安心・安全1 調達段階

特定したマテリアリティ
  • 顧客の安全衛生

    416-1

取り組みの背景・考え方

近年、エネルギーセキュリティの観点から天然ガスへの期待と需要が高まっています。大阪ガスでは調達先のさらなる多様化を図り、液化天然ガス(LNG)等の原料の安定確保に努めるとともに、契約価格指標の多様化を図り、市場競争力のある原料調達の実現を目指しています。各国からの原料調達については、自社保有船も含むLNG船の効率的な運用を行い、迅速かつ安全、確実な輸送に努めています。
また、LNGの安定調達と収益獲得のため、液化事業・ガス田等のプロジェクトへの参画に取り組んでいます。

原料安定調達の取り組み

調達先多様化による安定調達の実現

都市ガスの原料や発電の燃料である天然ガスの埋蔵地域は、中東に偏在している石油とは異なり、世界中に広がっています。採掘可能年数も石油より長く、天然ガスのエネルギーとしての優位性は高く評価されています。大阪ガスは1972年にブルネイからLNGの輸入を開始した後、調達先の多様化を進めてきました。2019年12月にはアメリカ・テキサス州における天然ガスの液化事業が開始することで調達先が1カ国増え、現在LNGの調達先は9カ国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、カタール、オマーン、ロシア、パプアニューギニア、アメリカ)となりました。また、アメリカ産LNGの調達により、従来は原油価格に連動して価格が決定されていた調達に、アメリカでの天然ガスの先物取引価格の指標であるヘンリーハブ価格に連動して価格が決定される調達が加わりました。
この価格指標の多様化により、原油価格変動時のLNG価格の安定化につながることに加え、液化事業に投資することでヘンリーハブ価格に連動するLNGのなかでも原価に近い価格競争力のあるLNGを調達することができます。今後もより一層の低廉かつ安定的なLNG調達に努めます。

  • 出典
    BP Statistical Review of World Energy June 2020
■大阪ガスのLNG輸入実績(発電・卸用を含む)
大阪ガスのLNG輸入実績(発電・卸用を含む)
■天然ガス埋蔵国と大阪ガスのLNG調達先
天然ガス埋蔵国と大阪ガスのLNG調達先

LNG権益の取得など上流事業の拡大

大阪ガスは、日本のエネルギー企業としては早い時期から上流事業に取り組んできました。1990年にインドネシアでのガス田開発事業に参入して以降、各国のガス・石油開発プロジェクトに参画してきました。
今後の上流事業については、投資するという立場だけではなく、国内でガス・電力事業を行う買い手としての立場を活用しながら、既存プロジェクトを確実に進めるとともに、相対的にリスクの低い生産・開発中案件を中心とした新規開発案件を取得することを目指します。

■Daigasグループの上流事業(2020年3月31日現在)
案件名 所在地 種別 参画比率 参画年
サンライズ オーストラリア・東ティモール LNG 10% 2000年
エヴァンスショール オーストラリア LNG 10% 2000年
ノルウェー・出光スノーレ ノルウェー 油・天然ガス 1〜10% 2005年
カルハットLNG オマーン LNG 3% 2006年
クラックス オーストラリア LNG・油 3% 2007年
ゴーゴン オーストラリア LNG・油 1.25% 2009年
イクシス オーストラリア LNG・油 1.2% 2012年
ピアソールシェールガス・オイル 米国 天然ガス・油 35% 2012年
パプアニューギニア西部・
ガス・コンデンセート
パプアニューギニア 天然ガス・油 10〜20% 2014年
東テキサスシェールガス
(Sabine Oil & Gas Corporation)
米国 天然ガス・
コンデンセート
・天然ガス液
100% 2018年
  • NGL(Natural Gas Liquids)の訳語。天然ガスから分離・回収した液体炭化水素で、常温・常圧では液体となるもの。

