コンプライアンスの推進

取り組みの背景・考え方

Daigasグループは、コンプライアンスとは法令遵守を中心としつつ、健全な倫理感に基づく良識ある企業行動を実践することと捉えています。コンプライアンスを推進するためには、役員・従業員一人ひとりが法令・良識に従うとともに、コンプライアンスの基本である「Daigasグループ企業行動基準」を理解し、社内規程等の社内ルールに従って行動する必要があります。そのため、コンプライアンス意識の啓発や知識の定着、倫理的思考力の向上を目的にした研修や啓発活動に取り組んでいます。
また、コンプライアンスの推進は、お客さまや社会からの信頼を得るために最も重要なことであり、事業を継続するうえでの基礎であると考えています。そのため、法令違反や不正行為などの事案を早期に把握し、迅速かつ適切に対応をとる仕組みの一つとして「コンプライアンス・デスク」を設置しています。

グループ全体の取り組み

「予兆データモニタリング」

コンプライアンス上の問題の兆しを把握する目的で「予兆データモニタリング」を、Daigasグループ全体で2011年度から行っています。この取り組みは、データを洗い出し、定期的・継続的にモニタリングを行い、データの変化から違反を予見し、早期に対策を講じることで、コンプライアンス上の問題の発生を未然に防止するものです。
2019年度は、147項目のモニタリングを実施しました。

コンプライアンス意識向上へ

社内研修等の取り組み

  • コンプライアンスの推進に向けた意識向上などを目的に、各種研修や意識調査などの取り組みを継続的に実施しています。
    たとえば、倫理的思考力を鍛えるケースメソッド研修や、各組織や各関係会社(いずれも傘下会社を含む)において活動のキーマンとなるコンプライアンス推進責任者・担当者に対する「コンプライアンス推進責任者・担当者向けセミナー」、組織長クラス以上を対象とした外部講師を招いての研修会、管理者層・新入社員への階層別教育などを実施しています。これら以外にも、各組織・関係会社が主体となったコンプライアンス研修を展開することで、CSR指標として掲げているDaigasグループ全従業員の研修受講率は、目標とする100%を達成しました。
    また、イントラネットの活用等により、コンプライアンスに関する様々な情報を従業員に提供しているほか、「コンプライアンス標語」を毎年従業員から募集するなどの啓発活動に取り組んでいます(2019年度の応募作品はグループ全体で10,323作品)。
  • コンプライアンス推進責任者・担当者セミナー

    コンプライアンス推進責任者・
    担当者セミナー

グローバルコンプライアンスの推進

海外事業の展開に合わせたグローバルコンプライアンスの推進

海外でのビジネス展開を踏まえ、Daigasグループの企業理念、CSR憲章、企業行動基準、内部通報窓口の案内をまとめた英語版リーフレットをイントラネットに掲載し、従業員への周知を行っています。2019年度は、海外リスク対応として、資源・海外事業部傘下会社の実態・課題を確認しました。
2019年度は、大阪ガス独自のリスク管理システム「G-RIMS」の項目を海外子会社向けに見直したものを活用し、主要な海外子会社16社においてリスク対応状況の把握に努めました。約40のリスク項目に対して、予防・早期発見する取り組みの実行状況を点検し、リスク対応を進めています。
また、海外子会社において環境法令遵守とCSR取り組み状況の現地調査を実施しました。

「コンプライアンス・デスク(通報窓口)」

社内外からの相談・報告の受付窓口として大阪ガス、主要関係会社、弁護士事務所等に設置

Daigasグループにおける法令や社内規程等の遵守に関する相談・報告の受付窓口「コンプライアンス・デスク」を大阪ガス、主要関係会社、社外の弁護士事務所等に設置しています。グループの役員、従業員、派遣社員だけではなく、継続的にグループ各社に物品や役務を提供いただいているお取引先の役員、従業員の方々も電話・文書・電子メール等による相談や報告ができます。また匿名での利用も可能です。
2019年度は、計191件の相談・報告を受け付けました。これらに対しては、事実調査の必要性を検討したうえで、ヒアリングや証ひょう確認等を実施し、必要に応じて是正策・再発防止策を講じています。
また「コンプライアンス・デスク」に寄せられた案件に対しては、法令等の違反を是正することに加えて、必要に応じて、健全な職場環境の維持・向上を目的に、違反がない場合にも改善を行っています。

