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プレスリリース

家庭用固体高分子形燃料電池(PEFC)コージェネレーションシステムの40,000時間の耐久性にめどをつけました

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2008年3月13日
大阪ガス株式会社

 大阪ガス株式会社(社長:芝野博文)は、家庭用固体高分子形燃料電池(以下、PEFC)コージェネレーションシステムの商品化の最大の課題であった耐久性について、初期商品化の目標である40,000時間にめどをつけました。今後、コストダウンと信頼性の向上を加速し、平成21年度の商品化を目指します。
 
 PEFCコージェネレーションシステムの商品化については、コストダウンと耐久性の確立が技術課題となっています。特に、PEFCの心臓部であり、水素と酸素を電気化学的に反応させ電力を取り出すセルスタックの長期耐久性に関しては、試作機を用い実際の稼働時間をかけて耐久性を検証する場合、多くの時間を要するため、早期に耐久性の見通しをつける検証方法の確立が課題となっていました。
 このたび、当社では、独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構(以下、NEDO技術開発機構)の委託を受けて実施している「固体高分子形燃料電池スタックの劣化解析基盤研究」を通じて得られた知見と、当社独自に積み上げてきた研究データに基づき、セルスタックの劣化メカニズムを解析しました。これらを活用し、共同開発メーカーのセルスタックの長期的な劣化状況を検証した結果、平成21年度に商品化予定のセルスタックでは、40,000時間の耐久性を確保できるめどをつけました。
 
 また、当社が開発しているシステムの主要な構成要素で、都市ガスを発電に必要な水素に変換する燃料改質装置については、平成14年に開始した連続耐久運転が、本年1月に40,000時間を超え、世界で初めて、PEFC用燃料改質装置における40,000時間の耐久性を実際の稼働時間で実証しました。
 
 これらにより、PEFCコージェネレーションシステムとしての40,000時間の耐久性には見通しがついたことになり、今後、システムのコストダウンと信頼性の向上に注力し、平成21年度の商品化を目指して開発を加速してまいります。
 

NEDO技術開発機構からの委託研究として、PEFCスタックの40,000時間の耐久性を平成20年度までに確立するため、国内PEFCのトップメーカー、エネルギー事業者、PEFCの第一線の学識経験者が、独自の知見を出し合って、劣化メカニズムを解析し、1年以内に40,000時間の耐久性を見通せるセルスタックの劣化加速手法の開発を目指すプロジェクト。そのうち、大阪ガスでは単セルおよびセルスタック単体、システムの運転評価を行い、劣化加速手法の科学的・実用的検証を実施している。
 
期間:平成17年7月〜平成20年3月
参画団体:三洋電機(株)、東芝燃料電池システム(株)、松下電器産業(株)、大阪ガス(株)、東京ガス(株)、新日本石油(株)、(独)産業技術総合研究所、京都大学、横浜国立大学、同志社大学、大阪市立工業研究所
プロジェクトリーダー: 小久見善八教授(京都大学)
予算規模:約20億円(3年間)
  本年度末で成功裏に終了の予定であり、成果は、来年度以降にNEDO技術開発機構の成果報告書として公開される予定。
 
 
 
以  上
 
 
<別紙>
 
1.大阪ガスが開発しているPEFCコージェネレーションシステム本体の仕様
 
メーカー 三洋電機(株) 東芝燃料電池システム(株)
発電出力 (定格/最低) 750W / 250W 700W / 250W
発電効率※1(定格/最低) 35%以上 / 27%以上 35%以上 / 27%以上
総合効率※1(定格/最低) 80%以上 / 60%以上 80%以上 / 60%以上
排熱回収温度 60 ℃以上 60 ℃以上
系統連系 あり(逆潮なし) あり(逆潮なし)
運転方法 学習制御による最適運転 学習制御による最適運転
※1 低位発熱量基準
 
