マテリアリティについて(3/3)

  • CSRの重要な側面(マテリアリティ)の見直し
  • マテリアリティの見直しサイクル
  • マテリアリティが有効に機能するために

マテリアリティが有効に機能するために(2018年)

今回の見直し作業では、Daigasグループがいったん選定したマテリアリティを、6人の外部有識者等の専門家の方々に評価していただきました。これらの方々には、2013年度から毎年にわたって当社グループのCSR活動およびCSRレポートの評価をお願いしています。継続してご意見をいただくことで、当社グループに対する深い理解に基づいた気づきや課題が得られやすいと考えており、今後も対話を続けていきます。

CSR経営の専門家の立場から

國部 克彦さま

神戸大学大学院
経営学研究科
教授
國部 克彦 さま

GRIにおける経済報告は付加価値会計に近い概念ですが、その分配については単なる情報開示だけでなく、企業としての意思が入っていないと意味がありません。社会的価値創造は、長期的には経済的なリターンとして返ってきますので、大阪ガスが提供するソーシャルバリューが何であるかをきちんと表明していただきたい。たとえば、事業展開をしている関西地区を、中長期的に住みやすい街、仕事がしやすい街とすることで地域の価値を高めていくことなどが考えられます。

お客さまの立場から

飯田 秀男 さま

関西消費者団体
連絡懇談会
代表世話人
飯田 秀男 さま

高齢者や単身者の世帯の増加など、顧客の属性が変化するなか、引き続き安全を守るためにはどのような対応が必要か、しっかり検討すべきだと考えます。その際ポイントとなるのが、企業側だけで考えるのではなく、ステークホルダーと双方向でつくりあげる視点が大切です。たとえば、自治体(行政)との連携が考えられます。既に存在する地域のネットワークなどに、消費者課題の観点や、見守りなどのサービスをどう取り入れていけるのか、大阪ガスだからこそできることに期待しています。

環境の専門家の立場から

島田 幸司 さま

立命館大学
経済学部 教授
島田 幸司 さま

エネルギー会社として、CO2排出削減への取り組みは最も重要な事項の一つと考えます。今後、石炭火力発電事業をどう位置づけているのか、事業を継続していくうえで説明責任をしっかりと果たしていくことが重要になります。国の政策を見ながらも、社会的要請をきちんと受け止め、様々な選択肢を作っておくことが大切です。また資源原料の調達にあたっては、採掘・生産プロセスにおける環境対策や労働者の人権など現状の把握に努められることに期待します。

NGOの立場から

黒田 かをり さま

一般財団法人
CSOネットワーク
事務局長・理事
黒田 かをり さま

海外事業の展開では、買収などの手段をとることが多いと考えられますが、その場合は財務側面だけでなく、環境や社会などの非財務側面もデューディリジェンスをしていくことが重要です。海外におけるリスク管理や、地域との共存を進めるにあたっては、政府機関が持つ情報、国際的な行動基準等が参考になります。海外の、ある地域とのエンゲージメントは状況によりかなり複雑で難しいものではありますが、現状を把握されたうえで、影響を受けている人たちを含め、誰とエンゲージメントをするのか優先順位をつけて特定していく必要があります。

人権の専門家の立場から

菅原 絵美 さま

大阪経済法科大学
国際学部
准教授
菅原 絵美 さま

事業活動は必ず人権とのかかわりがあり、ゆえに自社グループおよびバリューチェーンでの人権アセスメントは重要で、その結果に基づき取り組みや情報開示を組み立てるべきです。今後、海外の取引先が増えるなかで、サプライチェーンでの人権デューディリジェンスの推進を期待します。人権デューディリジェンスは、ステークホルダーの人権尊重を目指した、サプライヤー目線での取り組み・改善が本筋です。たとえば、人権アセスメントのためのアンケート項目の丁寧な説明、サプライヤーへのグッドプラクティスの共有などが挙げられます。

人材多様性の専門家の立場から

田村 太郎 さま

一般財団法人
ダイバーシティ研究所
代表理事
田村 太郎 さま

いま国内では、労働力人口の減少や、高齢労働者、未熟練労働者による労働災害リスクが高まっています。こうした背景を踏まえ、国内のガス・電力事業における協力会社、工事会社での人材育成、労働慣行における取り組みは今後強化すべきであると考えます。高齢者や外国人でも普通に働ける環境の構築が重要です。また、ダイバーシティは、雇用の確保という観点でも戦略化すべきです。女性や外国人を現場に受け入れてもらうために何が必要か、これまでに集まったデータの分析や現場の実態把握に期待しています。