションしてトレンドを見極め、ワークショップやニュースレターにおいても最先端のトレンドをふまえた内容で情報発信しています。

また、KRIでは毎年「リチウムイオン電池開発ロードマップ」を更新して発表していますが、こうしたマップを作成できること自体、当社が業界を俯瞰できるリアルな情報を保有している証だといえます。

このように情報を発信する一方で、トレンドをしっかりおさえた受託研究を行うことにより、「ET革命」実現の一端を担う役割を果たしたいと考えています。

海外展開、そして次世代電池開発へ。

海外展開、そして次世代電池開発へ。

──これからの取り組みについては?

木下 昨今、ヨーロッパや北米の企業がリチウムイオン電池の開発に本気で取り組み始めています。そのサポートをKRIでできないかとチャレンジしているところです。現在、事業売上の約10%を海外クライアント案件が占めており、さらに伸ばしていきたいと考えています。


西島 2020年4月28日にドイツのシュトゥットガルトで開かれる、ヨーロッパ最大級のバッテリーショーに、KRIも出展する予定です。当社に関心をお持ちの方はぜひ足を運んでいただければと思います。

あと、私はKRIの次世代電池研究室長も兼務しており、こちらの研究室では次の世代に向けた電池の研究開発を手がけています。リチウムイオン電池はまだまだ謎が多いのですが、AIを活用しながら、クライアントと一緒になって地道に取り組んでいます。


──リチウムイオン電池の開発にかける想いは?

木下 私はもうかれこれ35年、リチウムイオンキャパシタ・電池の開発に携わっています。最初はモノが何もなかった時代で、それがやがて製品化されて世に出て、今は国内生産数15億個を数えます。このように自分の仕事の成果をはっきりと目にすることができ、こんなにうれしいことはありません。これから、次の成果に向けてさらに貢献していきたいと思います。


西島 私は主に材料開発に携わっているのですが、電池開発の考え方のヒント創出にわずかながら足跡を残せた点では、うれしい限りです。先ほども言った通り、リチウムイオン電池についてはまだわからないことがたくさんあるのですが、その謎を解いていくおもしろさを実感しながら、これからも開発に勤しみたいと考えています。

関連リンク

KRIではリチウムイオン電池だけにとどまらず、お客さまのニーズにあわせて様々な技術分野でのお困りごとを解決する受託研究を展開しています。下記のサイトから是非KRIの持つ技術に触れていただき、課題の解決にお役立てください。
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