気候変動への取り組み ‐お客さま先のCO2削減貢献‐

特定したマテリアリティ
  • 大気への排出

    305-5

取り組みの背景・考え方

Daigasグループは、世界的な気候変動対応の潮流を踏まえ、低炭素社会の実現に貢献するため、事業活動による温室効果ガス排出量の削減だけでなく、お客さま先でのCO2排出量の削減も重要と考えています。Daigasグループでは、クリーンエネルギーである天然ガスの普及とともに高効率機器の開発や提案など、お客さま先でのCO2排出削減にお役立ちできるよう取り組んでいます。また、お取引先や関係会社と協働で物流におけるCO2排出削減に努めています。

省エネルギー・CO2排出削減効果

第三者検証済 ビューローベリタスジャパン(株)による第三者レビュー済みです。

お客さま先でのCO2排出量を約358万t削減

Daigasグループは、CO2の排出を削減し、気候変動の緩和に貢献できる製品として、家庭用では燃料電池「エネファーム」、高効率給湯器「エコジョーズ」、業務用・産業用ではガスコージェネレーションシステム、ガス吸収冷温水機、ガスエンジンヒートポンプ(GHP)、天然ガス自動車(NGV)などを提案・販売してきました。これらの機器の導入(販売累計)によって、2019年度では約358万tの排出量削減に貢献しています。

お客さま先での取り組み(家庭用)

家庭用コージェネレーションシステム

大阪ガスでは、低炭素社会の実現に向け、省エネルギー・CO2削減に貢献する家庭用コージェネレーションシステムとして、都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素の化学反応で発電する燃料電池タイプの「エネファーム」(固体高分子形燃料電池(PEFC))、「エネファームtype S」(固体酸化物形燃料電池(SOFC))の販売・普及に努めています。これらは、発電と同時に発生する熱を給湯等に有効利用する高効率なエネルギーシステムです。
「エネファーム」「エネファームtype S」は、2020年3月末現在で累計約12万台を販売し、これは1年あたり約21万tのCO2排出削減に貢献します。
また2019年度は、当社はアイシン精機(株)、京セラ(株)、(株)ノーリツ、パーパス(株)、リンナイ(株)と共同で「エネファームtype S」の新製品を開発し※1、2020年4月から発売しました。本製品では、世界最高※2の発電効率55%※3を達成するとともに、本体の大幅な小型化により設置性が向上しました。またスマートフォンの専用アプリと連動させてお使いいただける便利なスイッチをリモコンに追加し、IoTサービスも拡充しました。

  • ※1 「エネファームtype S」はクリーンな天然ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内でご利用いただくとともに、その際に出る熱もお湯として有効に利用いただける環境に優しいエネルギーシステムです。開発にあたっては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託業務の結果得た成果を一部活用しています。
  • ※2 定格出力1kW以下の家庭用燃料電池で世界最高の発電効率(2020年1月末時点の大阪ガス調べ)。
  • ※3 余剰電力買取をしている場合など、3時間以上安定して定格発電を継続した際の発電効率。上記以外の場合、定格発電効率は54%(総合効率87%)。LPガスの場合の発電効率は53%(総合効率85%)。低位発熱量基準(LowerHeating Value)にて算出。
■「エネファーム」「エネファームtype S」の累計販売台数
「エネファーム」「エネファームtype S」の累計販売台数

家庭用高効率給湯器「エコジョーズ」

家庭用高効率給湯器「エコジョーズ」は、従来は捨てていた燃焼時の排熱を回収し給湯や暖房に活用できるため、省エネルギー性が高く、CO2排出量の削減により地球温暖化緩和に貢献します。
「エコジョーズ」は2020年3月末現在で累計約98万3千台を販売し、これは1年あたり23.7万tのCO2排出削減に貢献します。

■「エコジョーズ」の普及状況(累計)
「エコジョーズ」の普及状況(累計)

