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ENTERPRISE FUTURE
革新へ向けてスタートダッシュ

枠を超えるイノベーションを目指して。

──「イノベーション」をその名に持つ新しい組織が創設されました。

金澤 大阪ガスは2018年3月8日に、新しいグループブランドとして「Daigasグループ」を導入しました。そのコンセプトは「革新を、誠実に」で、そこには全社的にイノベーションを推進していくという背景があります。その牽引役としての役割を果たすべく創設されたのが、「イノベーション本部」です。

ミッションはずばり、既存事業の枠を超えた新たな商品・サービス・ビジネスを創出すること。昨今、デジタル化などITの急速な進展がさまざまなビジネスモデルの実現を可能にする中で、ビジネス化の加速がますます求められています。イノベーション本部では、そうした環境変化にスピーディかつチャレンジングに対応する、枠を超えたビジネス変革によるイノベーション(新たな価値創造)を目指します。

組織としては、Daigasグループの技術戦略(知財を含む)の立案とビジネスインキュベーションを推進する「イノベーション推進部」、基盤技術研究を担う「エネルギー技術研究所」、IT・データ分析を手がける「情報通信部」の3部で構成され、これら3部の連携を強化することによってミッションを達成していく考えです。

エネルギー技術の領域からサービスの領域へ。

──具体的には、どのような取り組みを展開していきますか?

金澤 大きくは2つあり、まず1つめが「オープン・イノベーションの深化」です。Daigasグループではこれまでもオープン・イノベーションに取り組んできており、社内に足りない技術ニーズを公開し、広く社外に求めるマッチング活動を2009年度から実施しています。累計で5,500件以上の技術シーズの提案を社外から受け、公開した技術ニーズの約5割について、技術の採用や共同開発等につなげる等の成果も上げています。今後はさらにその領域を広げ、お客さまの潜在ニーズを発掘して新しいサービスを創出する活動においても、社外との連携を強化していこうと考えています。


──エネルギー技術の領域からサービスの領域へ。

金澤 そう広げていきたいですね。Daigasグループは家庭用と業務用両方の「サービスの現場」を持っていますが、そこだけで完結しては提供できるサービスも限られてしまいます。そのため、他社さまが持っている「サービスの現場」とうまくつながることによって、そこにもDaigasグループの提供するサービスが自然とビルトインされているようなビジネスモデルをかたちにしたいと構想しています。

一方、活動領域は国内にとどまらず、米国・シリコンバレーでも取り組みを進めています。2017年度から現地にオフィスを設け、さまざまなスタートアップ企業と接触して有望な協業先を探索していますが、2018年度からは現地駐在員を派遣し、活動をさらに強化することによって、協業先とともに共同プロジェクトの立ち上げまでこぎ着けたいと考えています。

そのほか、国内のスタートアップ企業や海外ベンチャーなど、新規性の高い技術やビジネスアイデアを持つ先との連携も積極的に模索しています。

お客さま自身も気づいていないニーズをつかむ。

──もう1つの具体的な取り組みとは何でしょうか?

金澤 「基盤技術・ITの活用」です。まずはAIやIoTを用いることによってガス機器の付加価値を高める取り組みを、さらに進めていきます。すでに、IoTを用いた家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファームtype S」等の遠隔見守りサービスを始めていますが、今後はガス機器周辺にとどまらず、暮らしのオートメーション化が進む中で、お客さま自身も気づいていないニーズをつかみ、私たちDaigasグループだからこそ提供できる新しい価値の創出へとつなげていきたいと考えています。

また、基盤技術という意味では、エネルギー技術研究所で進めている基盤技術研究の活用はもちろんですが、情報通信部が有するデータ分析技術の活用にも着目しています。エネルギーの需要予想やエネルギー使用量の見える化といった分析をずっと手がける中で培った技術的な強みを、ガスを超えた領域での新しい価値提供に結実させることはできないか。これはまだまだこれからのチャレンジにはなりますが、そうした構想も持っています。

もちろん、Daigasグループのリソースだけでは限界があるので、ITに強いベンチャー企業との協業が求められるでしょう。といったことで、「オープン・イノベーションの深化」と「基盤技術・ITの活用」、両方をうまく関わり合わせながらイノベーションを推進していく必要があると考えています。

「共創したい」「選択したい」、
そう思っていただける存在へ。

──今後のビジョンをお聞かせください。

金澤 まずアライアンスパートナーに対しては、イノベーションの牽引役として積極的に社外へ出て行き、「Daigasグループの顔の見える化」を図っていきます。ただし、その「顔」というのはDaigasグループの企業文化だけではなく、社員たちの「顔」も含めてのこと。社外の皆さまに、「こんなにおもしろい人がいるんだな」「こんな人がやっている技術・ビジネスならおもしろいに違いない」、そう感じていただけるような「顔の見える化」を目指しています。それを実現することによって、「Daigasグループと、あの人と、一緒に共創したい」とずっと長く思い続けていただける存在になり得るはずです。イノベーションは言わば大きな賭けでもあります。そこに一緒に手をつないで飛び込んでいくには、それだけ強い信頼関係が必要になるので、こうした関係づくりも欠かせないプロセスではないかと考えています。

他方、お客さまに対しては、「Daigasグループが提供する価値なら選択したい」と思っていただける存在になること。モノやサービスがあふれる今日、お客さま自身が気づいていないニーズを発見するのは至難の業ですが、それでも可能性は無限にあると私は思っています。失敗を恐れず、その困難なチャレンジに果敢に挑んで「新たな価値」としてアウトプットすることが、お客さまに「選択したい」と思っていただける存在になるための道ではないでしょうか。

社内で有するリソースと、外部にお力添えいただくリソースとをうまく融合してイノベーションへと結実させる。イノベーション本部は、そのハブ機能を果たしながら、「未来への希望」とも言えるイノベーションをかたちにしていきたいと考えています。

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