(策定)平成11年6月
(改訂)平成11年12月
大阪ガス株式会社
コンピュータ西暦2000年問題に関する危機管理計画
4.問題発生の想定・対策・行動計画
(1)原料調達
(2)都市ガス製造設備
(3)都市ガス供給設備
(4)熱供給設備
(5)基幹事務処理システム
(6)当社製品
都市ガスの製造供給は、都市ガスの需要変動に合わせたコントロールを行なっているため、設備の運転制御には年月日情報を必要とせず使用していない。これについてはマイクロチップレベルまでの調査を行ない、問題のないことを確認している。従って西暦2000年問題(Y2K問題)に起因する都市ガス供給中断などの支障が生じる恐れはない。
なお、都市ガスの製造供給設備の状態監視や運転記録を行なう機能には、年月日情報を使用しており、Y2K問題対策が必要なものがあるが、これらの機能は運転制御機能と分離されており、制御機能に影響を与えることはない。
Y2K問題に関しては、システムや機器の点検・改修を行なうとともに、特に重要なものについては模擬テスト等を実施することにより万全の対策を講じているが、さらに不測の事態が発生した際にも、
1) 都市ガスおよび熱の供給の継続
2) 都市ガスおよび熱の供給に関する保安レベルの確保
3)
ガスメーター及び当社製のガス消費機器の安全かつ安定した稼動の維持
4) お客さまとの円滑な料金収受の確保
5) 外部機関からの資金、資機材、原料等の供給継続
を図る必要がある。このような観点から、事前のリスク低減策や事後の代替策・復旧策を講じることにより、社会インフラとしての都市ガス、熱の供給を確保し、お客さま、取引先ならびに当社が受ける損失を最小限に抑えることを目的として、危機管理計画(コンティンジェンシープラン)を策定する。
当社の経営資源(コンピュータシステム、機器、製品、社会インフラなど)について、万一Y2K問題に起因する不具合が生じた場合に、その社会的影響が大きいと想定される下記の業務を危機管理計画の対象と定める。
| 業務 | 対象となる経営資源 |
| 原料調達 | LNG調達先(ガス田、液化基地、LNG船)ほか |
| 都市ガス製造 | 製造所の運転制御用・管理用・防災用・受配電用の各システム、計装品(計測器・検知器・伝送器類)、電力、用水ほか |
| 都市ガス供給 | 供給制御監視システム、供給所計装品、サテライト基地制御用システム、社内通信設備、電力ほか |
| 熱供給 | エネルギーセンターの運転制御用・管理用の各システムほか |
| お客さま先納入の製品 | お客さま先の家庭用・業務用・産業用の各種ガス消費機器、マイコンメーター、安全システムほか |
| 基幹事務処理 | ホストコンピュータ、ネットワーク、料金システム、受付システム、経理システム、発注システム、資機材調達先、金融機関ほか |
西暦2000年における以下の期日を問題発生の可能性が高い「問題発生想定日」として定め、重点的に確認作業や問題発生時の準備を行なう。
| 月 | 日 | 問題発生想定日の意味 | 対象となる主な資源 |
| 1 | 1 |
|
|
| 1 | 2 |
|
|
| 1 | 3 | ||
| 1 | 4 |
|
|
| 1 | 5 |
|
|
| 2 | 29 |
|
|
| 3 | 1 |
上記以外にも、年初のLNG船の入船日、指定日払い実施日、2000年12月31日などについて個々のシステムごとに問題発生想定日を定める。 |
以下におもな業務・経営資源での想定リスクと危機管理計画(リスク軽減策、代替策、問題発生想定日の点検・復旧体制)を示す。
(1)原料調達(LNG)
当社が導入している5ヶ国(インドネシア、オーストラリア、ブルネイ、マレーシア、カタール)の各LNG調達先(ガス田、液化基地、LNG船)に対して、文書、プレゼンテーションによる確認および現地調査等を実施し、各LNG調達先において、適切な体制と評価方法のもとで、すべての対策が完了していることを確認している。