ガスで森をつくる「ブルー&グリーンプロジェクト」への参加

家庭大阪ガスは、家庭向け高効率ガス機器の普及を促進するとともに、緑豊かな地球を次世代に引き継ぐ「ブルー&グリーンプロジェクト」に、ガス会社・ガス機器メーカー23社とともに2006年6月から参加しています。
このプロジェクトは、省エネルギー型のガス機器の出荷量に応じて植樹活動を推進するというもので、従来の対象機器は「エコウィル」(家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム)、「エコジョーズ」(家庭用高効率給湯器)の2機種でしたが、2009年度からは「エネファーム」(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)も加わり、より多くのガス機器が対象になっています。第1期となる2014年3月までは、ベトナムでの植樹を支援、2014年4月からは第2期として日本の高田松原(岩手県陸前高田市)の再生に向けた活動を支援しています。
2006年6月のプロジェクト開始以来、対象機器の累計出荷台数は、2009年に当初目標の100万台を突破、2011年10月には200万台を達成し、2020年3月末現在では900万台に達しています。機器の普及によるCO2削減量と植樹によるCO2吸収量を合わせると、年間約270万tのCO2削減に貢献しています。なお、2020年3月末現在、当社での販売貢献台数は約110万台となっています。

太陽光発電

再生可能エネルギーの固定価格買取制度や、東日本大震災以降のエネルギーセキュリティへの関心の高まりを受け、お客さまの太陽光発電システム導入ニーズが高まっています。Daigasグループは、従来提案してきたガスコージェネレーションシステムはもとより、マイホーム発電の一環として住宅用太陽光発電システムの販売・普及にも取り組んでいます。2020年3月末現在で累計約2万7千件を販売し、これは1年あたり6.0万tのCO2排出削減に貢献するものです。
また、太陽光発電システムと「エネファーム」を組み合わせる「ダブル発電」の提案も行っており、2020年3月末現在で累計約4.3万件のお客さまに販売しています。

家庭用高効率ガスコンロ

省エネ法基準を満たした使いやすいコンロを開発
  • Daigasグループでは、お客さまが毎日の生活で使うガスコンロについて、調理性能や使いやすさ、お手入れのしやすさといった基本性能の向上を進めながら高効率化を実現しています。バーナ形状やごとく(鍋等を載せる台)の高さの工夫、グリル構造の最適化等を進め、順次商品化しています。
    現在、当社グループが販売しているガスコンロは、据置型テーブルコンロ、ビルトインコンロともに、全て「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)の2006年度基準(コンロバーナ)、2008年度基準(グリル)を100%満たしています(省エネ法対象外品を除く)。
  • Siセンサーコンロ

    Siセンサーコンロ

省エネルギー情報提供

  • Daigasグループでは、お客さまにエネルギーを無駄なく上手にご利用いただくため、各種媒体を通じて、省エネルギーに関する知識や身近な省エネルギー活動に役立つ情報等を提供しています。
    お客さま宅に配布する検針票には、当月だけでなく前年同月の使用量も記載しており、ガスのご使用状況を比較可能としています。また、大阪ガスウェブサイトには「かしこいくらしのヒント図鑑」を掲載し、ご家庭でできる省エネルギー行動例やその効果も紹介しています。さらに、定期保安巡回時にお客さまに配布する「ガスご使用の手引き(あんしんガイド)」等の冊子にも、省エネルギーのための行動やアイデア、ガス機器のお手入れ術等を掲載しています。
  • 「かしこいくらしのヒント図鑑」(大阪ガスウェブサイト)

    「かしこいくらしのヒント図鑑」(大阪ガスウェブサイト)

お客さま先での取り組み(業務用・産業用)

業務用・産業用ガスコージェネレーションシステムの普及・技術開発

分散型電源システムは、必要な場所で発電し、同時に発生する排熱をその場で給湯・空調等に有効利用できるため、高い環境性と経済性を両立します。Daigasグループでは、工場やオフィス、商業施設等の業務用・産業用の分野においても、環境負荷の少ないガスを燃料としたガスコージェネレーションシステムの普及・技術開発に力を入れています。
大阪ガスは1998年に業界で初めて業務用マイクロコージェネレーションシステムを発売して以来、節電効果はもちろんのこと、停電対応機のラインアップを拡充し、工場、病院、福祉施設、ホテル、温浴施設、飲食店等の様々な業種のお客さまに採用していただいてきました。2020年3月末現在、供給エリア内で4,605台/1,544千kWが稼働しています。
また、お客さまの多様なご要望に応えるため、さらにエネルギー効率や信頼性を向上させる技術開発を進めています。
今後もさらなるコージェネレーションシステムの拡販により、省エネルギー、環境負荷の軽減に貢献していきます。

