気候変動への取り組み ‐リスクと機会の認識と対応‐

特定したマテリアリティ
  • 大気への排出

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取り組みの背景・考え方

地球規模の気候変動への対応は「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つに位置づけられ、2016年11月発効のパリ協定以降、世界中で取り組みが進んでいます。日本においても、2020年10月26日には菅首相が所信表明演説で2050年カーボンニュートラルを宣言し、気候変動への対応が一層重要となっています。
また、エネルギービジネスを中心に事業を展開するDaigasグループにとって、気候変動は経営の重要課題の一つであり、CO2排出削減の取り組みは極めて重要な使命です。2021年1月には、当社グループとして「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」の策定・公表を行い、2050年に向けカーボンニュートラルに挑戦する姿勢を示しました。

2017年6月に発表された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言(以下、TCFD提言)は、投資家に適切な投資判断を促すために、企業に対して気候関連の財務情報開示を奨励しています。
大阪ガスはTCFD提言に賛同するとともに、TCFD提言を気候変動への対応を検証する指標として活用していきます。
また、当社はTCFD提言に即した気候変動対応の情報開示に向けた取り組みを議論するTCFDコンソーシアムに参加しています。

TCFDコンソーシアム

2019年5月27日に設立され、気候変動対応の企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげるための方策などが民間主導で議論されています。経産省、金融庁、環境省がオブザーバーとして参加しています。

気候変動に関するガバナンス

当社グループでは、気候変動対応を経営の最重要課題の一つであると認識しています。当社グループ全体の重要事業活動を意思決定、監督する取締役会において、気候変動問題を含む案件について意思決定、監督しています。年3回開催される「ESG推進会議(経営会議)」では、社長のもと、役員などが気候変動問題を含むESG課題に関する活動計画および活動報告の審議を行います。
また、当社グループのCSR活動を統括する役員「ESG推進統括」(副社長)を委員長とし、関連組織長等を委員とする「ESG推進委員会」を設置しています。「ESG推進委員会」は年4回開催し、気候変動対応にかかわる事業活動の計画の策定・推進、目標達成状況、リスクの管理と対応等について組織横断的に審議・調整・監督し、そのうち、ESG経営の施策目標に対する実績状況や、気候変動による財務影響が大きいと想定される事業計画などの重要事項を取締役会に付議・報告しています。

  • ■気候変動に関するガバナンス体制
    気候変動に関するガバナンス体制
    • ・取締役会
      取締役9人(社内取締役6人、社外取締役3人)
    • ・経営会議(ESG推進会議)
      社長執行役員1人、副社長執行役員3人、常務執行役員5人
      原則年3回を「ESG推進会議」として開催
    • ・ESG推進委員会
      副社長執行役員(ESG推進統括)、関係組織長等

戦略

気候変動による主要なリスク・機会と、それらが事業や財務に及ぼす影響ならびにそれらへの当社グループの対応等について以下に示します。

シナリオ分析

当社グループは、気候変動が中長期的に当社グループの事業に及ぼす影響を把握し、対応策を検討・準備するための材料として活用することを目的とした気候変動シナリオ分析に取り組みました。
当社グループの事業のうち、気候変動による影響が大きいと想定されるエネルギー事業(国内・海外のガス・電力事業等)を対象とし、外部機関(IEA)が公表しているシナリオをベースとして、各事業における業績等への影響を評価し、その要因や対応策に関する示唆を得ることをねらいとしています。下記のように、省エネルギーの進展度合いや電源構成の推移等も考慮した複線的なシナリオ想定を行っています。

シナリオ分析によって得られた示唆は中長期的な事業戦略の検討に活かしながら、当社事業のレジリエンスを高めるための取り組みを着実に実施していきます。また、今後の世界的な気候変動対応の進展により、シナリオの前提条件が変化していく可能性があります。外部機関のシナリオを参考にしつつ、必要に応じて最新版への更新を行いながら、引き続きシナリオ分析を深めていきます。