2.PEFCコージェネレーションシステムの構成
PEFCコージェネレーションシステムの構成
(1) 燃料改質装置:都市ガスやLPGなどの燃料を触媒反応により水素に変換する装置
(2) セルスタック:水素と空気中の酸素を電気化学的に反応させ、直流の電力を取り出す装置
(3) インバータ:直流の電力を交流に変換し、家庭の電力線に供給できるようにする装置
(4) 排熱回収装置:燃料改質装置やセルスタックから出る排熱を温水として回収する熱交換器類
(5) 貯湯ユニット:排熱を回収した温水を貯めるタンク、およびバックアップボイラで構成される給湯(暖房)ユニット
上記以外に、ガスや水を一定流量流すためのブロアやポンプ、センサーや制御装置などの補機類があります。
 
3.40,000時間の耐久性確立の要点
(1) セルスタック
   セルスタックの長期耐久性を見通すためには、発電効率の低下につながる電圧の低下を把握する必要があります。しかし、長時間運転すると電圧は時間の経過とともに加速度的に低下する傾向があり、電圧低下が顕在化する前に耐久性を予測することは不可能でした(図1)。当社は、NEDO技術開発機構の委託研究および独自の研究で得た知見をもとに、その劣化メカニズムを以下のように解析しました。
 
加速度的な電圧低下は、回復可能な現象と回復不可能な劣化に分離できることを実証(図2)
回復不可能な劣化について、加速度的変化を予測可能な直線的変化に変換する理論式を構築(図1 → 図3)
電圧低下が顕在化する前に劣化傾向を定量的かつ高感度に測定する方法を考案(図3)
回復可能な電圧低下についてはセルを改良し、その効果を実証(図2)
   これらの知見に基づき、NEDO技術開発機構の委託研究の中で行っている長期耐久試験や当社独自に実施しているその他の耐久試験結果、及び、共同開発を実施しているメーカーのセルスタックのデータなどを検証した結果、初期商品化予定のセルスタックでは、40,000時間の耐久性が見込めることを確認しました。
   これにより、平成20年度に実現を目指していた40,000時間の耐久性の確立は計画通り達成できることになりましたが、PEFCシステムとしてご家庭での耐用年数を10年とするためには、60,000〜80,000時間の耐久性が必要であり、引き続き耐久性向上の研究を続けてまいります。
劣化メカニズム解析
 
(2) 燃料改質装置
   大阪ガスでは、平成10年からPEFC用燃料改質装置を開発し、平成13年以降、三洋電機(株)、東芝燃料電池システム(株)をはじめ、国内外8社に実施許諾をしており、大規模実証事業向けなどに1,000台以上の出荷実績があります。今回、実際の稼働時間で40,000時間を達成したのは、平成14年に製作、定格連続運転を始めた比較的初期の1kW用のモデルです(写真)。40,000時間経過後も、改質効率 ※2は76%(LHV※3)と、初期の77%から殆ど低下しておらず、セルスタックの電圧低下の原因となる改質ガスのCO濃度も1ppm以下と低い値を維持しており、高い耐久性を有する事を実証できました。
   また、天然ガス中のメタンを水素に変換する触媒の耐久性については、90,000時間使用後相当に加速劣化させた触媒を改質器に充填し、殆ど性能が低下しない事を確認しており、触媒については10年の耐久性は確立できたと考えております。さらに、3,000回の起動停止(実運用では約1,200回/10年)に対する耐久性も確認しており、今後は、現在続けているコストダウンを推進すると共に、製品品質の安定化を図ってシステムの商品化に備える予定です。
  ※2 燃料改質装置に投入される都市ガスの熱量のうち、燃料電池で消費される水素の熱量の割合
  ※3 低位発熱量基準(Lower Heating Valueの略)
 
【40,000時間の耐久性を実証した燃料改質装置の写真】
40,000時間の耐久性を実証した燃料改質装置の写真
 
○本件に関するお問い合わせ先
  大阪ガス株式会社
  家庭用コージェネレーションプロジェクト部 (06-6460-6280)

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