■業務用・産業用ガスコージェネレーションシステム累積設置容量・台数
業務用・産業用ガスコージェネレーションシステム累積設置容量・台数

高効率ガス空調システムの開発と普及

節電や省エネルギーに貢献するガスを使った空調システムには、大型ビルや商業施設のセントラル空調に利用されるナチュラルチラーやオフィス等の個別空調に利用されるガスエンジンヒートポンプ(GHP)があります。
ナチュラルチラーは、燃料を都市ガスとして、冷房用に冷水を供給し、暖房用に温水を供給する空調システムで、冷媒にはフロンではなく水を使用します。Daigasグループでは、ナチュラルチラーの中でも特に環境負荷低減効果が大きい機種を「グリーン機種」として選定し、導入を積極的にお客さまに推奨しています。
またGHPは、ガスエンジンでコンプレッサーを駆動し、屋外の空気から熱を集めて屋内に入れることで暖房し、屋内の空気から熱を集めて屋外に出すことで冷房します。
GHPと電気ヒートポンプ(EHP)を遠隔制御により最適に運転するハイブリッド空調システム「スマートマルチ」を2016年7月より販売を開始し、現在では4メーカー、5機種にまでラインアップを拡充しました。2018年度には、「スマートマルチ」の省エネ性が認められ平成30年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)を受賞しました。 2019年度には、東京ガス(株)、東邦ガス(株)と大阪ガスのガス3社は、省エネと節電を実現するガス冷暖房システムである超高効率ガスエンジンヒートポンプの次世代機として、省エネ性をはじめとする性能・機能をさらに向上させた「GHP XAIR III」を、アイシン精機(株)、パナソニック(株)、ヤンマーエネルギーシステム(株)と共同で開発しました。本製品は、2020年4月から順次販売しています。

省エネルギーを実現するガス焚きボイラの開発

簡易貫流ボイラは、小型軽量で運転資格が不要という特長があり、蒸気を大量に必要とするクリーニング店や食品・繊維・化学工場など幅広いお客さまに利用されています。
大阪ガスは、簡易貫流ボイラ(蒸気や熱媒)について、様々なメーカーやガス事業者と共同で新製品を開発し、提案・販売しています。
各製品は、従来機に比べ、より低負荷での燃焼を実現するとともに、燃焼時に出る排ガスからの熱回収量を約15%増加させることで、ボイラ運転効率を向上させました。また、送風機の消費電力の低減も実施し、省エネルギーを図っています。
また、2017年度にはベンチュリサクション技術を採用した日本初の低圧ガス対応の「ガス焚き小型貫流蒸気ボイラSQ-1200ZL」やクラス最高性能の換算蒸発量1,000kg/hボイラを共同開発し、より幅広いお客さまにご利用いただくことで、省エネルギーおよび環境への貢献に取り組んでいきます。

  • 「ベンチュリサクション技術」を採用することで低圧ガス仕様を実現
    「ベンチュリサクション技術」とは、送風機吸込口に設置されたベンチュリ(流体の流れの断面積を狭めて流速を増加させることで、圧力が低い部分を作り出す機構)に空気が流れることで発生した負圧を利用してガス燃料が吸引され、バーナに供給できる技術です。従来機では、送風機の吐出側の圧力の高い部分にガス燃料を送り込んで、ガスと空気を混合していたため中圧ガスを必要としましたが、本技術を採用することで、大容量のボイラにおいても低圧ガス仕様を実現することができました。中圧ガス配管が不要となるため、幅広いお客さまにご利用頂くことが可能となります。
高効省エネルギーを実現するガス焚きボイラの開発

高効率工業用バーナ「リジェネバーナシステム」の開発

  • 高効率工業用バーナ「リジェネバーナシステム」

    高効率工業用バーナ「リジェネバーナシステム」

  • Daigasグループは、1,600機種にのぼる工業用バーナ、熱交換器を開発し、高性能制御システムの開発などバーナの省エネルギー化を追求、各業種・業態のお客さま先でのCO2排出削減に貢献しています。
    なかでも、工業炉で極めて高効率に排熱回収できる燃焼加熱システム「リジェネバーナシステム」の開発・提案に注力しています。「リジェネバーナシステム」では、蓄熱体を内蔵したバーナ2台を1対として数10秒間隔で交互に燃焼させます。一方のバーナが燃焼しているときは、その排気を他方のバーナの蓄熱体を通して排出し、次にその他方のバーナが燃焼するときに燃焼用空気を蓄熱体で予熱して排熱回収します。このようにして、約35〜50%の省エネルギーを実現します。これまで鍛造・圧延・熱処理業種向けに様々な形式・容量のラインアップを開発しています。
    このほか、ビンや自動車・建材用ガラスを生産する硝子溶解炉向け天然ガス専焼バーナの開発、各種用途に向けた高効率バーナの開発を進めており、CO2削減の切り札としてお客さま先での導入を進めています。