TOPIC)米国シェールガス開発会社Sabine Oil & Gas Corporationの全株式を取得

大阪ガス(株)と米国テキサス州でシェールガス開発事業を行うSabine Oil & Gas Holdingsは、2019年7月28日(米国現地時間)、大阪ガスが米国子会社を通じて、Sabine Oil & Gas Corporation(以下、サビン社)の全発行済株式を取得する株式売買契約を締結しました。
本件は、日本企業として初めて米国シェールガス開発会社を買収するものです。これにより当社は、フリーポートLNG事業と発電事業に加え、シェールガス開発事業を米国エネルギー事業における3本目の柱に位置付け、さらなる収益拡大を進めていきます。
サビン社は、米国テキサス州東部に、琵琶湖の1.5倍に相当する約1,000km2の鉱区を保有しており、現在約1,200本の井戸から、LNG換算で約200万t/年相当のガスを生産しています。当エリアは今後さらなる新規開発のポテンシャルを有する優良な鉱区です。
当社は、2018年7月にサビン社が保有する鉱区の約半分にあたる東側エリアのガス田権益を35%取得し、参画時の想定を超える生産量及び収益を得てきました。本買収により、当社は生産中の井戸が多く、安定した収益が得られている西側エリアも含め、サビン社が持つ全ての鉱区を保有することになります。
また、当社は昨年の事業参画以降、サビン社との協業を通じて同社の優れたマネジメントによる高いオペレーター能力を確認してきました。本買収により、米国のエネルギー上流事業においてプロジェクトを主体的に推進するオペレーターシップを獲得することで、より戦略的な事業運営が実現できると考えています。今後、当社は米国子会社のシェールガス開発部門をサビン社と統合することで、サビン社を米国エネルギー上流事業の推進母体として、効率的かつ持続的な事業の成長を目指します。

  • Sabine Oil & Gas Holdingsは、Sabine Oil & Gas Corporationの100%株主

LNG船団の拡充

  • 大阪ガスでは、現在8隻からなるLNG船団を用いて、LNGの輸送力の確保に努めています。
    今後、フリーポートプロジェクト等、新規プロジェクトの開始に伴いLNGの輸送量が拡大するなか、当社は既存船団を有効に活用することに加え、適宜船団を拡充することで、安定的かつ経済的な原料調達に努め、天然ガスの普及に取り組んでいきます。
  • 「LNG JUNO」(エルエヌジー ジュノー)

    「LNG JUNO」
    (エルエヌジー ジュノー)

■大阪ガスのLNG船団(2020年3月31日現在)
船名 1 2 3 4 5 6 7 8
LNG
JAMAL
LNG
DREAM
LNG
BARKA
LNG
JUPITER
LNG
VENUS
LNG
MARS
LNG
JUNO
LNG
SATURN
積載容量 135,000m³ 145,000m³ 153,000m³ 153,000m³ 153,000m³ 153,000m³ 180,000m³ 153,000m³
タンク
形式
モス×5基 モス×4基 モス×4基 モス×4基 モス×4基 モス×4基 モス×4基 モス×4基
船舶
管理者
日本郵船(株) 日本郵船(株) 日本郵船(株) 日本郵船(株) (株)
商船三井
(株)
商船三井
(株)
商船三井
(株)
商船三井
建造
造船所
三菱重工業(株) 川崎重工業(株) 川崎重工業(株) 川崎重工業(株) 三菱重工業(株) 三菱重工業(株) 三菱造船(株) 三菱重工業(株)
就航
利用開始
2000年 2006年 2008年 2009年 2014年 2016年 2018年 2020年
(就航2016年)

TOPIC)フリーポートLNGプロジェクトの商業運転を開始

  • フリーポートLNG基地 Freeport LNG Development, L.P.提供

    フリーポートLNG基地
    Freeport LNG Development, L.P.提供

  • 大阪ガスと(株)JERAがFLNGリクイファクション社(以下、第1系列液化会社)を通じて参画している米国テキサス州におけるフリーポートLNGプロジェクトは、2019年12月8日(米国現地時間)、液化天然ガス(LNG)生産設備第1系列において商業運転を開始しました。
    第1系列液化会社が2014年10月に最終投資決定して以来、約5年を経て商業運転を開始したことになります。
    本プロジェクトは、米国のガス市場から調達した天然ガスを輸出用に液化加工するもので、フリーポート社がオペレーターとして推進しているLNGプロジェクトです。今後、当社とJERAは、第1系列液化会社との間の液化加工契約に基づき、それぞれ年間約232万tのLNGを引き取る予定です。
    両社は、2014年の参画以降、プロジェクトの立ち上げに貢献してきました。さらに今後のプロジェクト運営により得られる知見を、LNGビジネスの拡大に生かしていきます。また、本プロジェクトからのLNG調達を通じて、仕向地制限のないLNGを確保するとともに、供給ソースの分散化や価格指標の多様化を進め、安定的かつ柔軟なLNG調達に努めます。
■フリーポートLNGプロジェクトの概要
所在地 米国テキサス州 フリーポート市
液化設備能力 約500万t/年×3系列
契約容量 大阪ガス:約232万t/年(液化加工契約20年間)
JERA:約232万t/年(液化加工契約20年間)