万一LNGの供給に支障が生じた場合には、在庫を活用するとともに、バックアップ設備として、ナフサやLPGを原料とする代替天然ガス製造設備(SNG)を稼動させることにより対応する。
今後とも各調達先に対する調査を継続実施するとともに、以下の対策を講じることにより、万全を期す。
年初のLNG船受入を回避した配船を行なう。
LNG在庫が年末時点で約1ヶ月分となるよう、管理を行なう。
LNGプロジェクトの買主、売主、商社、船社間の連絡体制を整備し、年初における支障発生の有無の確認や、万一の支障発生時の対策協議を、迅速、的確に行う。
SNG設備の迅速な立上げが可能となるように待機させる。
(2)都市ガス製造設備
都市ガス製造を直接制御するシステムや設備については、ソフトウェアおよびマイクロチップを含むハードウェアについての調査を実施し、年月日情報が用いられておらず、Y2K問題の影響はないことを確認している。また運転記録など一部の周辺機能についての改修が必要であるが、既に模擬テストを含むすべての対策が完了している。
例年、年初は、ピーク需要日に対して5割程度の都市ガス需要であり、十分な供給余力を有しているため、一部の製造設備に支障が発生した場合にも、問題なく都市ガスの製造供給は継続可能である。また、停電や断水などの社会インフラの停止に対しても、従来より自家発電機や用水の貯蔵設備などを有しているため、問題は発生しない。
しかし、万一不具合が発生した場合に備え、以下の対策を講じる。
高圧幹線、ガスホルダーの圧力を可能な範囲で高く維持することにより、製造所設備における不具合発生時の影響を極小化できるようにする。
製造所システム・設備の不具合発生に備え、手動運転のための要員、保守点検要員も増員する。また1月1日の0時からシステム・設備の総点検を実施する。
メーカー専門家の待機とともに、メーカー工場との連絡体制も整備する。
(3)都市ガス供給設備
都市ガス供給を直接制御するシステムや設備については、ソフトウェアおよびマイクロチップを含むハードウェアについての調査を実施し、年月日情報が用いられておらず、Y2K問題の影響はないことを確認している。また運転記録など一部の周辺機能についての改修が必要なものは既に模擬テストを含む全ての対策が完了している。停電や通信などの社会インフラの停止に対しては、従来より自家発電機や社内通信設備などを有しているため、問題は発生しない。
しかし、万一不具合が発生した場合に備え、以下の対策を講じる。
供給調整などのオペレーションを、可能な限り年内に前倒し実施する。
中央指令室からの遠隔制御や監視システムに不具合が生じた場合に備え、高圧ステーションやガスホルダー設備の現地手動運転のための要員を事前に配置する。
社内通信、公共通信がともに停止した場合に備え、衛星携帯電話を主要施設に設置する。
中央保安指令室のシステム・設備の不具合発生に備え、保守点検要員を増員する。また1月1日の0時からシステム・設備の総点検を実施する。
メーカー専門家の待機とともに、メーカー工場との連絡体制も整備する。
(4)熱供給設備
熱供給を直接制御するシステムや設備については、ソフトウェアおよびマイクロチップを含むハードウェアについての調査を実施し、年月日情報が用いられておらず、Y2K問題の影響はないことを確認している。また運転記録など一部の周辺機能についての改修が必要なシステムについては、既に模擬テストを含む全ての対策が完了している。
しかし、万一不具合が発生した場合に備え、以下の対策を講じる。
制御システムや通信設備の不具合発生時に備え、全てのエネルギーセンターに事前に要員を配置し、手動運転が可能な体制をとる。
メーカーへの連絡・呼出し体制を確立する。
(5)基幹事務処理システム(料金システム、受付システムなど)