■シナリオ別 日本のガス・電力等 最終エネルギー消費量推移
シナリオ別 日本のガス・電力等 最終エネルギー消費量推移

リスク・機会の認識

複線的なシナリオ分析のもと、当社グループの国内外のエネルギー事業を取り巻く環境を踏まえて、想定しうるリスクと機会を洗い出し、2030年に向けた短中期と2050年に向けた長期に分けて評価し、対応策を検討しました。
当社グループは、天然ガスを主要な原料・燃料として日本の関西エリアを中心にガス・電力事業を営んでおり、気候変動に伴うさまざまな外部環境の変化について、その要因を「移行リスク」と「物理的リスク」に分類のうえ、重要なリスクと機会を特定しています。当社グループにおける気候変動に関する大きなリスクとして、海面上昇や局地的な異常気象の発生等による台風や大雨などの自然災害は、製造設備などに損害をもたらす可能性があります。また今後、国内の炭素税率が大幅に上昇した場合や、顧客の非化石燃料への転向意向が高まれば、事業へ影響を与える可能性があります。一方で、再生可能エネルギーや脱炭素技術の開発・普及を促進すれば、当社グループにとって大きな機会になる可能性があります。

■リスクと機会の評価および当社グループの対応
リスクと機会の評価および当社グループの対応
■温室効果ガス削減の取り組み

当社グループにとって、温室効果ガス排出削減の取り組みは極めて重要な使命であり、自らの事業活動はもとより、エネルギーをご利用いただくお客さま先でのCO2排出削減にも注力しています。当社グループの具体的な温室効果ガス削減の取り組みについて詳しくは以下をご覧ください。

これらの事業活動を一層進めるべく、「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」では、2030年度に年間約1,000万トンのCO2排出削減貢献を目指すことを経営目標の一つに掲げています。この指標は社会全体での削減に貢献できることから、当社グループの事業活動の取り組みとリンクする形で目標化してマネジメントに用いています。

■脱炭素社会に向けたレジリエンスの取り組み

気候変動による社会全体の大きな課題の一つに、社会基盤であるエネルギーの安定確保があります。当社グループは、脱炭素社会に向けて、安定供給・レジリエンスの面でも社会へ貢献しつづけるために、脱炭素技術を活用したガスや電気といった複数のクリーンなエネルギーと災害対応機器やエネルギーの面的・高度利用といった様々なサービスを引き続き提供していきたいと考えています。
当社グループは、事業成長と社会基盤の安定の両立を目指し、世界的に気運が高まる脱炭素への対応として、社会全体のCO2排出削減貢献活動、ガスの高度利用の促進、脱炭素化技術の開発の取り組みを進めます。

リスクの管理

リスクの管理

当社グループの事業計画や投資計画の意思決定の際には、ガスおよび電力事業をはじめ各事業の担当組織が各事業に及ぼすリスク要因や影響度を分析し、リスクを抽出・識別したうえで、その他の事業リスク等と合わせて経営会議の審議を受けます。策定された計画における気候変動リスクは、環境部会、ESG推進委員会、ESG推進会議(経営会議)で報告・フォローを行い、PDCAサイクルにより管理しています。
また、取締役会や経営会議において、気候関連のリスクや持続可能性について投資判断を含む意思決定を行っています。2021年3月末までに気候変動関連で付議・報告した案件には以下があります。

  • ・ カーボンニュートラルビジョンを織り込んだ中期経営計画を決定
  • ・ シナリオ分析による気候変動関連リスク・機会と対応策の認識と開示
  • ・ 気候変動対応を管理する指標の実績フォロー  など
■気候関連リスク管理体制
気候関連リスク管理体制

指標・目標

脱炭素社会の実現に向けて、省エネや天然ガスの高度利用、再生可能エネルギーの普及などによる徹底したCO2排出削減貢献を進めます。