物流のCO2排出削減

  • CNGを専用燃料とする「LNGローリー車」

    CNGを専用燃料とする「LNGローリー車」

  • 日本では、貨物自動車の台数は全体の自動車台数比では20%弱でありながら、物流部門におけるCO2排出量は約35%と高く、特に大型トラックは1台あたりの排出量が大きいため、大型天然ガストラックの導入はCO2排出削減効果が高いといえます。(一財)環境優良車普及機構(LEVO)の走行実証試験の報告によると、大型天然ガストラックは大型ディーゼルトラックに対し、CO2排出量は12.9%低減しています。大阪ガスでは長距離の都市間輸送での大型天然ガストラックと都市内輸送での中・小型天然ガストラックの普及に努めていきます。
    また、LNGローリー車においてもCNG(Compressed Natural Gas:圧縮天然ガス)を専用燃料とする輸送を開始しており、そのLNGローリー車は、軽油を燃料とするローリー車と比較してCO2排出量を約7%削減することができます。
    2018年6月に大阪南港に日本初の商用LNGステーションが開所され、大型LNGトラックの走行が開始されました。LNGは燃料の搭載効率が高いため、1,000km以上の航続距離とさらなるCO2排出量削減が期待されます。

お客さまと一体となった省エネルギー活動の実践

業務用・産業用のお客さま先における省エネルギー、ひいては地域・地球規模の環境保全に貢献できるよう、Daigasグループでは、お客さまと一体となった省エネルギー活動を推進しています。
工場や病院等業務用設備の専門部隊がお客さま先の設備を精査し、熱計測診断を実施し、その結果をもとにお客さまに最適な省エネルギー対策をご提案しています。
お客さま先での省エネルギー活動を通してお客さまとの信頼関係を深めるのはもちろんのこと、自社内でも実績例に基づく様々な研修会の開催に取り組み、省エネルギー技術の蓄積・共有化および省エネルギー技術に詳しい人材の育成を継続的に行っています。
また、大阪ガスは関西の地元企業への天然ガス機器導入を促進するとともに、国の「J-クレジット制度」を活用して、関西での様々なイベントで排出されるCO2を実質ゼロにする取り組み「チャレンジ!カーボンオフセット」を展開しています。
当社は、地元企業のお客さまが、都市ガスを燃料とするボイラやガスコージェネレーションシステムなどの高効率ガス機器を導入された際のCO2削減量をクレジット化したものを地元でのスポーツイベントや地方自治体のイベント等の「カーボン・オフセット」に活用することで、それらイベントから排出されるCO2の実質ゼロ化に取り組んでいます。これによって、地元企業のクレジットを地元のイベントで活用する「地産地消」を目指しています。
2019年度は全体で2,189tのCO2(一般家庭約547世帯分)を削減しました。

  • 一般家庭世帯のCO2排出量の算出について
    全国地球温暖化防止活動推進センターHPのデータを基に大阪ガスが試算した値を参考に、一般家庭一世帯あたりのCO2排出量を約4t-CO2としています。
  • お客さま設備の省エネルギー活動(熱計測診断) お客さま設備の省エネルギー活動(熱計測診断)

    お客さま設備の省エネルギー活動(熱計測診断)

  • 「チャレンジ!カーボンオフセット」 「チャレンジ!カーボンオフセット」

    「チャレンジ!カーボンオフセット」

■2019年度の主なオフセットイベントの一覧
イベント 主催 CO2排出量(t-CO2
第46回 堺まつり 堺観光コンベンション協会 188
クリーンアップなら 奈良県 1
ひらかたエコフォーラム 枚方市 1
寝屋川市環境フェア 寝屋川市 1
東大阪市グリーンフェスタ 東大阪市 2
エコあまフェスタ
クールチョイスシンポジウムinあまがさき
尼崎市 2
すいた環境・教育フェスタ 吹田市 2
いこま環境フェスティバル 生駒市 1
セレッソ大阪ホームゲーム (株)セレッソ大阪 1,183
宝塚歌劇宙組公演(宝塚大劇場) 阪急電鉄(株) 556
都市対抗野球大会 日本野球連盟 250
大阪ガス社内イベント 2
合計 2,189