基幹事務処理システムについては、ホストコンピュータなどの全てのハードウェア、ソフトウェアの点検・改修・模擬テストを完了しており、社外取引先との接続テストも順次実施した。また大阪のコンピュータセンターに支障が生じた場合にも、京都のバックアップコンピュータセンターにより、主要な処理は代行実施が可能となっている。
しかし、万一不具合が発生した場合に備え、以下の対策を講じる。
年末の最終データバックアップを徹底して実施するとともに、特に使用頻度が高いデータについては、事前に紙への出力を行なう。
データ入力処理を可能な限り年内に完了する。
保守点検要員を増員し、1月1日の0時からホストコンピュータ、ネットワークの稼動状況を点検実施する。
1月1日以降、営業開始日までの休日に、2000年実環境下でのシステムの最終稼動確認を実施する。
メーカーへの連絡・呼出し体制を確立する。
万一システム停止が長期化した場合に備え、手作業による料金収受、購買、支払等の業務が継続できるよう、必要な帳票等を準備する。
(6) 当社製品(ガス機器、マイコンメーターなど)
当社がお客さま先に納入しているガス消費機器本体、マイコンメーター、安全装置については、メーカー調査の結果、年月日情報が用いられていないことなどから、Y2K問題の影響がないことを確認している。一部付属システムで対応が必要なものについては、各お客さまに連絡を行ない既に対策を完了している。あわせて以下の対策を講じている。
- ガス機器メーカー等への調査、情報交換を実施し、万一問題があることが判明した場合はお客さまへの速やかな情報告知を行なう体制としている。
- コージェネ等に接続されているお客さま先システムの不具合により、当社製品の稼動に支障が生じることがないよう、お客さま先システムを調査し、お客さまによる点検必要範囲の周知を行なっている。
- 社会的に重要な施設等に対する当社製品対策状況の周知を行なっている。
問題発生想定日には、さらに以下の対策を講じる。
- 都市ガス供給状況、ガス機器作動状況に関する問合せの増加に備え、お客さま対応マニュアルの整備をはかるとともに、受付体制を増強する。
- 年初にはお客さま先、社員宅等における製品稼動状況をサンプリング調査し、問題発生の有無を迅速に確認する。
- コージェネ等のメーカーやメンテナンス会社等との連絡・対応体制を強化する。
問題発生想定日には、防災業務計画に準じたY2K対策本部を設置し、各組織での当日点検結果の集約、万一不具合が発生した場合の復旧策・代替策等の発動とともに、所轄官庁等への報告や社外機関との連絡調整を行なう。
下表は12月31日20時から1月5日9時にかけての体制であり、要員数は最大時には約720名となる。
なお、これとは別に、通常の保安指令センターや、製造所等の当直体制があり、その人数は約290名である。
| Y2K対策本部 |
部署 |
標準分掌業務 |
責任者 | |
| 【本社対策本部】 |
|
【本部長】 副社長 |
|
| 製造供給対策室 |
|
【対策室長】 担当役員 |
|
| 事務・管理対策室 |
|
||
| 製品・顧客対策室 |
|
||
| 本部室 |
|
【本部室長】 担当役員 |
|
| 【各組織対策本部】
各地区対策本部 |
|
【本部長】 各組織の長 |
|
関係官庁、自治体、他ガス会社、他社会インフラとの連絡窓口を定め、情報交換、連携を十分に図ることのできる体制を整備する。
これまでに各組織に危機管理計画の周知を行なうとともに、
各組織での代替策(手動操作など)の習熟訓練(10〜11月)
12月31日夜〜1月1日にかけてのY2K対策を想定した全社規模の訓練(11月)
を実施しているが、さらに各組織での本計画改訂内容周知と、実務マニュアルの最終確認を行う。また社外機関が主催する訓練にも適宜参加する。
本計画の策定後も、社外の情勢変化等が発生した場合には、計画の見直し、対応策の強化等を行う。
以 上