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お役立ち情報

子供への言葉

 自分の成長とともに、幼い頃の記憶についての理解が変わっていく……。そんな経験はありませんか?

 幼稚園の頃、一番仲のよかったお友達と遊んでいて、ふと「今日は早く帰ってきなさい」と母に言われたことを思い出し、急いで帰ろうとしました。ところが、そばにいたその子のお母さんが、「帰ってしまうなら、もうあなたとは遊ばないよ」と言うのです。私は驚き、悲しくて、泣き出してしまいました。

 普段は優しいおばさんが、なぜ意地悪を言うのか。当時はそれが分からず、ただ悲しかったという思い出です。年月を経て、私はあの時のおばさんの態度は、少しひどいのではないか、自分の子供と遊ばないからといって、間違っているのではないかと思うようになったのです。

 そして今、わが娘。ちょうどあの頃の私と同じような年になりました。明るい子ですが、お友達と遊んでいても、「私、やめた」などと言ってふらりと別の場所に行ってしまう、気ままな女の子です。その姿を見ていると、「そんなことをしていたら、もうお友達は、誰もあなたと遊んでくれなくなっちゃうよ」。つい、そう言いたくなります。

 記憶の中の幼い私は、今のわが子と同じ態度を、お友達に対してとっていたのではないか。一緒に楽しく遊んでいるお友達のことは放っておいて、自分勝手に振る舞ってしまう。おばさんは、今の私と同じことを言いたかったのではないだろうか……。理解するのに、ン十年。おばさん、長い間悪者にしてしまって、本当にごめんなさい。

 これは、心ある人が残した言葉の意味が、後に理解できたという例ですが、違う場合もあるでしょう。後になってある言葉の意味に気づいて嫌な気持ちになることや、深く傷つくこともあるかもしれません。そう考えると、子どもを侮ってはいけない、と心から思います。「今、この子と交わすこの言葉は、いつか大人の知性で理解される時がくる」。そう肝に銘じて、子供たちと接しよう、と思います。


出典:大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所 研究員 加茂 みどり
毎日新聞 大阪本社 夕刊 2013.11.8掲載

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