様々なICTサービスを展開

Daigasグループでは、最適なエネルギー・高効率機器の提案とともに、ソフト面でも省エネルギーに役立つ多くの取り組みを進めています。情報通信技術(ICT)を活用したサービスも用意しており、多くのお客さまにご利用いただいています。
たとえば、「エネフレックス」は、インターネット経由でガスエンジンヒートポンプ(GHP)等の運転状況やエネルギー使用状況をインターネットやメールでお客さまに提供したり、GHPの遠隔操作ができたりするICTサービスというものです。エネルギー使用状況を「見える化」することで、お客さまの継続的な省エネルギー活動をサポートしています。
さらに、GHPの自動省エネルギー制御を行うパトロール機能、省エネルギー制御機能、間引き制御機能や料金按分機能のメニューを有する「エネフレックスプレミアム」も開発し、ご多忙なお客さまでも手間なく省エネルギーを実現できるお手伝いをさせていただいております。

■様々なご要望にお応えするICTサービスを展開中
様々なご要望にお応えするICTサービスを展開中

2016年度には、無線や電池を活用し、小規模な建物でも安価で簡易に設置できるリアルタイムデータ計測サービス「ekul」を開始しました。2019年4月からは簡易データ計測サービス「ekul(イークル)」の新たなプランとして、京セラコミュニケーションシステム(株)が展開する、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長としたIoTネットワーク「Sigfox(シグフォックス)」を活用した「ekul lite(イークル ライト)」を提供しています。近年、少子高齢化や人手不足、環境・エネルギー問題などの社会的課題に対する解決策として、IoT活用が注目されており、「ekul lite」は、よりシンプルに、より安く、IoT導入を進めたいというお客さまが数多くおられることから、少点数計測から始めたいお客さま向けの新プランとなっています。
今後さらにお客さまの利便性・経済性の向上に貢献していきます。

  • Sigfox(シグフォックス)
    京セラコミュニケーションシステム(株)は、フランスのSigfox S.A.が提供するIoTネットワーク「Sigfox」を日本で独占展開しています。「Sigfox」は、LPWA(Low Power Wide Area)()を代表するネットワークとして欧米を中心に60か国で展開され、国内ではKCCSがインフラ構築およびネットワークサービスを提供しています。
    )少ない消費電力で、km単位の距離で通信できる無線通信技術の総称です。機器のバッテリー消費を抑えながら、データを収集する基地局まで電波を届けることができるため、特にIoT(Internet of Things)向けに有用な技術であると注目を集めています。

東南アジアにおける中下流事業展開

Daigasグループでは、製造業の比率が高く、日系企業が多数進出するなど経済成長が見込める有望な市場である東南アジアを重点エリアとし、海外での中下流事業展開の可能性について2010年頃から現地市場調査を開始しました。

シンガポールにおける取り組み

  • City-OGのメンバー

    City-OGのメンバー

  • 大阪ガスと現地ガス事業者であるCity Gas Pte Ltd (以下、CITY GAS)は、2013年8月にシンガポールの産業用市場で天然ガス販売事業を共同で行うことに合意し、CITY GASが新たに設立した産業用天然ガス販売会社City-OG Gas Energy Services Pte. Ltd.(以下、City-OG)の株式売買契約を締結し、大阪ガスとして初の海外におけるガス販売事業を開始しました。
    City-OGには、Osaka Gas Singapore Pte. Ltd.(以下、OGS)から6人とCITY GASから 5人の計11人が在籍しています。(2020年4月現在)
    OGSメンバーはボイラ燃料転換等の提案営業、CITY GASメンバーは現地のお客さまへのアプローチおよび現地の手続き等で互いの強みを発揮しています。2013年8月に事業開始以降、新たに39件のお客さまに契約を締結いただき、合計50社以上のお客さまにガスを供給しています。(2020年4月現在)
    2019年度は、当社はOGSを通じて(株)国際協力銀行とともに、AGP International Holdings Pte. Ltd.(以下、AGP IH)に出資するとともに、AGP IHと天然ガスバリューチェーンに関する戦略的協業契約を締結しました。AGPグループは、フィリピンにおいて100年以上の歴史を持つ建設・エンジニアリング事業を基盤とする企業グループです。LNG事業における確かな技術力や、高いマーケティング能力を有しており、東南アジアやインドを中心に浮体式LNG基地事業や都市ガス事業に参画するなど、積極的に需要を開拓し、LNG事業の拡大を進めています。
    今回の出資および戦略的協業契約の締結により、AGPグループが有するLNG事業における案件発掘力やエンジニアリング力と、当社が国内で蓄積してきたLNGやパイプラインなどに関する知見を相互に活用することで、東南アジアをはじめとしたLNG新興国において、天然ガスバリューチェーンの構築に取り組みます。

