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環境シリーズ

第3話 地球と動物たちの現状

執筆:自然写真家 丹葉 暁弥氏

 極北の動物たちは冬になると雪のような純白の冬毛に生え替わる。その姿は神々しくとても美しく、そして可愛い。ホッキョクウサギ、ライチョウ、シロハヤブサ、シロフクロウ等がこのシロクマたちが生息しているエリアに広く分布している。この地はツンドラ地帯と針葉樹林帯の境界という特殊な土地のために、極北の動物たちとそうではない動物たちとが共存している。キツネに関して言えば、キタキツネのような赤毛のレッドフォックスや、シルバーフォックス。そして極北の天使とも言うべきとても可愛らしいホッキョクキツネが生息する。近年、地球温暖化の影響でここツンドラ地帯の気温も上昇してきているため、下緯度に多く生息するアカキツネが生息域を上緯度に移動してきて、アカキツネよりも一回り身体の小さなホッキョクキツネの生息域を脅かしている。そして私がこの地に通い始めた頃には見ることがなかったワタリガラスの数も年々多くなってきている。

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 本来ならば地球の温暖期や寒冷期の大きなサイクルには時間を掛けて順応してきていたはずである動植物は、最近の急激な地球の温度上昇に順応するにはとても戸惑っているはずである。

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環境シリーズ イメージ写真 今、シロクマたちの生息域の南限であるこのエリアは毎年海に張る氷の時期が短くなっている。短くなると言うことは冬の間シロクマたちが氷の上で子供を産むアザラシの狩猟期間が短くなると言う事だ。彼らは夏の間の約半年をほどんど絶食で耐えしのぐ。それは、冬の間にアザラシを食べて、身体に脂肪を蓄えるから出来る事であり、十分な栄養と脂肪を得られなければ彼らにとっては死活問題なのだ。この先30年でこのエリアのシロクマたちが絶滅するという研究報告も出ている。実際私がこの地に通い始めた17年前に比べても、彼らの数は減ってきていると感じている。地球温暖化は少なくとも人間の影響はあると思う。人間が便利で快適な暮らしをしているその代償に、シロクマや極北、全世界の動植物たちが犠牲になりつつあることを私たちは忘れてはならないと思う。

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丹葉 暁弥(たんば あきや)自然写真家 プロフィール

北海道釧路市生まれ。1985年野生のペンギンに逢いたくて南極へ渡航。1998年野生のシロクマに逢いたくて、カナダに通い始めて以来、シロクマの虜になる。

著書

新刊:9月28日「HUG! today」(小学館)

その他:野生のシロクマと犬との物語写真集「HUG! friends」(小学館)、シロクマと地球の写真集「HUG! earth」(小学館)他

丹葉 暁弥(たんば あきや)


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