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大阪ガス技術開発情報
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[原料・生産・発電技術]

高速応答型熱量計の開発

エンジニアリング部

開発目的

 従来の熱量計測装置は計測過程でサンプリングに長い時間を要していました。このサンプリングによる時間遅れがあると、急激な流量変動が生じた場合、熱量を正確に計測できないことがあります。そこで、大阪ガスではサンプリングに要する時間を短縮することにより、熱量をより迅速にかつ精度よく計測できる高速応答型の配管挿入型超音波熱量計の開発を行いました。

超音波熱量計外観

高速応答型熱量計の特徴

 大阪ガスは、都市ガス中を伝播する音速が都市ガスの分子量によって変化する特質を利用した挿入型超音波熱量計を開発しました。この熱量計の特徴は以下の通りです。

  • 応答が速い(1秒)
  • 高精度(±0.4%)
  • 高圧で測定可能(Max 10MPa)
  • ガスのサンプリングおよび後処理が不要
  • 熱量と流量の同時測定が可能
  • 圧力損失がほとんどない。

測定原理

 一般に気体中を伝播する音速Cは気体の分子量Mによって変化します。
(気体が単一成分の場合)
  ここで、Cpは定圧比熱、Cvは定容比熱、Rはガス定数、Tは温度、Mは分子量を示します。 上式から、気体中を伝播する音速を測定すれば、気体の分子量を知ることができます。そして、分子量と発熱量の関係から発熱量を求めることができます。しかし、多成分から構成される都市ガスの場合、音速が同一であっても成分によって熱量が異なるため、多成分から構成される都市ガスの場合においても、音速から熱量を計測できるように熱量計算アルゴリズムを開発しました。

フィールドテスト

 1997年から大阪ガス姫路製造所内のガス配管に超音波熱量計を設置し、フィールドテストを実施しました。

  • 応答性:超音波熱量計は時間遅れが無く、近傍設置の既設熱量計より約90秒速く応答。(下図参照)
  • 精度:超音波熱量計は熱量値の誤差が±0.4%以下。
  • 長期使用での機器の安定性:時間的なデータ変動、外気温、天候によるデータへの影響はなし。


応答性確認フィールドテスト結果例

まとめ

 この熱量計は高速応答なので、熱量の迅速な制御によるガスの品質向上に大いに貢献します。また、1台のセンサで熱量、比重、流量が同時に測定でき、サンプリング設備、減圧設備を必要としないため、設備のトータルコストの低減も図ることができます。
 既に大阪ガスの製造所や高圧ガスステーションで多数の使用実績があります。