タイにおける取り組み

  • OGT・OGPSのメンバー

    OGT・OGPSのメンバー

  • 大阪ガスはタイの産業用市場で、天然ガスの利用に関するエンジニアリング力をベースとしたエネルギーソリューションノウハウを活用し、エネルギーサービス(ES)事業※1を中心に事業展開をしており、ボイラ・工業炉等設置工事をはじめ、CNG供給や水、バイオ等、ユーティリティー事業全般に取り組んでいます。
    2013年10月に新会社OSAKA GAS (THAILAND) CO., LTD.(以下、OGT)をタイに設立しました。大阪ガス出向者14人とタイ現地スタッ フ16人の計30人が在籍しており、2013年10月事業開始後、7件のCNG供給、2件のES、73件の設備工事やコンサルティング業務を受注しています。(2020年4月現在)
    2014年7月には、大阪ガスおよび日鉄エンジニアリング(株)(以下、NSE / 当時の社名:新日鉄住金エンジニアリング(株))は、タイにおけるガスコージェネレーションシステムを活用したオンサイト事業※2において業務提携することに合意し、NS-OG Energy Solutions(Thailand)Ltd.(以下、NSET)を新たに設立しました。2018年には、タイ国で二輪車製造を行うHondaグループのThai Honda Manufacturing社向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトを竣工し、エネルギー供給を開始しました。同様のエネルギー供給プロジェクトは、同国4件目となります。また、NSEおよびToray Textiles (Thailand)社(以下、TTT / 当時の社名:Luckytex (Thailand) Public Company Limited)とともに、「タイにおけるオンサイトエネルギー供給によるコージェネの導入と高効率安定操業の実現 〜Luckytex (Thailand) Public Company Limited Mill No.2工場への導入事例〜」において、(一財)コージェネレーション・エネルギー高度利用センター主催の「コージェネ大賞 2018」※3の産業用部門「理事長賞」を受賞しました。
    2015年11月には、タイのPTT Public Company Limitedの子会社との共同出資により、タイにおける産業用顧客向けのES事業を行うOGP Energy Solutions Co.,Ltd.を設立しました。エネルギーサービスや設備工事等あわせて48件を受注しています。(2020年4月現在)
  • ※1 エネルギーサービス(ES)事業
    お客さまが初期投資を行わなくても、使用エネルギー量に応じた料金を支払うだけで、天然ガス設備などを導入できるサービスのことをいいます。お客さまの省エネルギーニーズに合わせて、ボイラや燃焼炉などの天然ガス設備を設置し、蒸気などのエネルギーを供給しています。設置後のエネルギー利用状況の管理・メンテナンスについてもワンストップでサービスを提供することで、省エネルギー化の促進、および、安定したエネルギー供給を実現しています。
  • ※2 オンサイト事業
    お客さまの敷地内または付近にガスコージェネレーションシステムなどを設備の運転・維持管理を行い、電気・熱などを供給するサービスのこと。
  • ※3 コージェネ大賞 2018
    コージェネ大賞とは、コージェネ財団により2012年に創設されました。新規・先導性、新規技術、省エネルギー性などにおいて優れたコージェネレーションシステムを表彰することにより、コージェネの有用性の社会的認知を図るとともに、より優れたコージェネの普及促進につなげる事を目的とした表彰制度で、今回で7回目の表彰となります。民生用部門・産業用部門・技術開発部門があり各部門において理事長賞・優秀賞・特別賞が表彰されます。

