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大阪ガスは企業競争力のベースを技術に求めており、研究開発は最も重要な企業差別化戦略の一つと考えています。
そのために、以下に紹介する、さまざまな新技術の研究開発、実用化に積極的に取り組んでいます。

省CO2に貢献するコンパクト合成ガス製造プロセス「AATGプロセス」

概要

  環境にやさしい天然ガスは、石油代替エネルギーとして世界的に注目されていますが、地球上の埋蔵量の多数を占める中小のガス田や油田から噴出し続ける原油随伴ガスは、事業化が難しく、有効に利用されないままになっています。この未利用天然ガスの活用を促進するキーテクノロジーとして開発が急がれているのが、GTL(ガス・トゥ・リキッド)転換技術です。
  GTLとは、天然ガスを一旦、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスに変えた後に、液体の軽油や灯油、メタノール、DME(ジメチルエーテル)などを製造する技術です。
  GTLが注目される理由には、常温での輸送や貯蔵が可能であり既存のインフラが利用できること、石油系燃料に比べ燃焼排ガス中のPM(粒子状物質)やNOxがはるかに少なく、SOxを全く含まないクリーンなエネルギーであることなどがあげられます。
  大阪ガスは、長年に亘り、オンサイト水素製造装置や燃料電池用水素製造装置などにて培った触媒技術を活用し、新たな合成ガス製造プロセス(AATGプロセス)の開発*2に取り組んでいます。
  パイロット装置規模(合成ガス製造量約2,000Nm3/H)での実証試験により、AATGプロセスが、安全に、安定して、合成ガスを製造できることを確認するとともに、得られたエンジニアリングデータから、建設費や製造工程でのCO2排出量の削減という観点で、従来法に比べて優位であることを確認しました。また、洋上油田の随伴ガスを原料としGTLを製造するためには、FPSO(Floating Production, Storage and Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)などの洋上設備上で合成ガスを製造する必要があります。この場合、高純度の酸素ガスを酸化剤として使用できない可能性があり、平成20年度から低純度酸素や空気を用いるAATGプロセスの実証試験に着手し、良好な結果を得ています。
  本プロセスは、GTL装置向けの合成ガス製造用途だけでなく、アンモニア、メタノール、DMEなどの製造に用いる合成ガスの製造装置としても適用可能であり、国内化学工場用合成ガス製造装置として商用装置を実現するため、PR活動を実施中です。

■AATG関連受賞暦

  • 平成21年度 財団法人 エンジニアリング振興協会 エンジニアリング奨励特別賞
  • 平成23年度 一般社団法人 日本エネルギー学会 進歩賞(技術部門)


特長

  1. 1.AATG*1プロセスは、触媒部分酸化反応により、天然ガスから合成ガス(COとH2の混合ガス)を製造するプロセスで、GTL製造をはじめ、メタノール、アンモニアなど合成ガスを原料とする様々な用途へ適用可能
  2. 2.シンプルでかつコンパクトな設備であることから、建設コストや設置スペースを削減可能
  3. 3.加熱炉の削減が可能であることから、製造工程中に発生するCO2排出量を削減可能
  4. 4.シンプルかつコンパクト、また、加熱炉を削減できることから、海上で原油随伴ガスを原料としてGTL製造する際の合成ガス製造設備に適する。
  5. 5.従来、燃焼廃棄されていた原油随伴ガスのGTL化により、CO2削減とエネルギーの有効利用に貢献

*1:Advanced Auto Thermal Gasification

GTL用合成ガス製造装置への適用

AATGプロセスは、当社が開発した超高次脱硫と触媒部分酸化反応を組み合わせた合成ガス製造プロセスで、水蒸気改質反応とバーナータイプ自己熱改質反応(ATR)を組み合わせた従来法と比較し、次のような特徴を有します。

  1. 1.従来法では、水蒸気改質用の反応器(プレリフォーマー)と水蒸気改質反応に必要な熱を与える加熱炉、さらにバーナータイプの改質反応器(二次改質器)が必要ですが、AATGプロセスはバーナーを用いない1つの固定床触媒反応器で合成ガスを製造するシンプルなプロセスです。
  2. 2.従来法と比較し、はるかに高いSV(空間速度:1/h)を採用でき、反応器の大幅なコンパクト化が可能です。大阪ガスが開発した超高次脱硫触媒を用いて、従来のppmレベルではなく、ppbレベルの脱硫を行うことにより、AATG反応器の触媒を硫黄被毒から守り、長期間にわたりAATG反応器に充填する触媒の性能を維持します。
  3. 3.プロセスのシンプル化、反応器のコンパクト化により、従来法と比較し、装置建設費を削減することが可能です。
  4. 4.加熱炉を省略することにより、従来法と比較し、合成ガス製造工程で発生するCO2排出量の削減が可能です。
  5. 5.AATG反応器に用いる触媒は、反応器入口温度300℃以下でも安定して酸化反応を開始することができ、かつ、吸熱反応である水蒸気改質の活性が高いため、触媒層でのピーク温度を低くすることができます。
  6. 6.従来法では、バーナータイプ反応器でのすす発生の抑制が重要な課題でしたが、触媒層で酸化反応と水蒸気改質反応が同時に進行するAATGプロセスでは、すすが発生しません。

原油随伴ガスのフレアリング代替技術/原油随伴ガスの有効利用技術

 エネルギー消費地に近い油田からの随伴ガスは、パイプラインで移送し都市ガスとして利用する、あるいは、油田の近傍に発電所を建設し、送電線で電気として移送するという利用方法がありますが、エネルギー消費地から離れた油田からの随伴ガスは、油井へ随伴ガスを再注入(リインジェクション)できない場合、燃焼廃棄(フレアリング)せざるを得ません。全世界では、約1,500億m3/年(年間LNG生産量の約5%)もの随伴ガスが燃焼廃棄され、エネルギーとして利用されずに大気中へ炭酸ガスを排出しています。
 近年、エネルギー消費地から遠く離れた洋上油田が増加しており、随伴ガスの有効活用が課題となっています。その解決方法のひとつが随伴ガスからのGTL製造です。随伴ガスを原料にGTLを製造すれば、燃焼廃棄する場合と比較し、炭酸ガス排出量を約50%削減することが可能で、かつ、エネルギーとして有効利用できるGTLを製造することができます。
 シンプル、コンパクト、加熱炉の削減が可能であるという特長を有するAATGプロセスは、設置スペースの制約などの観点から、洋上での随伴ガスを原料とするGTLプラント向けの合成ガス製造装置として適しています。

国内化学工業向け合成ガス製造プロセスへの適用

パイロット装置で実証した技術で対応可能な範囲について、商業装置実現に向けて、PR活動を実施しています。

パイロットの写真

商標「AATG」は大阪ガス株式会社と日揮株式会社の登録商標です。

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