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生活情報

世界で初めて確認!料理で脳は活性化〜大人も子供も調理中は、脳が活発に活動することを確認〜

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2004年8月

NO.04−10

 

 大阪ガス(株)では、長い歴史の中で人間の暮らしを支え続けてきた「火」の効用を具体的な「調理」という切り口から検証するために、近赤外線計測装置(以下、光トポグラフィ)を用いて、調理中の脳活動の計測実験を実施しました。
 今回、実際の住宅内にある台所で、夕食の献立を考えることからガスコンロを使っての調理、盛り付けまでを行い、「大人も子供も調理中は、脳が活発に活動する」ことを、この研究の第一人者である東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授と共同で確認しました。光トポグラフィを使用した調理中の脳活動の計測実験は、世界で初めてのものです。
 
 なお、川島教授は単純計算や音読、他者とのコミュニケーションの行為が、左右の大脳半球の前頭連合野を活性化し、脳機能を発達、改善させることを実証されています。本実験は、この効果に着目して調理における脳活動の計測を行ったものです。
 
 従来の研究知見や今回の共同研究結果から、川島教授は『「調理を行うこと」によって、音読や単純計算、他者とのコミュニケーションの実証事例に見られたような前頭連合野の活性化を確認しました。これらの実験結果から「調理を行うこと」によって前頭連合野を鍛えることができると考えられ、前頭連合野の活性化は、大人であればコミュニケーションや創造力等社会生活に必要な能力向上が期待でき、子供であれば前頭連合野の働きである情操面や抑制力等、情緒の安定に結びつくと推測される。』という結論が導きだされました。
 
 当社では、約80年の歴史をもつ料理教室の開催や子供向け料理教室での食育活動等、長年にわたり料理を通じてお客さまの生活に関わってきました。しかし、最近、食生活の多様化や食の外部化が急速に進み、家庭での調理の機会も確実に減っています。また、中食(なかしょく)や温めるだけの簡便な食事も増加する中、一方で料理を作ることや、食べるということの本来の楽しさや豊かさが改めて見直される等、食に関する重要性が話題となっています。
 
 そうした中で現在の生活者にとって、暮らしの中での「火」との接点とも言える「ガスコンロ」による毎日の加熱調理は、脳機能の活性化に一役買っているようです。また、親子で行う調理についても、脳機能の活性化が確認できました。これらの成果が、新たに調理の価値を見直す機会となり、今後の生活にお役立ていただければと考えております。
 
 なお、本実験結果は、東北大学川島研究室から2005年6月に第11回国際ヒト脳機能マッピング学会(トロント、カナダ)で発表される予定です。
 
 
《調理における脳活動の計測結果》
 
(1) 調理中の脳活動の計測
   「夕食のメニューを考える」、「切る」、「ガスコンロで炒める」、「盛り付ける」の4つのいずれのプロセスにおいても、左右の大脳半球の前頭連合野が活性化した。
 
   
(2) 親子クッキング中の子供の脳活動計測
   親子で会話しながら調理している時の子供の脳活動は、「ホットケーキを焼く」、「盛り付ける」のいずれのプロセスにおいても左右の大脳半球の前頭連合野が活性化した。
 
 
※各図は、調理の各プロセスス中の脳活動分布を画像化したもの。
白:基準値の脳の状態  赤:基準値より活性化が見られる部位  
青:基準値より活性化が低下している部位
 
<実験方法>
・被  験  者 (1)成人女性15名 (35歳〜55歳)
    (2)親子7組(児童数男児3名・女児5名計8名:1組は兄弟。対象小学校高学年の児童とその母親)
・実 験 場 所 大阪ガスの実験集合住宅NEXT21「305住戸」
    リビングダイニングキッチン部を使用
    ダイニングテーブルにて実験の説明及び準備、キッチンにて調理実験
    調理には、ガラストップコンロ「クラスS」を使用
・環 境 設 定 一般家庭の雰囲気に近づくように、食器類、小物等を設置
・実 験 時 期 2004年5月13日〜17日
・具体的な実験内容
(1) 成人女性による調理実験
夕食のメニューを考える
   食卓の椅子に座り目をつむり、残り物の有無、何を購入する必要があるか等も考慮し、1品ではなく何品かをその日の家族全員分の夕食として考えている時の脳活動の計測した。
「切る」、「ガスコンロで炒める」、「盛り付ける」作業
   ガスコンロを使用し、「魚介と野菜の炒め物」 を調理。「切る」、「炒める」、「盛り付ける」の3つのプロセスに分け各プロセスの間に1分30秒の安静時間をとり、それぞれのプロセスにおける脳の活動を計測した。
(2) 子供が調理や盛り付けを簡単に楽しめるホットケーキを焼く。まず親が手本を見せて、次に子供が親のアドバイスの下で焼く。実験中は自由に親子で会話をしてもらい、「焼く」「盛り付ける」の2つのプロセスに分け、それぞれのプロセスにおける脳活動を計測した。
 
<川島隆太(かわしま りゅうた)氏 プロフィール>
 東北大学未来科学技術共同研究センター教授。
1959年生れ、千葉市出身。1985年東北大学医学部卒業。
1989年東北大学大学院医学研究科修了、スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員、東北大学加齢医学研究所助手、同講師を経て2001年より現職。前文化審議会国語分科会委員。
 人間の脳の働きを画像として計測する脳機能イメージング研究に従事。著書に「自分の脳を自分で育てる」、「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」「脳を鍛える大人の音読ドリル」など多数。
 
<出典:日立メディコ社パンフレット>
※「光トポグラフィ」について
 光トポグラフィとは、頭皮上から頭蓋内に 弱い近赤外線を照射し、再び頭皮上に戻る反射光を検出することで大脳皮質の血流量を検出し、その変化から脳活動を計測する日立メディコ社製の精密機械です(写真1)。
 照射及び検出はグラスファイバーで出来ているプローブを用います(写真2)。


写真1


写真2
「脳の構造と機能」
 脳は、大脳、間脳、中脳、小脳、橋(きょう)等に分かれ、人間では大脳が他の動物に比べて発達している。大脳の表面は皮質と呼ばれ、この皮質に人間のさまざまな機能をつかさどる部位が局在しています。
 本実験においては、脳の活動の中でも高次脳機能といわれる前頭前野の活性化について計測しました。意思や理解、記憶、言語等は、これらを統合する前頭連合野で処理されると考えられています。また、コミュニケーションや創造力、情操、抑制力等も前頭前野で処理され、人が他の動物と違うのは大きな前頭前野を持っているからだと言われる程、重要な働きを担う脳です。
 
 
脳の構造   脳のイメージ

 


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