TOPIC)タイ国コージェネレーション設備の高効率化事業
二国間クレジット制度に基づく設備補助事業を採択

大阪ガスと日鉄エンジニアリング株式会社(以下「NSE」)が設立したNS-OG Energy Solutions (Thailand) Ltd.:(以下「NSET」)は、NSEとともに実施するコージェネレーション設備の高効率化事業において、2019年度「二国間クレジット制度※1資金支援事業のうち設備補助事業」に採択されました。
本事業は、NSETが2016年12月より展開している、東レグループのタイ国現地法人Toray Textiles (Thailand) Public Company Limited 社※2 のMill No2工場向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトにおいて、排ガス熱交換器を追加設置し、排ガス未利用廃熱を有効活用することで、コージェネ設備の更なる高効率化を実現するものです。既設のコージェネ設備は、総合エネルギー効率91%で運用し、すでに最高レベルを実現していますが、今回の追加設置により、総合エネルギー効率は92%となり、更に年間359tのCO2削減が可能となります。
本補助事業への採択は、タイ国で二輪車製造を行うHondaグループのThai Honda Manufacturing社向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトにおける、コージェネ設備の導入につづく2件目となります。
NSETは、顧客工場(オンサイト)に自社スタッフを配置しコージェネ設備を操業する事で状況の変化に合わせたきめ細かな管理を行い、操業方法や設備の改善を通じ、省エネ・省CO2を達成してきました。今回、NSETのエンジニアリング力、操業管理技術が高く評価され、採択にいたりました。
これからも、計画段階のみならず、操業開始後も操業状況にあわせた最適なエネルギーソリューションを提供し、顧客企業の低炭素社会の実現に向けた取り組みや、コア事業へのリソースの集中を支援し、タイ国の持続可能な発展に貢献していきます。

  • ※1 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism、JCM)は、日本の持つ優れた低炭素技術や製品、システム、サービス、インフラを途上国に提供することにより、途上国の温室効果ガスの削減など持続可能な開発に貢献し、その成果を二国間で分け合う制度。JCMによって、温室効果ガスの排出削減に対する日本の貢献を定量的に評価する事が可能となり、日本の排出削減目標の達成に活用することができます。また、環境省より委託を受けた(公財)地球環境センター(GEC)が、JCMに関する本補助事業の執行団体として、日本の民間企業を対象に公募を行っています。
  • ※2 Luckytex (Thailand) Public Company Limited社とThai Toray Textile Mills Public Company Limited社との経営統合により2019年7月に設立。

また、Osaka Gas Singapore Pte. Ltdとタイの太陽光発電事業会社であるEnergy Pro Corporation Ltd.は、タイにおいて太陽光発電による電力供給事業を目的とした合弁会社「OE Solar Co., Ltd.(仮称)」を設立することに2019年7月に合意しました。

インドネシア・フィリピンにおける取り組み

  • Osaka Gas Singapore Pte. Ltd.は、2016年10月にインドネシアのジャカルタ、2017年3月にフィリピンのマニラに駐在員事務所を開設しました。
    インドネシアは近年の経済規模の拡大に伴いエネルギー需要の増加が見込まれています。これまでお客さまの省エネニーズに合わせた当社のノウハウの活用可能性やエネルギーソリューションを検討してきました。2018年8月にはPT OSAKA GAS INDONESIA(大阪ガスインドネシア)を設立し、インドネシア石油・ガス公社PT Pertaminaグループ(プルタミナG)のガス販売会社であるPT. Pertagas Niaga(プルタガスニアガ)と共同マーケティング契約を締結しました。2018年10月に事業ライセンスを取得し、大阪ガスインドネシアは同契約に基づき、プルタガスニアガとの天然ガス共同マーケティング事業を開始しました。本件は、シンガポール、タイにおけるエネルギー関連事業に引き続いて、3カ国目の東南アジアでの事業展開となります。
  • OGIDNのメンバー

    OGIDNのメンバー

本事業を通じて、クリーンな天然ガスの効率的な利用や重油などからの燃料転換を促進し、同国における省エネルギーの推進や環境負荷軽減に貢献します。
また、大阪ガスインドネシアはファイナンススキーム等を活用して、設備導入をサポートするエネルギーサービス事業等も展開し、将来的にインドネシア全土での事業展開を目指します。現在、大阪ガスインドネシアは大阪ガス出向者5人と現地スタッフ12人の計17人が在籍しています。(2020年4月現在)
一方、継続してジャカルタ駐在員事務所では、現在大阪ガス出向者2人と現地スタッフ4人の計6人が在籍しており(2020年4月現在)、インドネシアは人口2.5億人を超え、経済規模拡大とともに今後のエネルギー需要の増加が見込まれることから、エネルギーインフラ開発の本格調査を行っています。

