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ENTERPRISE FUTURE
イノベーションを生む注目技術「フォーサイト・クリエーション」!

どうすれば新しい価値を創造できるのか? 1
すべては「気づき」から始まる

「新しい価値を生む」というイノベーションプロジェクトが社内で立ち上がったとしましょう。そこでまず困るのは、「何から着手すればいいのだろう?」という点です。 一般的に、最初に取り組みがちなのが、以下の内容です。

  • 識者の話を聞きに行く
  • 自社の技術をあらためて棚卸する
  • 社員を集めてブレストする

しかし残念ながら、これらはたいていうまくいきません。なぜなら、これらはすべて、真っ先に「答え」を探そうとしているからです。
これが受験であれば「答え」をすぐ出せれば良いのですが、新しい価値の創造においては正解はありません。
では何から始めるべきかというと、「気づき」です。世の中ではいろいろなことが起こっていますが、それらをよく観察し、そこから「気づき」を得ていくのです。歴史をひもといてみても、科学における偉大な発見や、新しいビジネスの創出は、すべて「気づき」から始まっています。意識していなければ見逃してしまうような「違和感のある事実」を見つけ、集めてみてください。それが、新価値創造のプロセス「フォーサイト・クリエーション」のすべての始まりです。

どうすれば新しい価値を創造できるのか? 2
新規性のある仮説を立てる。

会社や上司は性急に「答え」を求めてくるかもしれません。しかし、それでも「答え」から考えてはいけません。違和感のある事実や興味深い気づきが得られたら、それが「なぜ起こるのか」を推論することが重要です。
フォーサイト・クリエーションで用いる推論は、演繹や帰納ではなく、「アブダクション(仮説的推論)」です。身近な例を挙げると、医師の診断がこれにあたります。患者から症状の情報を集めて、それらの情報から「何の病気か」をアブダクションするわけです。アブダクションでは推論結果が100%正しいということにはなりません。ただ、本質はどこにあるのだろうか、を推論するには有効な方法です。「驚くべき事実が起こっている。しかし、この仮説が正しければ、そういう事実が起こっても不思議ではない。だから、この仮説が正しいと考えるべき理由がある」とする仮説法です。
ここで大切なのは、「新規性」のある仮説を立てることです。「それはこういうことだろう」と誰もが考える常識的な解釈からは、新しい価値は生まれません。名探偵ホームズと相棒のワトソンで考えてみましょう。同じ事件現場を見た上で、ワトソンは誰もが考えつく「常識的で正しそうな解釈」を得ます。一方で、ホームズは独自の着眼点から推論をし、「意外な真相」へとたどり着きます。
ワトソンの解釈を「リニアな解釈」と呼び、ホームズの出す「意外な真相」のことを「リフレームされたインサイト」と呼びます。
新価値創造で最も重要なのは、この「リフレームされたインサイト」です。

どうすれば新しい価値を創造できるのか? 3
新しい縦軸を創る。

よい仮説が得られたとしましょう。つまり、あなたは「本質的なニーズはここにある」ということが分かったということです。
では、それをどう具体的な価値にしていきましょう?
そのときにやりがちなのが、「仕様から考えようとすること」です。こういう機能をこういう形でつけて、とか、こういうサービスをして、といったところです。
それを考える前に、まずは「どういう価値を提供するのか」を明確にしましょう。
たとえば、「オーディオに求めるものは何か?」と聞かれれば、通常多くの人達は「音質」と答えます。「より良い音」というのがこれまでの価値軸だとしましょう。そこに携帯型の音楽プレイヤーは「屋外で音楽を楽しむ」という新しい価値軸を創りました。従来の価値軸を横軸だとすると、新しい価値軸は縦軸になります。
これを「価値のリフレーム」と言います。
この「新しい価値軸」を明確にして、その価値のコンセプトを明確にした上で、仕様を考えましょう。

どうすれば新しい価値を創造できるのか? 4
必要なのは、ボケてもよい環境と、仲間

新しい価値の提案があったときに、その有効性を目利きすることはとても困難です。
「これはイノベーションだ!」と後々言われるような提案であっても、最初は全く理解されないことは歴史が証明しています。
通常、新しい価値は以下の3つのステップを経ます。

  • 無視される
  • 怒られる
  • 「それが上手くいくことは、最初から分かっていた」と言われる

そういう厳しい状況を乗り越えるためには、2つの要素が必要です。
一つ目は、「ボケてもよい環境」です。
ボケるというのは、「真面目に常識的なことを言う」のではなく、「常識とは違う発想を発表する」ことを意味します。真面目で正解が求められる場では、すぐにツッコまれておしまいになってしまいますが、新しい価値の創造では、必ずこの「ボケる」ことが必要になります。安心して「ボケる」ことができる環境がまずは必要です。
そして、もう一つは「仲間」です。
生まれる新しい価値を信じる同じ意志の仲間がいれば、お互いがエネルギー源になって、鬼が島に挑むことができます。しかし、そうでなければすぐにあきらめてしまうでしょう。
新しい価値がうまくいくか、はエビデンスを出すことがほとんどできないので、意志をもとにアクションを起こしていくしかありません。

以上、ざっと概観するかたちではありますが、よくある悩みに応えるかたちで、フォーサイト・クリエーションの方法論を追ってきました。私たちは、フォーサイト・クリエーションの方法論をもとに新価値創造のお手伝いをしています。また、一般企業向けにフォーサイト・クリエーションの方法論をお教えするスクールを実施しています。実際に、このスクールから新しいビジネスモデルも生まれています。やみくもに取り組むのではなく、しっかりとしたメソッドのもとで「新たな価値創造」にチャレンジする。それが、これからの時代を生き抜く確かな道ではないでしょうか。

アニメ製作:ziba tokyo

書名
ザ・ファーストペンギンズ 新しい価値を生む方法論
著者
松波晴人
出版社名
講談社
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