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大阪ガスは企業競争力のベースを技術に求めており、研究開発は最も重要な企業差別化戦略の一つと考えています。
そのために、以下に紹介する、さまざまな新技術の研究開発、実用化に積極的に取り組んでいます。

熱収縮性に優れる「インバーLNG配管」

開発目的

 極低温のLNG(液化天然ガス)を輸送する配管には、優れた低温特性と安定した品質を持つステンレス鋼を使用します。しかし、ステンレス鋼LNG配管には、LNGの極低温により生じる大きな熱収縮を吸収するための曲管(コの字型のループ管)等が必要になります。そこで、線膨張係数が極めて小さいインバー合金をLNG配管に適用し、ループ管の不要な合理的なLNG配管構造を実現し、LNG配管の建設費の低減を図りました。

インバー合金とは

1.インバー合金の特長
 インバーの基本組成は64%Fe-36%Niで、以下のような特長を持ちます。

  • 線膨張係数が非常に小さい。(ステンレス鋼の約1/10)
      インバー合金 ステンレス鋼
    線膨張係数
    1.7×10-6 /℃ 15×10-6 /℃
    LNG冷却時収縮量 0.3 mm/m 2.8 mm/m
  • 完全オーステナイト組織であり、脆性破壊を起こさない。
      インバー合金 ステンレス鋼
    0.2%耐力 ≧240 N/mm2 ≧205 N/mm2
    引張強さ ≧440 N/mm2 ≧520 N/mm2
  • 今までの適用例
    インバー合金はその特性から今までにCRTのシャドウマスク、LNG船のカーゴタンク用メンブレンなどの機能材料として用いられていますが、溶接が難しいこと等により、配管などの厚板材料として用いられた実績はありませんでした。

2.LNG配管に適用した場合の効果
 ループ管を必要としないため、ループ管を設置するための広いスペースを確保する必要がなくなり、大幅な建設費のコスト削減を図ることができます。
 (特にトンネル内に従来技術でLNG配管を設置する場合には大断面のトンネルが必要でしたが、インバー合金はトンネル断面を小さくできることから大幅なコスト削減が図れます。)

トンネル内LNG配管概念図

開発/調査の概要

  • 材料の基準特性値の設定(インバー合金母材、継手の物性値、強度、靭性等の設定)
    インバー合金溶接技術の確立(溶接材料の成分に関する検討及びそれを用いた溶接施工方法の確立)
  • LNG配管の設計技術の確立(許容応力、異材溶接部の応力解析等、配管設計方法の確立)
  • 小規模テスト配管による実証試験
  • 非破壊検査技術(放射線透過試験)の確立

  • 耐食特性の把握・防食対策技術の確立
    インバー合金LNG配管の開発に対しては、その優れた技術が認められ、2003年に第33回日本溶接協会「技術賞」を受賞しました。その後も、関係学協会から数多くの賞を受賞しています。
  • 「日本溶接協会第33回技術賞本賞」受賞
  • 「日本高圧力技術協会科学技術賞(H16年度)」受賞
  • 「日本ガス協会平成16年度論文賞」受賞
  • 「日本エネルギー学会平成18年度進歩賞(技術部門)」受賞

インバー合金LNG配管の設置実績 インバー合金LNG配管の設置実績 インバー合金LNG配管の設置実績

 上記で紹介した開発技術をもとに、2001年4月大阪ガス(株)泉北製造所第二工場内の気化器付属配管に世界で初めてインバー合金LNG配管を設置しました。2003年9月には、タンク付属配管に最大口径700Aのインバー合金LNG配管を設置しました。これらは、いずれも順調に稼動しています。

気化器付属配管 タンク付属配管

■インバー合金LNG配管設置実績

  設置年月 設置場所 配管口径 配管延長
気化器付属配管
2001年 4月 泉北製造所 150A 約10m
タンク付属配管I 2003年 9月 姫路製造所 700A 約25m
タンク付属配管II 250A 約40m
LNG出荷配管 2005年11月 姫路製造所 250A
約200m
海底トンネル配管 2006年 9月 泉北製造所 300A 約2,000m

海底トンネル内LNG輸送配管への適用

 2006年9月大阪ガス(株)泉北製造所の第一工場と第二工場を結ぶ海底トンネル内に口径300Aのインバー合金LNG輸送配管(配管延長約2km)を設置しました。
 ステンレス鋼を配管材料として使用する場合トンネル内径は4m必要となりますが、インバー合金を適用することによってトンネル内径を2.4mまで縮小することができ、インバー合金のメリットを最大限発揮しました。

海底トンネル内 LNG 輸送配管ルート 海底トンネル断面

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