マニラ駐在員事務所では、現在大阪ガス出向者2人と現地スタッフ1人の計3人が在籍しています。(2020年4月現在)フィリピンでは、エネルギー需要の増加が見込まれることに加え、国産天然ガス枯渇に備えたLNG導入計画があることから、LNG関連事業を中心に、当社の経験と知識を生かせるエネルギーインフラ開発案件への参画を目指しています。

ベトナムにおける取り組み

  • 大阪ガスの100%子会社であるOsaka Gas Singapore Pte. Ltd.、双日(株)、双日ベトナムの3社は、ベトナムにおいて天然ガス供給事業等を目的とした合弁会社「Sojitz Osaka Gas Energy Company Ltd.」(以下「SOGEC」)を2019年10月に設立しました。
    SOGECは、ベトナム南部バリア・ブンタウ省のフーミー3特別工業団地における天然ガス供給事業および同国における産業用顧客への圧縮天然ガスのローリー供給事業に取り組んでいます。
    なお、当社が東南アジアで事業を展開するのは、シンガポール、タイ、インドネシアに続いて本件が4カ国目です。また、海外での天然ガス供給事業への参画は、シンガポール、タイに続いて3カ国目となります。
    ベトナムは経済発展に伴いエネルギー需要の拡大が続いています。今回事業を開始する同国南部も複数の工業団地が集積する重化学工業地帯で、今後も製造業各社の新規進出が期待される地域です。
  • フーミ―3特別工業団地内のガス供給施設の外観

    フーミ―3特別工業団地内の
    ガス供給施設の外観

SOGECは本事業を通じて、クリーンな天然ガスの効率的な利用や石炭・重油・LPG等からの燃料転換を促進し、同国における省エネルギーや環境負荷軽減に貢献します。ベトナムでのIPP事業や工業団地運営事業等の豊富な実績を持つ双日グループと、天然ガス供給に関するノウハウを持つDaigasグループの両者の得意領域を生かして本事業を推進することで、2030年度には売上高150億円を目指します。また、将来的には、ファイナンススキーム等を活用して設備導入をサポートするエネルギーサービス事業の展開も検討していきます。

再生可能エネルギーへの取り組み

太陽光発電事業への取り組み

バイオガスの有効利用

バイオガスの主成分は天然ガスと同じメタンであり、再生可能エネルギーとして、また地球温暖化対策の一つとして、有効活用が期待されています。そこで大阪ガスは、バイオガスを当社の都市ガスとして購入する際の条件を定めた「バイオガス購入要領」を制定し、2010年9月からバイオガスの購入を開始しました。
さらに、当社は、神戸市、(株)神鋼環境ソリューションとともに、神戸市東灘処理場で製造した「こうべバイオガス」を都市ガスとしてガス導管を通じて供給する実証事業を2010年9月から開始し、年間約80万m³(約2,000戸の家庭が1年間に使う量に相当)を受け入れています。また、「神戸市玉津処理場消化ガス発電事業」および「高砂市伊保浄化センター消化ガス発電事業」の運営を2018年4月から開始しています。
一方、当社グループのDaigasエナジー(株)は、大阪市、月島機械(株)、月島テクノメンテサービス(株)と共同で、「大阪市下水処理場消化ガス発電事業」の運営を2017年4月から開始しています。発電能力は4処理場合計で約4,090kW、想定年間発電量は約2,580万kWh(一般家庭約7,100世帯相当)で、FIT制度(「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく固定価格買取制度)を活用した国内最大規模の下水汚泥消化ガス発電事業となります。
さらに、当社グループでは民間工場でのバイオガス有効利用にも取り組んでおり、8件で約6,000kWの発電および1件で工場への蒸気供給を行っています。

■バイオガス都市ガス導管注入実証事業
バイオガス都市ガス導管注入実証事業

エナジーバンクジャパン(株)

独自のファイナンス技術を使った再生可能エネルギー発電事業を実施

Daigasグループのエナジーバンクジャパン(株)は、大阪ガスの省エネ設備普及促進策として実績のある「EcoWave」を活用し、太陽光発電設備をはじめとする再生可能エネルギー設備を全国に普及する事業を推進しています。
「EcoWave」は、お客さまが初期投資を行わなくても、再生可能エネルギーを利用した発電設備を設置できる独自のファイナンス技術を使ったスキームです。再生可能エネルギー開発に特化した資金調達スキームと専門技術サービスを地域に提供し、地産地消型再生可能エネルギー電源開発を支援しています。
2020年3月末現在で、43件、53,255kW(未着工・工事中含む)の実績があります。