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おいしさLabo(ラボ)

2013年4月、大阪ガス(株)エネルギー技術研究所内に「おいしさ・健康調理ラボラトリー」(おいしさラボ)を設置しました。
食材をどのように加熱すれば、おいしさ&健康性を最大化できるのか?を見つけることを目的に研究しています。

おいしさLabo(ラボ)

第2回 グリルで焼き茄子!!ポリフェノール量はどう変化するの??

グリルで焼き茄子!!ポリフェノール量はどう変化するの??

グリル調理について

今回はグリルで茄子を「焼き」調理する際に、どの程度ポリフェノール量が変化するのか実験しました。グリル調理は魚のイメージが強いのですが、魚だけでなく、様々な食材の調理に適しています。
グリル内では食材を、上部バーナーと両側の下部バーナーの直火と高温の熱風により、強力な火力で調理します(図2)。グリル庫内は弱火でも80秒程度で200℃に達する高温環境(図3)。焼き茄子もグリルで調理すると素早く、おいしく調理できるのです。では、調理中に茄子の中のポリフェノール量はどのように変化していくのでしょうか。

図2 グリル庫内の様子/図3 グリル庫内中心付近の温度

実験手法

図4 円柱型にくり抜かれた茄子のサンプル 今回はよく食される実の部分について実験を行いました。写真のように直径32mm、高さ20mmの円柱型にくり抜き、グリルの弱火で調理します(図4)。茄子の中の温度がわかるように熱電対という温度計をいくつも差し込んで調理。茄子中心部の温度が食べごろの65℃-85℃、少し焼き過ぎの95℃に達するまでそれぞれ加熱調理して、ポリフェノール量の変化を観察しました。ちなみに茄子の実の部分にはクロロゲン酸というポリフェノールを含みます。このクロロゲン酸は抗酸化活性を持ち、生活習慣病の予防に効果があるとされています。 今回は総ポリフェノール量を測定することで中心部の温度毎に茄子の中のポリフェノール全体量の変化を確認しています。
表1 茄子中心部の温度毎の調理時間

調理茄子のポリフェノール量

図5 中心部の温度ごとのポリフェノール量の変化 さて、調理中の茄子のポリフェノール量はどのように変化しているのでしょうか。 茄子中心部の温度があがるにつれて一旦減少し、その後、増加している様子がわかります(図5)。減少の原因としては、ポリフェノールを酸化して別の物質へと変化させてしまう酸化酵素の影響が考えられます。一度この変化が起きてしまうと、ポリフェノールは本来の「体に良い」働きを失ってしまいます。 実はこの変化、皆さんの周りでも見ることができます。例えば、茄子を切ってそのまま置いておくと、切り口が黒ずんでいきますよね。これは酸化酵素が働き、ポリフェノールをどんどん別の物質へと変化させているのです。この変化は調理中にも起こってしまうので中心部の温度が65℃までの調理過程では生の茄子と較べてポリフェノール量の減少が起こってしまいます。ただ酸化酵素は熱に弱いため、75℃以上まで加熱した茄子の中では働かなくなり、ポリフェノールの減少も止まります。
茄子 一方でさらに加熱調理した85℃の茄子を見てみましょう。75℃までしか焼いていない茄子と較べると、ポリフェノール量が増えています。これは、茄子の中にある細胞の壁が熱の影響でつぶされて、ポリフェノールが茄子の細胞から出てきやすくなったためだと考えられます。 人間の体は植物の細胞壁をなかなか消化できません。そのため、この効果は人間の体にとってポリフェノールを有効に摂取できる可能性があり、加熱調理の良い点だと考えられます。 次に焼き茄子を調理する際は高温で表面に少し焦げ目がつくくらいまでしっかりと焼くことで茄子のポリフェノールを十分に引き出してみてはいかがでしょうか。

[1]内田ら, 日本農芸化学会2015年度大会,大会講演要旨集, P585 「グリル調理野菜の健康特性成分の変化」

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