  • ■相談・報告件数
    相談・報告件数
  • ■報告内容の内訳
    報告内容の内訳

通報者の保護

「コンプライアンス・デスク」で受け付けた通報とそれに対する調査等は、通報者・被通報者の氏名等の秘密保持や通報者の不利益取り扱い禁止を明確化した「法令等遵守に関する相談・報告制度規程」に基づいて、実施しています。
なお、受け付けた通報の内容・調査結果・是正策等は、「コンプライアンス・リスク管理部会」や「ESG推進委員会」等で報告・共有化し、再発防止を図っています。

■「コンプライアンス・デスク」の仕組み
「コンプライアンス・デスク」の仕組み

「コンプライアンス・デスク」の周知

  • 「コンプライアンス・デスク」の連絡先や、利用に関するFAQを掲載した周知カード(携帯カード)をグループ従業員および派遣社員に配布したり、イントラネットに掲載、周知ポスターを刷新するなど、効果的な方法による窓口の周知と理解促進を図っています。
    また、Daigasグループの社内ポータルサイトには「コンプライアンス・デスク」の利用に関する詳細なFAQを掲載しています。
  • 周知ポスター

    周知ポスター

報告相談制度の適正な運営に向けた取り組み

コンプライアンス違反に関する相談は、ハラスメントなどの相談も含め、「コンプライアンス・デスク」だけでなく、各組織の総務担当部署に寄せられる場合も多くあります。各組織がそれらに適正に対応できるよう、新たにコンプライアンス推進責任者・担当者になった方々等を対象に、相談受付時の対応方法を学ぶための研修会を開催しています。

公正取引委員会からの排除措置命令および課徴金納付命令について

大阪ガスの子会社である大阪ガスケミカル(株)(以下、OGケミカル)は、浄水処理施設等で使用する活性炭の入札案件において、独占禁止法違反の疑いがあるとして、2017年2月21日に公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。OGケミカルは、それ以降、同委員会の調査に全面的に協力してきましたが、2019年11月22日、独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令を受けました。

  • 1.排除措置命令の概要
    地方公共団体の浄水処理施設やごみ焼却施設等での活性炭の入札において、以下を命じられました。
    • ・独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を取りやめていることを確認すること。
    • ・今後、供給予定者を決定せず、各社がそれぞれ自主的に販売活動を行うこと。
    • ・再発防止に向けて取り組んでいる措置内容について、自社を除く対象事業者や活性炭を発注する地方公共団体や取引先に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底させること など。
  • 2.課徴金納付命令の概要
    納付すべき課徴金の額:4,610万円
  • 3.対応
    2017年2月の立ち入り検査以降、直ちに違法行為を中止し、カルテル等を防止するための社内規程の整備や社内監査、独禁法教育の継続的な実施等の再発防止策を講じ、法令遵守の徹底を図っています。
    また、公正取引委員会の命令を受けて、課徴金を納付するとともに、排除措置命令に基づき取締役会にて決議を行い、その措置内容を地方公共団体、取引先に通知し、自社の従業員にも周知徹底しました。加えて、このたびの処分を厳粛に受け止め、OGケミカルの元代表取締役社長(2人)、取締役常務執行役員(1人)が月額報酬から10%を1カ月間自主返上しました。

お客さま、株主さまをはじめ関係者の皆さまには多大なご心配、ご迷惑をおかけしましたことを謹んで深くお詫び申し上げますとともに、Daigasグループでは、今後も継続的にコンプライアンス体制の一層の強化・充実と信頼回復に努めます。