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お役立ち情報

海とともにスロー、スマートに

 北の海でたっぷり栄養をとり、南下してくる秋が旬のサンマ。その水揚げ量が日本有数の宮城県気仙沼市を訪ねました。リアス式の奥深い入り江。紺碧(こんぺき)の海に並ぶ白い遠洋漁船。丘陵の深緑。四方に広がる深みのある美しさに、思わず、この景色を永遠にとの気持ちがわきました。水揚げ日本一のカツオ、メカジキやカキなども有名ですが、フカヒレは世界最高の品質で、中国のほとんどの高級中華料理店でも使われているとのこと。伝統的な料理技法なども含めて、独自の食文化が育まれてきたようです。一方、あの日を忘れないとの思いからか、町の食堂に震災当時の写真が飾られるなど、厳しい現実にも触れました。その気仙沼市が2012年に日本で初めて、「スローシティ」に認定されました。

 スローシティとは、特有の文化や景観を守るなど、人間らしい、質の高い暮らしを目ざす町。世界で認定された町は177に広がっているようです。島村菜津氏の近著「スローシティ」では、イタリアにおける発祥の経緯や、豊かに暮らす個性的な町を紹介。高層化や画一的な住宅建設などが進んだ町が、均質で個性が見えなくなってないか、スピードと効率の時代で、人間が置き去りになってないかなどの課題意識も示され、大切な視点に気づかされます。最先端の技術でエネルギーの利用効率を高める「スマートシティ」などでも、この点に目を向けた町づくりに期待です。

 気仙沼市は03年に全国で初めて「スローフード都市」を宣言。かけがえのない風土と食文化を守り、個性的な町づくりを行う決意を表明しました。11年10月には、復興計画「海と生きる」を策定。“スローでスマートなまちとくらし”を目標として、再建する水産加工団地でのスマートシティ計画などもあるようです。そこには、固有の文化を守りながら、未来に向かうとの気持ちが示されています。そして、市民から提案された言葉、海と生きる。凛とした町の決意を感じます。


出典:大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所 所長代理 加賀城 俊正
毎日新聞 大阪本社 夕刊 2013.10.25掲載

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