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環境シリーズ

第4話 地球と動物たちの現状

執筆:自然写真家 丹葉 暁弥氏

 シロクマは北半球で約14から16の地域毎に、それぞれ毎年同じ行動パターンを繰り返す。海に氷が張ると猟に出て、時には数百キロの旅に出る。そして、氷が溶ける頃に陸地に上がり、夏の間はのんびりと過ごす。これは、ほぼ“ワタリ“に等しいと思う。その行動パターンも近年の地球温暖化のために崩れつつあり、毎年の気象変動の変化に追いつけなくなっている現状がある。猟のシーズンに十分に栄養を蓄えられなくなってきた昨今、彼らの体重も減り、大きさも小さくなってきている。それはある意味、ギリギリの環境適応とも言えるだろうが、その限界も見えている。地球は依然として人間の開発や国家間の利権のために荒らされ、温室効果ガスの排出量も規制はされてきているとはいえ、増えているのが現状だ。そして、人間同士の争いのために、シロクマはもちろん、全世界の野生動物や植物が毎日絶滅している。

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 自分は、シロクマが絶滅するとわかっているから写真を撮り続けているのではない。彼らの事を愛しているから毎年のように逢いに行き、彼らと同じ空の下で同じ空気を吸って、同じ空間にいるというだけでとても幸せなのだ。もっと人間は自然や動物たちに優しくなれないのだろうか。子供の頃に、動物や自然を愛していた気持ちを思い出して、地球を大切にしなくてはいけないと気づいて欲しい。自分の子供や、孫が大人になる頃シロクマたちは地球上に存在しているのかを考えて欲しい。そして、人間もシロクマも同じ地球上に暮らす動物であることをわかって欲しい。どうしても人間は自分の生活をいちばんに考えてしまう。そして、争いが起きる。

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 ある時、自分の目の前で信じられない事が起きた。野生のシロクマの一頭が、エスキモー犬をとても大切に抱きしめている光景だった。これは、人間は奇跡と言いたがるけど、そのシロクマと犬にとっては普通の当たり前の事だったのかもしれない。そのシーンを見た時に思った事は、食物連鎖の頂点に立つシロクマと、弱者である犬が仲良く友達になれるのに、どうして同じ種族である人間は戦争や無駄な争いばかりするのだろうと思った。これからの地球環境を考える上でいちばん大切な事は、地球に対して、人間に対して、動物に対して優しくなる事ではないのだろうか。この連載をご覧頂いたみなさんの一人でも、私に共感してくれる人が居れば、きっとシロクマたちが微笑んでくれると思います。

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丹葉 暁弥(たんば あきや)自然写真家 プロフィール

北海道釧路市生まれ。1985年野生のペンギンに逢いたくて南極へ渡航。1998年野生のシロクマに逢いたくて、カナダに通い始めて以来、シロクマの虜になる。

著書

新刊:9月28日「HUG! today」(小学館)

その他:野生のシロクマと犬との物語写真集「HUG! friends」(小学館)、シロクマと地球の写真集「HUG! earth」(小学館)他

丹葉 暁弥(たんば あきや)


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